経営と社員の間に立つ「翻訳係」でありたい

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2020/03/11

こんにちは、人事部の杉本です。今回のインタビューは、Sansan事業部の人事部で副部長を務めるEmployee Success Groupの我妻小夜子です。現在、急激に人も増え、成長を続ける中、Sansan株式会社ではどんな施策に力を入れ変化に対応し、社員をサポートしているのか。その背景や人事部の思いについて話を聞きました。

プロフィール

我妻小夜子
人事部 副部長/Employee Success Groupグループリーダー

神田外語大学卒業後、商社に入社し窓口営業を経験後、人事部総務部で新卒採用に従事。2013年12月にSansan株式会社に入社し、社内制度を中心に、人事評価関連、障がい者採用などを担当。現在は、人事部Employee Success Groupと労務Groupの責任者を務める。


Valuesを想起させる施策づくり

はじめに、Sansanの制度の考え方について教えてください。

Sansanでは、30個ほどの制度を常に走らせていますが、制度設計の根底にあるものはどれも同じです。それは、ひとりひとりの生産性を拡大させて、事業貢献に結びつけることです。福利厚生にしても提供しただけでその先には何も求めないといった施策は一つとしてありません。制度を使ったら、どんなに小さな形でも仕事にいい影響を与えられる施策にしたいと思っています。コミュニケーションやスキル向上など縦横斜めと、さまざまな角度から各種制度を作っています。

毎月1回、職場を離れて社外の会議室を1日抑えてミーティングをするのも私たちの大事な習慣です。日常の業務から離れて、その日決められた時間の中で結論を出し、次の施策につなげられるよう、ディスカッションしています。

以前のインタビューでは、Sansanはコミュニケーションに関する施策が多いと話していましたが、現在もそうですか?

それに関しては少し変化しました。確かに当時はコミュニケーションに関する施策が多かったのですが、今はSansanの企業理念である「Sansanのカタチ」の1つで、ミッションを達成するための行動指針Valuesに力を入れています。

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社員が常に携帯している、カタチカード(2020年2月現在)

Valuesに力を注いでいる背景はなんでしょう?

現在毎月のように新しい仲間が入ってきていて、知らない人が一気に増え、だれが何をやっているのか把握できない状態の中で、まずはコミュニケーションが大事だと力を入れていたのが少し前の状況です。ですが、続けていくうちにそれだけでは Sansanらしさへの理解度が足りない気がしました。

例えば、過去に飲んだことがない他部署のメンバー3名で飲みに行く際、会社から一定金額の補助が出る制度「Know Me」や会社公認の部活動「よいこ」についても、使ってくれる顔ぶれを見ると、使い慣れた人が多いのが現状だったので、こういう小さなところから変えていく必要があると感じています。これだけ規模が大きくなった今、もっとたくさんの人にValuesを体感してもらい、伝えていけたらと思っています。

例えば、Valuesを体感できる施策とは?

「Know Me」は、そんな事情から最近アレンジを加えました。5人ひと組で、Valuesについて語る場にしたら、補助される費用もアップされるようになり、開始早々、いろいろな人が活用してくれています。

他にも毎週配信している動画の社内報「Sansan TV」でメンバーがValuesにまつわるエピソードを語るなど、Valuesを想起させるようなコンテンツが増えています。といっても、これらは長期的に緩やかにValuesに触れる施策なので、インパクトという意味では弱いかもしれません。でも、私たちは、社員が無意識のうちにValuesに触れている状態が浸透させる上でも大事だと考えています。

去年は1年間でValuesについて社員同士、リーダー同士、役員クラスで話し合い、合計すると5000時間もの時間を投資してディスカッションしてきました。人数が増えてもミッションやValuesが薄まらないために、私たちのチームももっとValuesに理解を深めなくてはいけないし、そこに関して熱量を持って引っ張っていけるチームになりたいです。

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ライフステージの変化で起こる仕事の障壁を
制度の力で軽減させる

出産や育児、また介護など社員それぞれのライフステージの変化に、Sansanの制度はどのように対応していますか?

雇用区分が分かれていて、それぞれのライフステージや家庭環境や価値観に合わせて働き方を選べます。フルタイムの正社員がA1という区分で、A2はみなし残業はナシ、基本給と残業した分だけ報酬をお支払いする体系です。最近になって、A1は厳しいけれどA2よりも、もっと働きたい人のために、新たにA2plusという区分ができたんです。

A2plusとは?

A2は、時短勤務で残業を制約したいという、主に育児休暇から復帰する女性たちが選んでいたのですが、半年後など慣れてくると、人によってはもっと働きたいという声も多く挙がっていたんです。ただ、普段はフルで働けても子供に何かあったときは早退したいこともあり、A1というフルタイム勤務の雇用形態だと厳しい現状もあります。そんな声にも対応できる働き方として、A1とA2の中間としてできたのがA2plus。これは、人によってみなし残業代を変えて、その人の所定時間に合わせたみなし残業代を付ける制度です。

給与体系はA1と同じですが、何かあったら早退もできて、周りからもA1とは違う働き方だと理解が得られるのも特徴。昨年から復帰ラッシュが続いていましたが、彼女たちは半年たってほぼ全員A2plusに切り替わりました。気持ちよく、思い切り働けるとの声もあって、制度を作ってよかったです。

他にも、子育て世代の女性を支援する「MOM(マム)」という制度もあります。それはシッター代や家事代行サービス代、保育園お迎え時のタクシー代を会社が補助するものです。

Sansanには子育て世代が多いのでそういった制度は大事ですね。

はい。制度の考え方にはふたつあって、ひとつは英語学習をサポートする制度のように、プラスアルファで社員の能力を引き上げるものと、もう一つは、働く上でどうしても出てくる障壁を制度の力で軽減させてSansanで思い切り活躍できるようにするやり方です。その両軸で考えて制度設計をしています。

Sansanに必要な新たな制度を考える時、自身が大切にしていることは何でしょう。我妻さんは昨年副部長になりましたが、そのことで変わったことはありますか?

制度を作る時に見るのは、規模と属性ですね。これくらいの組織規模感の時にやっておくべきことはなんだろうとは常に考えています。Sansanは平均年齢32歳の若い会社で今は出産周りや男性のサポートについて考えることが急務ですが、10年後には一斉に学童問題や介護問題について制度が必要になってくる。その時になって慌てるのではなく、今から準備すべきことはあるのか常に先を見て逆算することが大事だと思っています。

また、副部長になったことで、私自身視野を広げる必要があると感じています。世の中で起きていることすべての問題や課題をSansanという縮図に当てはめたらどうだろうと日々考えます。

副部長になる話をもらった時には迷いはなかったですか?

ありましたね。こんな私に務まるのかというのが率直なところ。社歴も長く、チャレンジしたい気持ちはもちろんありましたが不安でした。家族に相談したら、「こんな私がなんて」と言ってる人が副部長になったら、それで勇気をもらったり励まされる人もいるんじゃない?って。その言葉が後押しになりました。

実際に「我妻さんでもなれたんだから、私ももう少しここで頑張ります」って言われたこともあって(笑)、私としては狙い通り!やっぱり副部長になってよかったと思いました。

もう一つ、Sansanは体育会系のイメージもあって、これまで何度か女性同士の会話の中で「女性で役職持って働くのはキツそう」と聞くこともあって、案外そんなことないよと示せたらいいなとも思いました。女性が肩書きを持つことで責任が伴い制約が増えるといったネガティブなとらわれ方がなくなればと思っています。

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経営チームの思いを伝える「翻訳係」として

今後についても教えてください。グローバル人材について、人事はどんな取り組みを?

今まさに取り組んでいるMany Projectという制度があります。これは、事業成長における課題を解決するために、メンバーが主体となり、部門間の活発な連携によってプロジェクト化できる制度です。昨年、日本語が話せないメンバーがエンジニアとしてジョインしたのですが、その際の制度づくりとして、受け入れるチームのメンバーに英語の特訓を会社の補助で受けてもらいました。まずはできる範囲から進めていこうと。

こうやってスモールスタートでパイロット運用をしていくのはSansanの好きなやり方なんです。飛び級的に全社公用語を英語にしたりと極端なものではなく、入社したメンバーが見るドキュメントから翻訳し始め、全社にお知らせを流す時は英語もつけるなど、まずは必要な場所に必要な支援を考え、行えたらと思っています。そこから進んで、今はグローバル人材に対して研修をどのようにフォローしたらいいかなどもパッケージで用意するプロジェクトも動いています。

そして、毎月これだけさまざまなバックグランドを持った人が入社する中で、私自身は働き方についても向き合いたいと思っています。今の同じ時間に同じ場所で皆が一斉に働くことが果たして最適なのか。そのことによって何か損することはないか、じっくり考えて何か提示できたらと思っています。

今後柱になっていく施策はなんでしょう。

やはりValuesだと思います。専門のチームがあってもいいくらい重要だと感じます。そこは絶対の根幹として変わらずにありますが、一方でその時その時で打たなくてはならない施策もあります。体感としては、半年から1年のサイクルで向き合うべき課題が変化しているのを感じます。実際、2年前にオリンピックイヤーにはやろうと話していた施策は、半年前倒しで始まった例もあります。このスピーディな流れをいかに正確に予測し読むか。あたらしいValuesに「Lead the customer」がありますが、私たち人事はこのCustomerは「社員」と捉えています。ありたい方向へ仲間を導ける存在。それも私たちのチームが経営の伴走役として求められていること、期待されていることだと思います。

経営のよき伴走役でいることがチームの大きな役割ですか?

いえ、私たちは経営だけを向いているわけではありません。Valuesしかり、Sansanはここを目指して進んでいる船だよと目指している方向性を社内に知らせていく「翻訳係」のようなものだと思っています。経営の言葉や寺田さんの思いをよりわかりやすく噛み砕いて、制度や媒体を通して伝達していく部隊です。その精度を上げていくことは、同時に私たちのチームの価値を高めることだとも思います。


インタビュー後記

組織規模が急拡大していくSansan、それを支える人事制度がどのような考えを持ったメンバーによって作られているのかが、「常に10年後を見据え、ありたい方向へ導いていきたい」という我妻のメッセージから伝わりました。

引き続き、我妻のチャンレンジに期待すると共に、次はどんなかたちでValues浸透施策ができるのか楽しみです。Sansanの社内制度については一覧でみられるページがあります。

Sansanでは、一緒に働くメンバーを募集しています。ぜひ採用情報をご覧ください。

interview: 人事部 杉本裕樹 text: 大庭典子 photo: プロダクト戦略開発室 高橋淳

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