全国自治体で初の試み。自治体も営業する時代に向けて、人脈情報の共有可視化で営業強化

徳島県

徳島県

徳島県は県内全域に光ファイバ網を整備しており、CATV世帯普及率88.9%という全国屈指のブロードバンド環境を活かした地域活性化を推進している。近年の自治体では、企業誘致をはじめ、観光、物産などのPR活動における営業強化が課題として挙げられており、以前から必要性を感じていた人脈情報を活用できる仕組みとしてSansanを導入した。

「鳴門の渦潮」や「阿波踊り」といった観光スポットや伝統芸能のほか、近年では全国1位の普及率を誇るブロードバンド環境を活かし、デジタルコンテンツ産業の集積や都市部企業のサテライトオフィス誘致を推進するなど、ITを活用した地域活性化の取り組みでも知られる徳島県。より積極的なPR、企業誘致に向けた営業活動の強化が求められる中で、徳島県が人脈の可視化・共有化のための手段として選択したのが、クラウド型の名刺管理サービス「Sansan」だった。

徳島県東京本部 副本部長
新居徹也氏

ITを活用した地域活性化を推進
新しいイノベーションに対する期待感を醸成

– 徳島県は県内全域に光ファイバ網を整備しており、CATV世帯普及率88.9%という全国屈指のブロードバンド環境だと伺っています。

 恵まれたブロードバンドインフラを活用し、デジタルコンテンツ産業の誘致やサテライトオフィスの設置に向けた取り組みを積極的に行なってきました。例えば、サテライトオフィスの誘致は、2011年から開始された『とくしま集落再生プロジェクト』の主要事業の1つに位置づけられています。これは、首都圏企業のサテライトオフィスを過疎町村に試験的に設置し、全く新しい集落再生モデルの構築を目指すものですが、現在、18社がオフィスを構えており、当初予想した以上の反響を得ています。県外企業と地元企業のコラボレーションによる地域活性化をはじめ、新規事業の立ち上げや雇用創出など、さまざまな効果が期待されていまして、「人が人を呼ぶことで、地域に新しいイノベーションが生まれていくことへの大きな期待感」を、皆が感じ始めていることが何よりも重要だと考えています。

豊富な人脈を活かした営業活動のために効率的な名刺管理が課題に

– 県庁内業務のIT化にも積極的に取り組んできたそうですね。

 庁内業務の効率化を主軸として、早くから一人に1台PCを配備してきたほか、グループウェアの採用、電子決済システムの導入など、さまざまなIT化を行ってきました。ITを活用した業務効率化をさらに推進していくにあたり、早急に適用すべきであると考えていたのが膨大な名刺情報の管理でした。近年の自治体では、企業誘致をはじめ、観光、物産などのPR活動における営業強化が課題として挙げられています。こうした営業活動を行っていく中で痛感したのは、徳島県の資源ともいうべき貴重な人脈が十分に活かされていないことでした。

– 具体的にどのように活かされていないと感じられたのでしょうか。

 例えば、職員は数年ごとに人事異動が行われるのですが、在任中に築いてきた人脈が異動によって途切れてしまったり、名刺の管理についても、職員個人個人によって行われていたため、業務効率が悪いだけではなく、情報の共有化がほとんどなされていなかったのです。私自身の経験で言えば、東京本部に異動してきた時に前任者から2,000枚近い名刺を渡されたのですが、到底管理しきれるものではありませんでした。また、進行中のプロジェクトについては、業務引継書や業務報告といった紙の書類として記録してファイリングされていたのですが、それらの膨大なファイルの中から必要な情報をすぐに取り出したり、名刺の情報とマッチングさせたりすることも困難でした。こうした組織内に埋もれている多くの人脈情報を、営業活動のための資産としてすぐに活用できる仕組みが必要と考えていたのです。

専用端末としてDell のタブレットを使用

県庁内業務が抱える課題を解決するために最適なサービスが「Sansan」だった

– Sansan導入に至った経緯を教えていただけますか。

 私たちが求めている『人脈の可視化、共有化』という機能を有していたのは、Sansanだけでした。例えば、チームのメンバーそれぞれが同じ企業の異なる担当者にアプローチしていたことも、名刺情報を基にSansanが管理・通知してくれるため、一目で把握することができます。また、業務記録も直接名刺情報にひも付けて入力できるうえ、その記録も共有化されるので、どのような交渉を行ってきたのか時系列で参照することも可能です。これらの機能を評価し、Sansanを採用しました。

 また、名刺情報に基づいたデータで、One to Oneメールを送信できることも選択の理由でした。これまでは展示会の案内や、会場で名刺を交換した来場者への御礼をメールで個別に送ろうとしても、送信先が膨大な量となってしまうため、手作業では不可能でした。しかし、Sansanでは、登録した名刺情報により、個々の担当者のアドレスからメールを一斉に配信することが可能です。また、特定のカテゴリーに分類、抽出した宛先に対してメール送信することもできます。このようなきめ細かいフォローができる点もSansanならではの機能でした。

 その他には、企業への訪問直前にスマートフォンでSansanにアクセスし、面談相手の名刺情報をすぐに閲覧できることもメリットとしてあげられます。名刺情報の登録も、スマートフォンや、オフィスに設置されるDellのタブレットを用いて簡単に行うことができますし、そうした利便性も導入理由となりました。

全国自治体初の先進的な取り組みで
人脈情報の共有化・可視化を実現

– Sansan導入後、どのような効果が見られていますか。

 東京本部において、Sansanの試験運用を2013年9月から実施しています。営業力や発信力を強化するためにクラウドサービスを活用するというのは、全国自治体初の試みではないかと思います。本格導入は2014年4月からを予定していますが、既にさまざまな効果が現れています。例えば、相手の人事異動などにより名刺情報が変わっても、その更新をSansan側で行ってくれるため、名刺管理の負荷を大幅に抑制することができました。名刺情報やその交換の記録、コンタクト履歴や業務報告書等についても容易に入力でき、さらには検索・閲覧できるようになったため、業務の効率化と情報の共有化・可視化が実現できています。

 また、展示会来場者等へのOne to Oneメールも簡単に配信できるようになりました。これまでは半日かけてもすべての来場者にアフターフォローのメールを送ることができなかったのですが、Sansanのメール配信機能により、翌日には行えるようになりました。"これまでできなかったことができるようになった"ことも、Sansanを導入することで得られた大きなメリットです。簡単にメール配信可能になったことから、今後は東京在住の徳島県出身者に対する情報発信なども積極的に行っていきたいと考えています。

 徳島県は、県庁本部はもとより、大阪や名古屋にも拠点があります。今後は、これらの導入効果を踏まえ、県全体でのSansanの導入を提言してさらなる人脈情報の共有化を進めていきたいと考えています。Sansanを情報共有基盤とすることで、より多くの方に徳島県を知っていただけるような活動を行っていくことができる、そう考えています。

ページ上の内容は2014年1月時点の情報です。
徳島県

徳島県

職員数
3,206名(一般行政:2012年4月1日現在)
ウェブサイト
https://www.pref.tokushima.lg.jp/

この記事と類似の事例をみる

Sansanの導入について
不明な点は
お気軽に
お問い合わせください