グローバルテックカンパニーを目指して、技術の力でSansanをリードする
取締役/執行役員/CIO/CISO/DPO/技術本部 本部長/Eight事業部 事業部長
塩見 賢治
Sansan Global Development Center, Inc. Director, Country Manager
Jay Pegarido
2023年入社
Sansanはこれまで、海外子会社Sansan Global Pte. Ltd.を通じて、シンガポールを中心に東南アジア諸国へ営業DXサービス「Sansan」およびインボイス管理サービス「Bill One」を展開してきました。さらなるグローバル化を加速させるためには、各プロダクトの多言語対応のみならず、それぞれの国の法令・制度や商習慣・業務フローに沿った独自の機能開発を行い、各国の顧客のニーズによりダイレクトに応えることが求められます。
2023年、海外市場に向けたプロダクト開発の強化を図るべく、フィリピン・セブ島にSansan Global Development Center, Inc.(以下、SGDC)を設立しました。この拠点を取りまとめているのが、Country ManagerであるJay Pegarido(ジェイ・ペガリド)。彼がSansanに参画した経緯や、SGDCにおける今後のビジョンなどを聞きました。
私はフィリピン出身で、ソフトウェアエンジニアを志しサンカルロス大学でコンピューターエンジニアリングを学びました。その後就職活動をし、フィリピン拠点を作ることを構想していたヤマトシステム開発に入社したのです。この企業で働いたことをきっかけに日本に移住し、日本語を学び始めました。
同社で7年間勤務したのち、ニュースキンに転職しました。その後、スプラシアの日本法人に入社して実績を積み、数年後にスプラシアフィリピンの立ち上げのためフィリピンに戻ったんです。続いてインターナショナルシステムリサーチという、クラウドセキュリティ会社に入社し、開発組織をフィリピンに立ち上げました。
そしてあるとき、過去に同僚だった方から「Sansanがフィリピンで支社を作ろうとしている」という話を聞き、私はコンサルタントとして、その立ち上げをサポートすることになりました。
しばらく経ってから5人の役員が日本から視察にやってきて、オフィスの候補になるビルを見て回りました。私が一通り案内を終えたタイミングで、ある役員が「ジェイさん、Sansan(に入社するの)はどう?」と言ってきて。びっくりしましたが、すごくうれしい誘いでした。
Sansanは上場企業ですし、素晴らしいテクノロジーやプロダクトを持っています。東南アジアの国々では名刺や請求書などのビジネス文書をほとんど紙でやりとりしており、それらの情報をデジタル化するようなプロダクトはありません。Sansanのソフトウェアを広めていくことで、人々の生活が便利になるだろうと感じました。
また、SGDCでの仕事は、私が掲げている人生のミッションにも近いです。フィリピンでは多くの人が「海外の企業で仕事をしたい」と考えていますが、ほとんどの人はそういった機会が与えられません。私はかつて日本企業で働いていましたが、その経験をするなかで「せっかくこんなチャンスをもらえたのだから、いつかフィリピンの人たちが海外の企業で働くための手助けをしたい」と強く思うようになりました。SGDCの仕事を通し、そのミッションの実現を叶えられると感じたのです。
SGDCでは、主に「Bill One」の開発を行っているほか、最近ではアナログデータのデジタル化を担うDigitization部のシステムなども一部開発しています。また、これまでSGDCにはQAを専門とするメンバーがいなかったのですが、プロダクトの品質をより高めるためにQAチームを立ち上げ、運営しています。
「Bill One」は日本にも開発チームがありますが、海外版の「Bill One」はSGDCがプロダクトのオーナーシップを持っているんですよ。私たちが積極的に機能のアイデアを出し、かつ日本のチームとも定期的にコミュニケーションをしながら、プロダクト開発を進めています。SGDCが出した改善案が、日本側のプロダクトに反映されるケースもあります。
フィリピンにあるIT企業は、受託開発をしているところが多いです。そうした会社で働くエンジニアは、クライアントや親会社から指示されたものだけを作っています。エンジニアが機能の改善案を出しても、それが受け入れられる機会はほとんどありません。一方、SGDCではエンジニア自身がプロダクトを良くするために意見を出せることが、やりがいにつながっているようです。
SGDCの組織を成長させるうえで、私が大切にしていることはいくつかあります。まずは、メンバーの教育です。新しいメンバーが参画する際のトレーニングでは、Sansanの掲げる理念や価値観を理解してもらうためのカリキュラムを組んでいますし、実際のプロダクト開発に入るまでに擬似的なミニプロジェクトを経験できるようにしています。
このミニプロジェクトでは、「Bill One」と同じ技術スタックを用いて、自分自身が考えたプロダクトのアイデアを1〜2週間ほどかけて実装しているんです。これによって、各種技術スタックに慣れるだけではなく、プロダクトや機能のアイデアを発案する力も鍛えられます。
そして、中でも最も重視しているのがチームビルディングです。フィリピンは大家族の家系が多くて、働いている会社でも「家族のような関係性で、信頼感を持って働けること」を大事にする文化があります。過去の職場でもこうした文化を大事にしてきましたし、SGDCでもそれは同様です。メンバーに向けて「私たちは家族だから、何か問題が起きたらいつでも相談してほしい」と言っていますし、四半期に1回はみんなでリゾート地に出かけて、親睦を深めるためのアクティビティをしています。
Sansanはグローバルに向けて事業を展開していますが、その目標を実現するうえでSGDCは重要な役割を担います。今後、さらにSGDCのメンバーを増やして、開発体制を構築し、グローバルで競争できるプロダクトを生み出していきます。SGDCを起点として技術的なイノベーションを起こしたいとも考えています。
また、現在は日本とフィリピン以外にシンガポールとタイに拠点がありますが、他の国にも進出していきたいですね。そして、今は「Bill One」のように日本発のプロダクトを作っていますが、いつかはフィリピンで新しいプロダクトを生み出して、それが世界でも使われる未来を実現したいと思っています。そのためにも、まずはSGDCをフィリピンでNo.1のIT企業にします。フィリピンからグローバルに向けた挑戦をしたい、イノベーションを生み出したいと思っている人とぜひ一緒に働きたいですね。
Sansanとの出会いや入社を決めたきっかけ、入社前のキャリアなど、多様なメンバーの声はこちらから読むことができます。