2019年5月期(2018年6月1日~2019年5月31日)における当社グループの業績予想は、以下のとおりです。
決算期項目 | 2019年5月期 (予想) |
2019年5月期 第3四半期累計期間 (実績) |
2018年5月期 (実績) |
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対売上 高比率 |
対前期 増減率 |
対売上 高比率 |
対売上 高比率 |
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売上高 | 10,069 | 100.0 | 37.5 | 7,361 | 100.0 | 7,324 | 100.0 |
営業利益 | △938 | - | - | △655 | - | △3,061 | - |
経常利益 | △976 | - | - | △684 | - | △3,077 | - |
親会社株主に帰属する 当期(四半期)純利益 |
△988 | - | - | △688 | - | △3,085 | - |
1株当たり 当期(四半期)純利益 |
△42円25銭 | △32円25銭 | △168円44銭 | ||||
1株当たり配当金 | 0円00銭 | - | 0円00銭 |
【2019年5月期業績予想の前提条件】
本資料に記載の2019年5月期の業績予想数値は、2018年6月から2019年2月までの実績数値に、2019年3月以降の予想数値を合算して策定した数値となっています。
当社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを掲げ、「クラウドソフトウェア」に「テクノロジーと人力による名刺データ化の仕組み」を組み合わせた新しい手法を軸に、名刺管理をはじめとした企業やビジネスパーソンが抱えるさまざまな課題の解決につながるサービスを展開しています。具体的には、名刺をデータ化し、人と人のつながりを情報として可視化・共有できる、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を展開するSansan事業と、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの仕組みを取り入れ、名刺をビジネスのつながりに変える名刺アプリ「Eight」を展開するEight事業を運営しています。
名刺は、ビジネスの出会いのシーンで交換される慣習が根強く、そこには、氏名や所属する会社、組織、役職、連絡先等のビジネスパーソンを表す正確な情報が記載されています。また、名刺交換の履歴情報自体にもユニークな価値があるほか、現在でも紙のままで日常的に利用されていてデジタル化が進んでおらず、業務効率化や有効活用の余地が大きく残されていると考えています。当社グループが提供する「Sansan」と「Eight」は、数多くの企業やビジネスパーソンが利用するサービスとなっており、名刺管理という極めて基本的なビジネスニーズと、そこに自律的に蓄積されるデータや情報が土台となっていることから、他のサービスやデータベースとの連携性や拡張性が高く、ビジネスにおけるプラットフォームになり得る要件を兼ね備えているものと捉えています。
当社が2007年の創業当時から手掛ける「Sansan」は、名刺管理サービス市場を自ら創り上げてきたことで、当該市場で81.9%の市場シェア(2017年時点)(注1)及び契約件数5,738件(2019年5月期第3四半期末時点)を有しており、パイオニアとして市場の成長を牽引しています。また、2012年に開始した「Eight」のユーザー拡大と合わせて、当社及び当社サービスのブランド認知度は高まっているものと考えています。しかしながら、日本国内に存在する企業数や従業者数でみた場合には、「Sansan」のカバー率は未だ低水準です。例えば、国内における総従業者数に占める「Sansan」利用者数の割合は、約1%程度(注2)に留まっており、潤沢な開拓余地が残されていると考えています。加えて、働き方改革やデジタル・トランスフォーメーションの加速によって、名刺に対するクラウド管理ニーズが後押しされる可能性も高いものと捉えています。
当社グループは、中長期的な株主価値及び企業価値の向上を目指し、名刺管理を軸とした、企業及び個人ユーザーの労働生産性向上や新たなビジネス機会の創出につながる、さまざまなソリューションサービスの提供に積極的に取り組んでいく方針です。具体的には、Sansan事業では、契約件数の増加及び契約当たり売上高の拡大に取り組む中で、正規情報である大量の名刺データを軸に、「Sansan」は企業内のあらゆるサービスと連携し、ビジネス・プラットフォームの中心になることができると考えています。そして、プラットフォームとしての拡張性を強化し、価値を向上させていくことで、さまざまなビジネス機会へのアクセスを図ります。Eight事業においては、一部利用機能を拡充した個人向け有料サービス「Eightプレミアム」を展開していますが、事業全体でのマネタイズを加速すべく、企業向けを中心とした有料サービスの開発・展開に更に注力していきます。
このような状況の下、2019年5月期は、売上高10,069百万円(前年同期比37.5%増)、営業損失938百万円(前年同期は営業損失3,061百万円)、経常損失976百万円(前年同期は経常損失3,077百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失988百万円(前年同期は、親会社株主に帰属する当期純損失3,085百万円)を見込んでいます。
(売上高)
売上高は、Sansan事業とEight事業により構成されており、予想数値の策定はセグメント毎に行っています。当第3四半期連結累計期間における売上高は、Sansan事業の順調な拡大等により、7,361百万円となりました。なお、売上高の内訳は、それぞれSansan事業6,982百万円、Eight事業379百万円となっており、Sansan事業は連結売上高に占める重要性が高いセグメントになっています。
セグメント別の売上高の予想数値は、以下の考え方に基づいて策定しています。
売上高は、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」の利用料収入のみで構成されています。利用料収入の主な性質としては、サービスの使用契約に基づく月額の「基礎収入」と、サービス使用開始時に発生する過去分の名刺データ化料金や、予め定められた月内の使用範囲を超えた利用に課す料金並びに導入支援サービスに課す料金等からなる「その他の収入」に分類ができます。
予想数値の策定に当たっては、まず、既存顧客及び新規顧客からの「基礎収入」を算出しています。その際、まず既存顧客との契約が、過去の1年間の解約率の実績等をもとに解約が見込まれるものを除き、計画期間も継続して収入となることを想定しています。次に、既存顧客からの追加契約分及び新規顧客からの新たな基礎収入として、直近の3か月間は足元のパイプライン(注1)における受注動向を、それ以降は十分なリード(注2)があることを前提として、営業活動に携わる人員数や1人当たりの受注状況等を勘案して見積もっています。営業活動に携わる人員数については、実績としての営業人員数に直近の採用状況等を加味して算定し、また1人当たりの受注状況については、新たに営業人員として採用された人材は訓練期間等を勘案し、総じて過去の実績を踏まえた前提をおいています。そして、算出された「基礎収入」をもとに、想定される他の課金金額や導入支援サービスの利用率等を加味して、該当期間の売上高を構成する「その他の収入」を合理的に見積もっています。
当第3四半期連結累計期間においては、広告宣伝活動をはじめとしたマーケティング活動や営業体制の強化等に取り組んだ結果、新規契約の獲得や契約当たり売上高の拡大が進み、売上高は6,982百万円となりました。また、当第3四半期連結会計期間末における契約件数は5,738件、12か月平均の月次解約率は0.73%となりました。第4四半期連結会計期間は、現状のパイプラインに鑑みて堅調な受注が見込まれること及び例年3月は顧客の契約更新時期に当たるケースが多く、月次解約率が若干上昇すること等を踏まえた上で、上記方針に基づいて予想数値を策定しています。
売上高は、名刺アプリ「Eight」における複数の課金プランにより構成されています。課金プランの主なものとしては、一部利用機能を拡充した個人向け有料サービス「Eightプレミアム」や「Eight」における名刺共有を企業内で可能にするサービス「Eight 企業向けプレミアム」、転職潜在層のユーザーにアプローチ可能な採用関連サービス 「Eight Career Design」、「Eight」のユーザーに対して広告配信ができるサービス「Eight Ads」 等があります。
予想数値の策定に当たっては、課金プラン毎に売上高を算出し合算しています。「Eightプレミアム」や「Eight Ads」は、主に「Eight」に登録済みのユーザー数がサービスの前提となることから、直近の連結会計期間末におけるユーザー数等を重視しています。また、「Eight 企業向けプレミアム」や「Eight Career Design」では、契約社数や1社当たりの利用状況、単価等も考慮しています。
当第3四半期連結累計期間においては、「Eight 企業向けプレミアム」が順調に進展したこと等により、売上高は379百万円となりました。また、当第3四半期連結会計期間末におけるユーザー数は235万人になりました。第4四半期連結会計期間においては、2019年1月末よりサービスを開始した「Eight Career Design」が順調に進展していること等を考慮した上で、上記方針に基づき予想数値を策定しています。
以上の結果、売上高は、前年同期比で37.5%増の10,069百万円を見込んでいます。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業損失)
売上原価は、主にSansan事業における名刺入力に関連した費用やスキャナ・タブレッド等のリース費用等により構成されています。近年では、契約件数の拡大に伴って名刺の取込枚数は増加していますが、機械学習等によって人力で行っていた名刺入力の自動化が一定程度進んでいるため、名刺1枚当たりの入力コストは継続的に低減傾向にあります。当第3四半期連結累計期間における売上原価は1,175百万円、売上総利益率は、84.0%となっており、第4四半期連結会計期間においては、第3四半期連結累計期間における売上原価の傾向や水準等を勘案した上で、一定のコスト削減効果を見込んでいます。なお、Eight事業における名刺入力費用は、当該費用が売上高に直結しないこと等から、売上原価には含んでいません。
販売費及び一般管理費は、主に広告宣伝費や人件費等で構成されており、当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は6,841百万円、そのうち広告宣伝費は2,237百万円、人件費(注)は1,690百万円となりました。Sansan事業では、テレビコマーシャル等を中心とした大規模なマーケティング活動を実施しており、第4四半期連結会計期間においても費用対効果が維持できる範囲で活動を継続していく予定です。一方、Eight事業では、2018年5月期に初めてテレビコマーシャルを中心とした大規模なマーケティング活動を実施しましたが、当事業年度においては活動を縮小させる方針としており、第4四半期連結会計期間においても予定に変更はありません。また、積極的な事業展開や中長期的な成長実現のためには、相当数の人員採用が必要であり、Sansan事業における営業部門を中心に、当事業年度末には前事業年度末と比較して、約140名程度の人員の増加を予定しています。
以上の結果、営業損失は、前年同期と比較して2,123百万円縮小となる、938百万円を見込んでいます。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
営業外収益及び営業外費用については、過去の実績等を勘案して算出しています。第4四半期連結会計期間において、大きな営業外収益及び営業外費用の発生は見込んでいないことから、経常損失は、前年同期と比較して2,101百万円縮小となる、976百万円を見込んでいます。
(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純損失)
特別利益及び特別損失については、過去の実績等を勘案して算出しています。第4四半期連結会計期間において、大きな特別利益及び特別損失の発生は見込んでいないことから、親会社株主に帰属する当期純損失は、前年同期と比較して2,097百万円縮小となる、988百万円を見込んでいます。
本記者発表文には、発表日現在の将来に関する前提や見通し、計画に基づく予想が含まれています。これらの将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社として、その達成を約束するものではありません。当該予想と実際の業績の間には、経済状況の変化や顧客のニーズ及びユーザーの嗜好の変化、他社との競合、法規制の変更等、今後のさまざまな要因によって、大きく差異が発生する可能性があります。
以上
ご注意:
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