クリエイティブを武器に、世界に通用するブランドを作る
執行役員/CCO
室 健
「プロダクトデザイナー第1号社員」としてSansanに入社した姜 美善(カン ミソン)。2014年から現在まで、プロダクトだけでなく、Sansanのあらゆるクリエイティブを支えてきたスペシャリストです。2023年からプロダクトデザイナーのマネジャーを兼任するミソンに、Sansanのプロダクトデザインの歴史と目指している未来について聞きました。
ソウルの美術大学でプロダクトデザインを学びました。そこでの成績は常にトップでしたが、私が目指すスキルと評価のギャップに苦しみ、デザインをやめたら何ができるかを探すため休学を決意しました。休学期間に訪れた京都で、ユーザー体験を深く想像したユニバーサルなインフラデザインが当たり前にある環境に大きく感銘を受けました。その後復学し、卒業後はコンサルティング会社でマーケティングデザイナーとして2年半勤務したのち、「もう一度デザインを勉強したい」と思い退職し、京都の大学院に進学しました。
卒業後、就職先として応募したのがSansanです。その時、事業内容以上に魅力を感じたのがSansanの「デザイナー第1号」の募集だったこと。もともとチャレンジングなことが好きで、「前例がない」ことに挑むことが一つの喜びでした。自由度は高いけれど大変さも増す、そういう場に自分の身を置くことで必ず成長できると考え、2014年に入社を決めました。現在は社内の全デザイナーが集まるCPO室でさまざまなプロダクトに携わっています。
プロダクトデザインはビジネスで利用するユーザーの満足度が一つの評価指標になります。ソウルの大学でプロダクトデザインを学んでいたものの、BtoBのプロダクトデザインは未知の領域で、入社当初は不安がありました。
自分自身が大きくステップアップしたと感じたのは、2020年に開始した、業務効率化やデータ価値の向上を行うビジネスプラットフォーム「Sansan Plus」の立ち上げを経験した時です。「他社製品とSansanをつなげたい」という大まかな相談を受けたのが始まりでした。
他社製品にはどのようなAPIがあって、どれをどのように使えばSansanと連携できるのか。前例がない中で、必要と思われるあらゆる知識をインプットしました。それからエンジニアをはじめとする社内の有識者に意見を仰ぎ、自分のインプットと組み合わせてリリースまでこぎつけました。
プロダクトデザイナーという枠を超えて、大きなサービス基盤の構築から携わった結果、Sansanに新しい付加価値が生まれ、個人的にも大きな達成感がありました。
また、2021年からスタートしたインボイス管理サービス「Bill One」では、デザイナーがいない状況で作られ、多くのユーザーにご利用いただいている中で、各機能のUI・UXを改善することが最初のテーマでした。
Sansanでは、1週間で5つ前後のプロダクトに並行して関わることもあり、業務を円滑に進めていくためには「スピード」がとても重要になります。
スピードについていくために重要なことは「とにかく手を動かす」をしないこと。思考するスピードの方が手を動かすよりも圧倒的に速いですし、結果的にスピーディーなアウトプットにつながります。頭の中で何パターンかシミュレーションをして、最低限に絞ってからアウトプットする。これはSansanで仕事をするうちに鍛えられたことで、社内の他のメンバーにもアドバイスしています。
デザインを思考するとき、Sansanにはよいカルチャーがあると感じています。なぜなら開発、営業、そしてユーザーと、プロダクトに関わるすべてのステークホルダーと気軽にコミュニケーションを取ることができ、最短で良いものを作れる環境が整っているからです。デザイナーは各制作段階で提供するUXをできる限り早く把握して、デザインを導き出す仕事です。
どんなに時間をかけて作った愛着のあるデザインでも、ユーザーにとって価値がないという判断になれば、すぐに作り直す。自分のデザインと「恋に落ちない」ことを、私自身はモットーにしています。
そのためプロトタイプの検証段階でフィードバックの内容を元に作り直すこともありますが、逆にネガティブなコメントが全くない時も不安になります。それはウォークスルーに参加したメンバーがプロダクトを理解していない可能性があるからです。今までの経験上、フィードバックが多かったものは良いプロダクトになっていると感じています。そのことから、チーム内では「フィードバックがないことに危機感を持つ」ことを共通認識として持つようにしています。
「Sansan初のプロダクトデザイナー」として10年間走り続けてきた私は、2023年より「Sansan初、プロダクトデザイナーのマネジャー」としてマネジメントも兼任することになりました。
実は入社当時から新規事業に携わることが多かったこともあり、自分自身の仕事に精一杯で、Sansanの組織全体の変化について振り返ることはありませんでした。まだまだプレーヤーとしてチャレンジしたいことも多く、プロダクトで貢献することがモチベーションであり、強みでもあると考えていたからです。
しかし毎月新入社員が多く入社する状況を目にする中で、プロダクトデザインで事業の拡大をリードするためには、個人だけではなく、チームとして何をするべきかを考えるべきだと思うようになりました。
そのための取り組みの一つとして、マネジャーになる前からずっと続けているのは、全社で導入している、OKRという目標管理のフレームを運用することです。明確な目標を設定し、それをチームメンバーで共有し達成を目指すことで、個人とチーム、そしてプロダクトの成長につながると考えています。
「ビジネスインフラになる」という明確なSansanのビジョンの下、さまざまなチャレンジをしている周囲に影響を受け、私も不安を忘れて日々挑戦を重ねてきました。チャレンジの連続で、過去を振り返ることなくやってきた10年。中途採用で入社したときも「ほぼ新卒」でしたが、10年たった今、当時の自分の気持ちに戻っています。次の10年は予想できませんが、エキサイティングなことが待っているのは間違いないです。
Sansanとの出会いや入社を決めたきっかけ、入社前のキャリアなど、多様なメンバーの声はこちらから読むことができます。