
投資家にも伝わる「濃い」カルチャーを武器に海外も見据え、さらなる成長を目指す
取締役/執行役員/CFO
橋本 宗之
Sansan株式会社の総務法務部で働く入社5年目の森 朝野。弁護士登録後、大手産業機械メーカーの法務部勤務を経てSansanへ。常にユーザーの立場になって考え、自身と企業を高みに導く企業内弁護士としての信念を聞きました。
司法試験に合格した後、約1年間の司法修習を経て産業機械メーカーに入社しました。法律事務所ではなく、企業内弁護士の道を選んだのは、法律の専門家として早い段階から案件に関与したいという気持ちが強かったのが理由です。
一般的に法律事務所に勤務した場合、顧客の依頼を受けてはじめて案件に関わることが多いのですが、企業内弁護士の場合はさらに早くから関わっていけることに魅力を感じていました。
前職では契約締結に向けた交渉の段階から案件にかかわることが多かったのですが、単に契約書の内容を検討するだけではなく、製品やサービス、事業スキームそのものの法的な課題から検討していきたいと考えるようになり、転職活動を始めました。
そんな時、偶然TVCMでSansanを知りました。どんな企業なのか調べていくと、ちょうど法律系のメディアにSansanのサービスの利用規約が取り上げられていたのです。Sansanサービスのように「形のない」サービスの規約を改めて読んでみると、サービスの利用方法や禁止事項など、そのサービスそのものについての記載が多いことが目に留まりました。こういったサービスを扱う企業であれば法務の業務とサービス内容等が連動しており、早い段階から法務に関わることができると感じ、転職することを決意しました。
Sansanの総務法務部 ビジネス法務グループは現在7名。私は現在、契約審査や法令に関する相談のほか、新サービスの規約作成や新しい事業スキームの検討等を担当しています。入社してすぐに担当したのが、企業全体の請求書業務を加速するインボイス管理サービス「Bill One」のサービス約款です。
学生時代に学んだ内容やそれまでの法務経験では、過去の事例や判例に沿って判断することが多かったので、社内での前例が乏しいサービスの約款を一からつくるのはとても苦労しました。サービスの内容や提供する機能についての共通認識が薄く、同じ社内であっても認識に食い違いが発生する可能性があったからです。そのため事業部とは相互に誤解がないように綿密にすり合わせ、サービスの実態を詳しく把握し、約款を完成させることができました。
約款づくりで大切にしていたのは、さまざまな視点から約款の内容を確認することです。例えば、サービス提供者の立場から見るとさまざまなことを「当たり前の前提」だと感じてしまい、約款に記載しない判断をしてしまうことがあります。しかし、社外の顧客の立場から見ると「当たり前の前提」などではなく、約款の内容が伝わらなかったり、誤って伝わってしまったりする可能性があります。そのため、「この記載で顧客に正しく伝わるだろうか」「この内容は規約ではなく別の箇所に記載した方が誤解を生みづらいのではないか」など、実際に顧客がサービスを利用するシーンを想像して、法務の立場からも対応方法を模索することは、大変興味深い作業です。
Sansanではこれまで業務で扱ってこなかった法令が論点となることが多くあり、どの法令が適用されるか、どの法令に抵触するリスクがあるかなど、なかなか明確にならないこともあります。そこで私は、都度知識をアップデートすることに加え、これまでの法務経験をベースにした勘所を大事にして、リスク検知のアンテナを常に張ることを心がけています。
また、法令にかかわる業務の場合、過去の判例や行政の判断を参考にすることが多いのですが、Sansanの場合、適用される法令が新しく過去事例が十分になかったり、そもそも法令の整備が追いついていなかったりすることもあります。過去の事例を参考にすることはもちろん重要ですが、それらをそのまま利用するのではなく、他の知識と組み合わせて未知の問題に対応する指針を出すことも大切だと感じています。この点は、司法試験を受験する際に、私にとって未知の問題であっても短時間で手持ちにある知識を組み合わせて答えを出す訓練をしていたことが役に立っているようにも思います。
Sansanには部門間のコミュニケーションを阻害する壁がないことも、リスク検知に役立っています。Sansanでは、部署や役職が異なっていても、聞きたい人に直接聞くことが容易な環境があります。法務も「わからなかったら相談してください」と周知して、ハードルをなくしています。
多くの社員から日々相談を受けていますが、やり取りの中で「法務に頼り切りにはしない」という意思を感じることも多く、法務と相談者が一体となって質の高いコミュニケーションで業務を進められるのが、Sansanらしさだと感じます。
「ビジネスインフラになる」ことをビジョンに掲げているSansan。入社してすぐに新サービスの「Bill One」の立ち上げに関わったことは良い経験になりました。
Sansanの法務はサービス提供や運用の前段階から能動的に事業づくりに関わっていくことで、先々に生じ得るリスクを調査し、それを踏まえた対応をすることが得意です。そして早い段階から案件に関われるからこそ、早期にリスクを回避できる。的確なところでブレーキを踏むことも私たちの役割だと感じています。また、違法なものではないとしても、社外から見たときに不適当ではないかという目線を持つこともリスク検知の観点から重要だと思っています。
このように、Sansanの法務では、早い段階から事業部と深く連携しながら解決策を探り、時には前例のない法的な論点にも対応することで事業を発展させる「クリエイティブな法務」です。法的な枠組みの中でベストな道を探し、一つの視点に縛られず、未知の問題に対しても物おじしないような方と一緒に働きたいですね。
Sansanとの出会いや入社を決めたきっかけ、入社前のキャリアなど、多様なメンバーの声はこちらから読むことができます。