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自身とSansanの挑戦を重ね
プロダクトデザインをリードする
CPO室
姜 美善
新卒から19年間、大手広告会社に勤務。企業のPR戦略立案や日系企業・グローバル企業のキャンペーン設計、海外エージェンシーのM&Aを手がけたのち、経営視点のコミュニケーション戦略立案にチャレンジすべくSansanへ。Chief Communication Officerとして社内外のコミュニケーション活動を統括する室に、Sansanのクリエイティブ組織が求める人材や今後のビジョンについて聞きました。
新卒で大手広告会社に入社し、19年間勤務しました。PR、MBA、M&A、グローバル、クリエイティブディレクターなど多様な経験を通して、コミュニケーションの力で世の中の認識を変え、同時に事業成長に貢献することにチャレンジし続けてきました。今後はクライアントワークではなく、自らのスキルを直接経営に活かしてみたいという思いがありSansanへの転職を決めました。現在は執行役員兼CCO(最高コミュニケーション責任者。Chief Communication Officerの略)として大きく3つの業務を管轄しています。
1つめは、コーポレートコミュニケーション室という組織で企業、プロダクトそれぞれの対外的なコミュニケーションを行っています。2つめは、HRコミュニケーション室です。Sansanは現在、社員が1500名ほどになっており、組織が拡大することによって生まれるさまざまな課題を解決することを目的に自ら立ち上げました。HRコミュニケーション室にはインターナルブランディンググループと採用ブランディンググループがあり、CCOとして社内外のあらゆるコミュニケーションに向き合っています。3つめは、サステナビリティ活動を推進するNEXT事務局です。私たちのプロダクトによってデータ化された名刺や請求書、契約書の枚数に応じて植樹を行い、被災地を支援する「Scan for Trees」や、起業家の育成を目的に2023年に開校した「神山まるごと高専」の支援などが主な活動です。
Sansanは創業時からクリエイティブやブランディングをとても大切にしてきた会社です。社員の価値基準であり行動指針であるバリューに「体験を想像する」がありますが、私たちと関わる全てのステークホルダーが、Sansanとのタッチポイントにおいてどんな体験をして、どう感じるかということを常に考え抜いています。各プロダクトのUI/UXはもちろん、ビジネスカンファレンスに代表されるイベントも含め、私たちと接点を持っていただいた方がファンになってくれるのかどうか。社内に対しても同様です。全社会議に参加して、「この会社を選んでよかった」と感じ、社員同士の絆が深まるのかどうか。こういったさまざまな体験の良し悪しを左右する大きな要素の一つがクリエイティブであり、ブランドを形成していくものだと捉えています。
さらに、体験設計を「一貫させる」ことも重視しています。広報ならば企業とプロダクト、HRコミュニケーションならばインターナルと採用というように、社内外のステークホルダーとさまざまな局面でのタッチポイントがある中で、Sansanとして一貫したストーリーを発信すべきだと考えています。ここに前職の広告会社で手がけてきた「総合コミュニケーション」という手法が活きていると感じています。
現在、Sansanにはデザイナーやエディター、コピーライターなど、およそ80名のクリエイターが所属しています。クリエイターが所属する部門はこれまでお話ししたコーポレートコミュニケーション室、HRコミュニケーション室の他に、ブランドエクスペリエンス部、CPO(最高製品責任者。Chief Product Officerの略)室、Eight事業部があります。
それぞれの部門のミッションに応じてクリエイターたちが役割を持って仕事をする一方で、Sansanでは部門を超えて一丸となり、ともに大きなゴールを目指すカルチャーがあり、これを「七人八脚」と呼んでいます。クリエイティブもそうですが、Sansanは「言葉」に込める思いが非常に強く、プロダクトの提供価値を集約したタグラインは一言一句までこだわり抜き議論して決めています。例えば営業DXサービス「Sansan」の現在のタグラインは「名刺管理から、収益を最大化する」。インボイス管理サービス「Bill One」は「請求書受領から、月次決算を加速する」ですが、エッジの立ったタグラインが言語化されると、全ての部署が同じゴールに向かって一気に進みます。この言葉に込める思いを大切にするカルチャーが根付いているからこそ全員で一貫した体験を作れるのです。
このような環境で、エージェンシーや制作会社と違って、Sansanのクリエイターに共通して求められるのは「ビジネスに強い」ことです。事業部から依頼されて動くのではなく、クリエイティブ組織以外にもさまざまな部署と連携し、プロアクティブに動くことが求められます。「ビジネスに強い」ということを突き詰めると、経営にも提言できるクリエイターであるということ。私自身も、これまでのキャリアを通じてそのような存在を目指してきました。
そして、SaaSというビジネスモデルの成り立ちにも重なることですが、大きな成果は一つひとつの小さな積み重ねを諦めず継続することで得られるものです。社内ではよく「薄皮を積み重ねる」と表現しますが、そうした地道な積み重ねを継続できることがマインド面では必要です。
Sansanがビジョンとして掲げる「ビジネスインフラ」になるためには、グローバルテックカンパニーとして非連続な成長をしていくことが不可欠です。グローバルという視点でいうと、少し前までは、クリエイティブの世界にも言語の壁が存在していたと感じます。日本のCMを海外の方が見ても何を言いたいのかわからない、逆も然りという状況がありました。
しかし今は、表現やコミュニケーションの手段がCMのみならず多岐に亘るようになり、インターネットやSNSの力で言語や文化の壁がなくなってきています。グローバルのブランドを作っていく中で、クリエイティブは世界共通の言語であり武器となります。
英語が話せるかどうかというよりも、本質的な感覚やアイディア、体験を想像する視点がグローバルでありユニバーサルであること。そして、社会や業界、カスタマーに対して、クリエイティブを通じ、単発のアウトプットではなく文脈を伝えられるようになること。クリエイター一人ひとりがそうした力をつけることで、Sansanのブランドが世界に通用するものになっていくのではないかと思っています。
Sansanは名刺や請求書を扱っているように見えるかもしれませんが、私たちのミッションにあるように、伝えるべきものはそれらの上位にある「出会い」の力です。これは抽象度が高く、形にして表現することが難しいことは確かです。しかし、だからこそ自分たち次第でいかようにも拡張していける。その可能性に面白みを感じ、日々の積み重ねを続けていける人と働きたいですね。
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