グローバルテックカンパニーを目指して、技術の力でSansanをリードする
取締役/執行役員/CIO/CISO/DPO/技術本部 本部長/Eight事業部 事業部長
塩見 賢治
技術本部 研究開発部 Architectグループ
坂口 遥
2023年入社
研究開発部 Architectグループにて、全社横断データ基盤の開発・運用・保守やデータ利活用の促進に取り組む、データエンジニアの坂口遥。Sansanがお預かりしているデータに大きな魅力を感じて転職してきた坂口が、実現したい目標とは。
これまでのキャリアについて話すと、新卒でPwCコンサルティングに入社しました。入社から数カ月くらいの、まだ学生気分が抜けていなかった頃に大きな転機があって。あるプロジェクトに配属されてから1週間後くらいにマネジャーに呼び出されて「この1週間、坂口は何をしていた?」と質問されたのです。
「会議に出席して議事録を作っていました」と答えると、マネジャーは「その仕事が、お客さまに何か価値を出しているのか。一人前のコンサルタントになりたいなら、いただいたお金以上のバリューを出すために何をすべきかを考えないと」と言われたのです。そこから、自分の行動をいかにして仕事の価値につなげるかを意識するようになりました。
コンサルタントとしてさまざまなクライアント企業にお会いするなかで、「結局のところ、企業は人がすべてだ」と考えるようになりました。企業活動の始まりに必要不可欠な採用に興味を持ったため、リクルートホールディングスの新卒採用を担う部署に転職しました。
当時の私は、人員の早期離職や採用した人が入社後に定着しないなど、新卒採用に関連する課題を解決することに興味がありました。採用の本質的な課題を解決したかったため、近視眼的にKPIを追うことにはあまり意味がないと考え、現場の採用担当者に「採用活動のゴールは採用人数ではない」と言ってしまうことなどもあり、担当者たちとよくぶつかっていたことを思い出します。
しかしその後、活躍している社員をインタビューする機会があり、当時のトップ営業マンに話を聞いたところ「社外の人だけではなく社内の人と一緒に何かをするときも、ゴールについての共通認識を持って、足並みをそろえないと価値は出ない」と語られていて、「自分のやり方は間違っていた」と衝撃を受けました。そこからは、プロジェクトを進める際には関係者と丁寧にコミュニケーションをして、認識を合わせながら動くようになりました。
新卒採用を担う部署では、データを活用した採用活動の改善をしたかったのですが、自分がやりたいことを実現するのは難しそうだとわかり、異動を願い出てデータソリューションを担うグループへ移りました。そして全社的な人事統合データ基盤構築に関わり、私は要件定義やディレクション、データモデリングなど、プロジェクトを動かすうえで必要なことを幅広く手掛けました。その後、製造業サプライチェーンの変革に挑むキャディ株式会社に転職し、エンジニア採用や事業企画、社内のデータエンジニアと協働してのデータ基盤の立ち上げなどを担いました。
青臭いことを言うと、私がデータに興味を抱いている理由は、人の本当の価値を知りたいからです。人間の特徴をデータとして可視化できるようになれば、すべての人を統一的な指標で測れるようになります。そして、測れるようになるということは「測れないものが何なのか」もわかります。それこそが、本当の意味での人の価値だということ。リクルートホールディングスで新卒採用を担当していた頃に、データで示そうとしていたのもそれなのです。次のキャリアでもデータエンジニアリングと真っ向から向き合おうと思い、転職先を探していたところSansanにたどり着きました。
転職活動の際にはいろいろな会社の方と会いましたが、Sansanの強みはすべての人が「データをさらに活用していきたい」と言っていることです。経営層やマネジャーも現場で働く人も、歴史の長いプロダクトを扱う人も新規プロダクトを扱う人も。そのデータに対するリテラシーの高さに、大きな可能性を感じました。
Sansanはデータエンジニアにとって、挑戦しがいのある環境です。なぜなら各プロダクトが蓄積してきた多種多様なデータがあるにもかかわらず、それらを分析・活用するための基盤の整備が今まさに始まったところだから。この企業規模でこの挑戦ができるのは、大変貴重です。なぜなら大企業ではゼロから開発を行う機会がほとんどないですし、一方で小規模なスタートアップではそもそも分析すべきデータが溜まっていないからです。
そして、Sansanが面白いのは営業活動に関連する一連のバリューチェーンを押さえてサービスを展開していることです。「Sansan」や「Eight」は企業と企業、人と人が出会う際の入り口ともいえる名刺交換のデータを営業活動に利用するサービスなどと連携することでその後の商談履歴にも活用できます。
さらに、その先に企業同士や企業と人が交わした契約書は「Contract One」、請求書は「Bill One」というように、企業や人が出会ってから契約を交わして仕事をし、金銭のやり取りが発生するまでの一連の流れを追えます。それらのデータを連携させて価値を生み出す仕組みを作ることで、Sansanの事業の可能性はより広がると考えています。
私はいま、大きく分けて2つのプロジェクトに携わっています。まずはコーポレート部門と連携して、Sansan社内で用いているSFAやCRMのデータ、人事・経理のデータを集積し、活用できる状態にしていくプロジェクト。私がプロジェクトのロードマップを策定し、関係者と「ゴールについての共通認識を持って、足並みを揃えて」進行しています。
もうひとつは、営業DXサービス「Sansan」をグロースさせるために必要なKPIを設定して、その要素を確認できるようなダッシュボードを構築すること。VPoE/VPoPである西場正浩や各プロダクトのプロダクトマネジャー、カスタマーサクセスが所属する部署全体を巻き込んで成長のキーとなるドライバーは何なのかを検討しています。
私が理想としているのは、社内の全員が同じデータソースを見ている状態です。データエンジニアリングの統制がうまく取れていない企業では「職種ごとに社員がそれぞれ違う情報を見て意思決定をしている」とか「もともとは同じ情報源であるはずなのに、別々の加工プロセスを経たため最終的な出力結果が食い違っている」ということが起こり得ます。そうしたトラブルをゼロにしていきたいです。
それから、すべての職種の人たちがすべての業務プロセスのなかで、息を吸うようにデータを見てPDCAを回すような体制にすること。現在のSansanでも実現できていることですが、それをさらに強化したいです。
私は当社が掲げている「ビジネスインフラになる」というビジョンが好きです。Sansanならば、この目標を絶対に実現できるはずです。しかし、現在はまだ真の意味でビジネスインフラにはなれていないと考えています。「Sansanのプロダクトがなければ、業務そのものが立ち行かなくなる」という企業は、それほど多くないためです。
人々が「当たり前の品質」と感じるプロダクトを当たり前に提供するだけではなくて、私たちのプロダクトがあることで各企業の事業にプラスの影響をもたらすようにしたい。そのためにも、Sansanのプロダクト同士の連携や、扱っているデータの集約と活用を通じて、新しい価値を創出していきたいです。
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