
投資家にも伝わる「濃い」カルチャーを武器に海外も見据え、さらなる成長を目指す
取締役/執行役員/CFO
橋本 宗之
大手企業で人事領域の幅広い経験を積んだ後、Sansanに入社し、CHRO室長に就任した田中洋一。CHRO(最高人事責任者)である大間祐太のサポートをはじめ、SansanにおけるHR(Human Resources:人的資源)のポテンシャルを最大限に生かすための戦略策定、施策の実行などをしています。人事領域を重視するSansanの姿勢に共感し、「Sansanの人事は今まで経験したどの会社よりも事業貢献の意識が高い」と語る田中に、Sansanでの働きがいや、従業員の「働く」を考え続けるCHRO室の役割について聞きました。
大学卒業後、デベロッパーやコンサルティングファームなどで一貫して人事領域に携わってきました。Sansanに出会ったのは2019年、次のキャリアを考えていた時です。人事部門のトップがCFOや財務担当役員である会社も多い中で、SansanはCHRO(最高人事責任者)を置いており、取締役でもありました。事業だけでなく、人事領域も重視している会社だと感じたこと、私と同い年の30代半ばで上場企業の人事トップを担っている大間祐太の存在に刺激を受け、2020年に入社しました。
当初は人事本部(当時は人事部)で社内制度設計から組織・人材開発に向き合うEmployee Successグループに所属していましたが、組織再編により2022年にCHRO室が新設され、室長に就任しました。CHRO室は、CHROという「機能」を最大化するチームと位置付けています。CHROである大間の参謀として、彼の思考や見ている景色を理解し、その考えや打ち手を組織に浸透させる活動をしています。フォロワーシップを持って動く一方で、大間の思考を先回りし、「自律性」を持って大間に対する意見や提言を行うことが、私が考える参謀としての価値であると心がけています。
業務内容は多岐にわたり、報酬制度の設計、就業規則の管理、人事システムの運用・改修、人件費の管理など、その時々に応じた人事課題の解決に向けてプロジェクトを動かしています。中でも、SansanのCHRO室の特徴は、人事データを収集・分析して、人事施策や戦略策定に生かしていることです。現在Sansanは1500名を超える組織であり、今後も年数百名単位での採用を予定しています。このスピード感で組織が拡大し、人材も多様化している状況の中、会社側が社員一人ひとりや組織の状態を深く正確に理解するためにはデータやファクトの活用が不可欠であり、CHRO室が担う役割の重要性が増していると感じています。
SaaS市場では事業の売上だけではなく利益も重視されるようになってきていますが、CHRO室も「生産性倍増計画」と称して人事本部自体の生産性向上を図っています。
人事部門はこれまで売上に直接貢献することは少なく、ビジネス側のメンバーがパフォーマンスを発揮できるよう支援することによって間接的に貢献してきました。しかし、「利益を上げる」という観点では、部門として生産性向上を図ることで直接的に事業成長に貢献することが可能です。もちろん、やみくもにコストを削るのではなく、社員数が仮に今の2倍になってもこれまでと同じ工数で人事機能を果たし、かつ業務品質の向上を目指すべく、業務内容の可視化や整理を行っているところです。
生産性向上というと、トヨタ自動車株式会社の「カイゼン」が広く知られていますが、トヨタにとっての「カイゼン」は、単なる業務改善ではなく「カルチャー」として根付いているものと理解しています。同様に、Sansan全体においても「生産性向上」をカルチャーへと昇華していきたいと考えます。ビジネス側、コーポレート側ともに効率化を進め、生産性を高める。生産性向上が、会社全体のカルチャーとして根付くことは、今後の企業の成長や市場での評価において非常に重要と捉えています。CHRO室は、そのようなカルチャーづくりの起点になっていきたいのです。
Sansanはこれまでも、社内コミュニケーションやカルチャー醸成には大きな投資をしてきました。今後は、個々のキャリア支援やキャリア開発にもより踏み込むことで、当社のバリューズにもある「強みを活かし、結集する」を実現し、組織全体の生産性を向上させていきたいと考えています。人を資源ではなく資本としてとらえ、大事にしていくという価値観は大間とも共通しています。今後はCHRO室としても、より「人的資本に向き合う組織」としての施策や発信を強めます。
Sansanの人事部門は、事業貢献の意識が高いことが特徴であり、強みです。一般的に人事業務はマニュアル的になりがちですが、Sansanでは評価・報酬制度ひとつを取っても、ビジネス側の業務プロセスや事業構造に踏み込んで設計しています。事業理解を徹底した上で人事業務を行う姿勢は、これまで経験してきた会社の中でもSansanが一番強いです。人事部門の人間として、このような経験を得られる会社は他にはないのではないでしょうか。
そのような特色があるため、「意思と意図を持って判断する」マインドがあれば、人事領域を横断した新たな挑戦をすることが可能です。私も人事業務、特に「非採用領域はやりきった」と思いながら入社したのですが、現在も新しいチャレンジや学びを得続けています。今後はCHRO室長として、人事メンバー一人ひとりの自己実現を可能にし、その先のキャリアの選択肢を広げやすい環境づくりに挑戦します。
人事部門に限らず、会社全体を見ても、メンバー一人ひとりが真摯に仕事に向き合っています。何事にも一生懸命に、ピュアな熱い気持ちで取り組んでいる人が多いです。加えて、CHROの大間は、本気で会社や事業、そして共に働く仲間のことを考え続けています。組織の大きさや事業のフェーズが変わっても「人」への想いが変わらないことは、今でも一番の魅力です。
急速に組織が拡大しても会社の魅力が変わらないのは、企業理念である「Sansanのカタチ」が浸透しているからです。今後も「Sansanのカタチ」を体現できる人たちと一緒に働いていきたいですね。
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