当社は、2021年5月19日開催の取締役会において、Fringe81株式会社(以下、「Fringe81社」)との資本業務提携契約の締結並びにFringe81社が実施する第三者割当増資に応じ、優先株式の取得(追加出資)を行うことを決議しましたので、下記の通り、お知らせします。
記
当社は、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッション、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げ、企業やビジネスパーソンが抱えるさまざまな課題の解決につながるサービスを展開しています。主には、名刺をデータ化し、人と人のつながりを情報として可視化・共有できる法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」やソーシャル・ネットワーキング・サービスの仕組みを取り入れた名刺アプリ「Eight」、クラウド請求書受領サービス「Bill One」等を提供しています。
Fringe81社は、創業時から手掛けるインターネット広告サービスのほか、従業員同士が日常の感謝や賞賛を言葉とともにポイントにより送り合うことができる、相互評価・賞賛のためのサービス「Unipos」等を提供しています。「Unipos」は、IT技術を活用して人事領域業務の改善を行うHRテックサービスであり、コロナ禍において新しい働き方が浸透する中でより一層求められる、従業員同士の相互理解の深化やモチベーションの向上、部署間連携の強化等に寄与するユニークな特徴を有しています。
現在、当社グループでは中長期的な株主価値及び企業価値の向上実現に向け、Sansan事業のさらなる成長及びEight事業の収益化のほか、当社グループの強みを活かした新規事業の創出やその事業展開の加速等に積極的に取り組んでいます。このような中、2020年12月に、Fringe81社と資本業務提携契約(以下、「前回契約」)を締結し、「Sansan」と「Unipos」の連携を通じた相互サービスの価値向上や営業活動の連携等(以下、「本取り組み」)についてさまざまな検討や取り組みを進めてきましたが、この度、前回契約を両社の合意によって終了させ、改めて資本業務提携契約を締結し、Fringe81社が実施する第三者割当増資に応じて追加出資することで、両社の関係性のさらなる強化並びに本取り組みの推進を図ります。また、本取り組みの結果、「Unipos」が一定規模のサービスに成長した場合には、当社が将来的にFringe81社を連結子会社化し、さらなる相乗効果を追求することを視野に入れています。なお、当社がFringe81社を連結子会社化した後も、Fringe81社の上場は維持する方針です。
(1)資本提携の内容
当社は、前回契約時に、Fringe81社の普通株式366,200株を取得していましたが、今回新たに、Fringe81社が第三者割当の方式により発行するA種優先株式1,900株を1,900百万円で取得する予定です。なお、A種優先株式の取得資金には、全額を金融機関からの借入金にて充当する予定です。
また、A種優先株式には、Fringe81社普通株式を対価とする取得請求権が付されており、当社は当該取得請求権の行使等通じて、Fringe81社を当社の連結子会社とすることを検討しています。詳細については、「6. 今後の見通し (2)当社によるFringe81社の連結子会社化に関する事項」をご参照ください。
なお、本第三者割当増資の引受は、2021年6月29日開催予定のFringe81社の定時株主総会にて、本第三者割当増資及び本第三者割当増資に係る定款変更の各議案が可決されることを前提としています。詳細については、2021年5月19日付でFringe81社が公表した「Sansan株式会社との資本業務提携契約の再締結、第三者割当による優先株式の発行、商号の変更及び定款の一部変更に関するお知らせ」をご参照ください。
(2)業務提携の内容
当社及びFringe81社は中長期的な相互の企業価値の向上を目指し、主に以下の内容の業務提携を実施する予定です。
①「Sansan」と「Unipos」の連携
当社は、「Sansan」と「Unipos」の連携を通じた共同でのサービス提供を見据え、当社の顧客基盤を活用し、Fringe81社の営業活動の支援について検討します。また、将来的な「Sansan」と「Unipos」のサービス連携を見据えた協議を実施し、Fringe81社の一部の開発エンジニアは、当社が指定する日から12か月の間、両社で別途合意する「Unipos」のプロダクト施策に基づいた開発を行います。さらに、上記開発施策の結果、両社において一定の成果を確認できた場合には、当社は、「Sansan」との機能連携やその販売方法、マーケティング方法、経済条件等についてFringe81社と協議を行います。
②広告サービスの連携
当社が手掛けるEight事業のマーケティングソリューションサービスにおいて、Fringe81社より、中長期的な事業成長に資する業務提供を受けます。具体的には、当社が利用する広告配信システムの刷新に向け、Fringe81社が新たなシステム開発を受託の上、要件定義や実装を支援します。
③SaaSサービスに係る営業及びマーケティングノウハウ等の提供
当社は、SaaSビジネスで培った営業やマーケティング等の各種ノウハウをFringe81社へ提供します。
④役員等の派遣
当社は、Fringe81社の社外取締役候補者2名を指名する権利を有しており、当社の指名した2名の選任議案が、2021年6月29日開催予定のFringe81社の定時株主総会に付議される予定です。
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※2019年3月期の1株当たり指標は、2018年7月1日付で行われた普通株式1株につき4株の割合での株式分割が期首に行われたと仮定して算出しています。
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※所有割合は、発行済株式総数に対する所有議決権の割合を記載しています。
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(1)業績に与える影響
本件及び本取り組みは中長期的に当社グループの業績に寄与する見込みであり、当期連結業績に与える影響額は軽微です。
(2)当社によるFringe81社の連結子会社化に関する事項
当社は、本件及び本取り組みを進めた結果、Fringe81社のUnipos事業が一定程度の成長を実現した場合には、さらなる相乗効果を追求するために、Fringe81社を連結子会社化する方針(以下、「当該方針」)であり、当該方針についてFringe81社と合意しています。なお、当社がFringe81社を連結子会社化した後も、Fringe81社の上場は維持する方針です。
加えて、この度のFringe81社の第三者割当増資に応じて、当社と同様にFringe81社のA種優先株式を取得する予定の株式会社日本政策投資銀行(以下、「DBJ社」)とも当該方針について合意しており、当社とDBJ社との間で株主間契約を締結しています。本株主間契約において、当社はDBJ社に対して、本株式取得完了日から1年が経過して以降、Fringe81社のA種優先株式に係るコールオプションを行使する権利を有し、また、DBJ社は当社に対して、本株式取得完了日から3年が経過して以降、同株式に係るプットオプションを行使する権利を有することを合意しています。当該コールオプションまたはプットオプションの行使の後に、当社がA種優先株式に付された普通株式を対価とする取得請求権を行使した場合には、当社の子会社の異動が生じる見込みとなりますが、これらに関連した適時開示の必要性が生じた場合には、速やかに開示します。
以上