
グローバルテックカンパニーを目指して、技術の力でSansanをリードする
取締役/執行役員/CIO/CISO/DPO/技術本部 本部長/Eight事業部 事業部長
塩見 賢治
営業DXサービス「Sansan」では、ユーザビリティーの向上をプロダクト価値最大化の鍵と捉えています。今回のインタビューでは、さまざまな計画を推進するうえで欠かせない役割である、プロダクトマネジャーの川瀬圭亮に話を聞きました。
川瀬はこれまで、株式会社サイバーエージェントやLINE株式会社、グーグル合同会社といった企業でプロジェクトマネジメントを担ってきた精鋭。2023年8月にSansanへと入社してから、わずか数カ月で、全社MVPの「SVS※」を受賞しました。川瀬の考える「Sansan」開発の面白さとは。
Sansanの環境がプロダクトマネジャーにとって魅力的である理由はいくつかあります。まず、素晴らしい開発組織があること。優秀なエンジニアやデザイナー、プロダクトマネジャーがたくさん所属していますし、Sansan Labsという実験的な機能を提供するサービスでは最新技術を用いた研究・開発を積極的に行っています。
一般的に、BtoBのプロダクトは顧客のビジネスに深く入り込んでいるため、機能変更を行うと影響が大きく先進的な取り組みをしにくいものです。しかしSansanではBtoBのプロダクトを扱いながらも積極的に新しい技術を用いた機能を開発し、それに対してユーザーからのフィードバックも得られる体制を実現しています。
また、「Sansan」というプロダクトは単なる名刺管理サービスから、営業DXサービスへと進化しているタイミングです。そのため、ユーザーにとっての課題や本質的な価値と向き合い、プロダクトのビジョンを示すという難易度の高い挑戦が求められており、プロダクトマネジャーとしての手腕が問われます。
「Sansan」はすでに9000社以上に導入されていますが、日本国内に加えて海外へも展開を続けており、まだまだ成長過程です。「Sansan」だけではなくインボイス管理サービス「Bill One」や、契約データベース「Contract One」などフェーズの異なる複数のプロダクトを扱っているのも特徴です。これらのプロダクト同士を連携させることで、より大きな価値を生み出せる可能性があります。
「Sansan」のプロダクトマネジメント業務の特徴として、まずソリューションではなく課題と向き合えることが挙げられます。たとえば、アーリーフェーズのスタートアップなどでは「この機能をいつまでに作らなければ、顧客を獲得できず資金が尽きてしまう」という状況も起こり得ます。その場合、プロダクトの品質を犠牲にしてでも、機能のデリバリーを優先しなければならないこともあるのです。
一方、「Sansan」は「⚪︎カ月後に特定の機能が無ければ会社が潰れてしまう」ということはありません。そのぶん、現在の「Sansan」では「何の機能をなぜ作るべきか」の方針を策定する難易度が高く、プロダクトマネジャーの力量が求められています。
顧客企業もユーザーもたくさんいて、社内のステークホルダーも山ほどいて、数多くの機能があって、プロダクトの歴史が長いサービスです。考慮すべきポイントや発見すべき課題が多いため、しようと思えばいつまでも調査や議論が尽きません。
また、「Sansan」のプロダクトマネジャーは機能ごとに担当分けをしておらず、全員がプロダクトについて熟知する必要があります。学習コストもそれなりに大きいです。着実にディスカバリーを行い、スピード感を持って機能のデリバリーをしなければ、効率良くプロダクトを改善していけません。
そのためチーム全体で成果を出していけるよう、プロダクトづくりの思考プロセスやアプローチ方法を全員ですり合わせていますし、勉強会も積極的に行っています。このようにチームワークを重視し、生産性を上げてスピーディーに意思決定をしていく環境で働くことで、自分自身のスキルアップにもつながっています。
これに関連した話をすると、ありがたいことに私は入社した2023年に「SVS」を受賞することができました。3営業日に一つのペースで新しい企画を立て、三カ月で約30件のプロダクト案件を創出したことが評価されました。この成果を出せたのは、自分自身の努力だけではなく周囲の環境に恵まれたことも大きいと考えています。
上司である執行役員/VPoPの西場正浩や他のプロダクトマネジャーたちはみな前向きにプロダクトと向き合っているため、有意義なディスカッションができます。また、カスタマーサクセスや営業もとても協力的で、「クライアント企業やユーザーのことを教えてほしい」とお願いすると、積極的に時間を割いてくれます。こうした周囲のサポートやメンバーとの切磋琢磨があるからこそ、プロダクトの企画をたくさん作れたのだと思っています。
「Sansan」の開発に携わるプロダクトマネジャーには、多くのことを自発的に学習する姿勢が求められます。業務のなかで、ユーザーの意見やそこから発見した課題、プロダクトの各種機能など多くの情報に触れますし、それらをキャッチアップすることが不可欠だからです。
多種多様なステークホルダーから寄せられるフィードバックを真摯に受け止めて、改善していく素直さも重要です。私はプロダクトマネジャーの経験を10年ほど積んだ後にSansanに入りましたが、この環境で働くようになって他の方々から指摘をもらうなかで、「自分のスキルにはまだこれだけ伸びしろがあったのか」と気づきました。長く働いているとフィードバックを得ることも減ってくるので、こうした機会は余計に貴重だと感じます。
また、より良いプロダクトのあり方を考えるうえではロジカルシンキングが欠かせません。各ステークホルダーと認識を合わせるために、誰もが理解しやすいドキュメントを書き、適切に情報を伝達していく力も必要になります。
プロダクトマネジャーという役割は、大変な局面を経験したり難易度の高いタスクを担当したりすることも多いです。それでもこの仕事を担っているのは、自分が最大・最速で世の中に貢献できる手段がプロダクトマネジメントだと考えているからです。それに、単純にやっていて楽しいから。さまざまなハードルを乗り越えて社会にインパクトを与えられる、価値の高い仕事だと思っています。
まだまだ世の中の認識は、「Sansan」は「名刺管理のサービス」という印象が強いかもしれません。実際は、その枠組みに留まらない価値を持っているサービスなので、この価値をより大きくして、みなさんに届けていきたいと思っています。営業DXサービスという大きなコンセプトを実現するために、これからもプロダクトマネジメントに真摯に向き合っていきたいと思います。
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