
事業を起点に考え抜き、言葉の力で価値を創造する、コピーライターの挑戦
Sansan事業部 ブランドエクスペリエンス部 コピーライター
武藤 宏明
Eight事業部 プロダクト部 Creativeグループ グループマネジャー
池上 陽平
2021年入社
Sansan株式会社入社後、Eight事業部プロダクト部でグループマネジャーを務める池上陽平。BtoCとBtoBの両方の領域を持ち、時代の変化に応じて進化を続ける名刺アプリ「Eight」。その環境で、サービスや施策を世の中に届けるデザイナーとして、池上は事業をリードしています。前職で磨いたスキルをいかんなく発揮している池上のキャリアやSansanのクリエイター職の魅力、チームマネジメントの極意などを聞きました。
新卒でデザイン事務所に入社し、経験を積んだ後に多様な業態を展開する事業会社に転職。インハウスデザイナーとしての道を歩むことになりました。そこでは紙媒体の制作から、ウェブ広告やサイト構築、SNS活用、動画制作や写真撮影など幅広く手がけました。企画から制作、発信までワンストップで対応できるスキルを15年ほど磨き続けましたが、「もっと意義を感じる、説得力のあるクリエイティブをつくりたい」という思いが強まり、Sansanへの転職を決意しました。
Sansanを選んだ決め手は、事業やビジョンだけでなく、面接でのやりとりにも意思と意図が込められていたことです。他社の面接ではポートフォリオやスキルなど「何がつくれるのか?」という質問が中心でしたが、Sansanでは「どのように考えてデザインをつくるのか」といった内面に関わる部分を深く問われました。採用面接というより、まるで自分の思考を整理する場のようでした。その面接を通して、自分が今後大切にしたい価値観を再確認でき、「自分と向き合う機会をくれるこの会社で働きたい」と強く思いました。
2021年の入社以来、一貫してEight事業部でデザイナーとして働いています。名刺アプリ「Eight」にはBtoC領域のサービスもあれば、BtoB領域のビジネスもあります。その中で私は、前職と同様に幅広い領域のクリエイティブに携わっていますが、特にSansanらしさを実感しているのは、チームでつくる感覚が強いことです。Eight事業部内の他部署と協力しながら最適な訴求方法を模索し、方向性を定めながら、成果につながる制作物を生み出していきます。
Sansanでは「どうすればこのサービスを世の中に届けられるか」という視点を大切に、チームで議論を重ねながらデザインを考える機会が多くあります。今では手を動かすよりも考える時間のほうが長くなりましたが、判断軸が定まっていることで、漠然と作業を始めるよりも無駄のない制作ができるようになったと感じています。
「Eight」はSansanの中でも、特に変化の多い事業です。私が入社してからの4年間でも、時代の移り変わりに応じて何度かコンセプトの転換が行われました。私は「変化の大きさ=伸びしろ」と捉えており、転換のたびに新しい挑戦ができるこの環境を楽しんでいます。また、「Eight」をはじめ、Sansanの各プロダクトはユーザーとなり得る人が幅広く、多くのビジネスパーソンにとって不可欠なサービスになると信じています。その成長にデザインを通して貢献できることは面白いですね。
デザイナーの最大の強みは、「みんなが漠然と考えているものをビジュアル化できること」だと考えています。テキストや口頭での説明では、人によって解釈が異なることがありますが、1枚の「画」を描くだけで、それがチーム全員のイメージや認識を一つにするための道標になることがよくあります。方向性のズレも可視化され、すり合わせの議論もより建設的に進められるので、ビジュアルの力でプロジェクトを加速させることもできると実感しています。
また、企画段階から関われるのもインハウスデザイナーならではの魅力です。依頼された制作物を形にする請負型の仕事ではなく、「その制作物を通して、世の中に何を伝えたいのか」を問い直し、一つひとつ丁寧に言語化しながら進めていくことができます。その結果、より説得力のあるアウトプットが生まれる過程に関われることに、大きなやりがいを感じています。
事業展開や意思決定が早いSansanでは、クリエイティブ制作においてもスピードとクオリティーの両立が大切です。常々感じているのは、「何を伝えるかが明確になっていれば、スピードも出せる」ということ。依頼側の意図を正しく理解しないまま制作を進めると、後で大幅な修正が必要になる場合がありますが、「何を作るべきか」をあらかじめ明確にすることで、結果としてクオリティーとスピード、両面の向上につながっていきます。
アウトプットの種類によっても、スピードとクオリティーのバランスは変わります。たとえばウェブの広告物のように、検証を行いながら、短期間でのブラッシュアップが必要なものは、一定のクオリティーを保ちながらなるべくスピーディーに制作します。一方で、プロダクトやイベントのキービジュアル、タグラインなど、サービスの軸となるクリエイティブは、じっくり時間をかけるなど、メリハリをつけて制作しています。
またSansanでは、ビジュアルだけでなく、テキストやその裏側にあるストーリーへの意識も高いと感じています。届けたい人に響くストーリーで紡ぎ、テキストとビジュアルが適切に組み合わさることで、最適なアウトプットになる。その点で、クリエイター同士の連携も必要なのがSansanのクリエイティブの特徴ですね。
今、私が大切にしているのは「もっと多くの方にEightを使ってもらうこと」です。そのために、ブランドの確立や訴求を強化し、サービスの価値がより伝わるデザインをしていきたいと考えています。マネジャーとしてチームを率いる立場になってからは、視点も大きく変わりました。以前は、自分の制作物のクオリティーを重視していましたが、今はチーム全体としての成果が最優先です。
チームマネジメントでは、「苦しい時間を減らし、クリエイティブを追求する時間を増やす」ことを大切に、メンバーへのフォローアップを強化しています。クリエイティブの仕事をしていると、時にどう作ればいいか分からなくなり、思考停止に陥って手が止まってしまうケースがあります。この時間は本当につらいものであると、私自身、実体験の中で痛感してきたので、メンバーに対しても壁打ちやアイデアの共有を通じて視野を広げ、クリエイティブな発想が生まれやすい環境を整えています。
その一環として、1on1で私自身の考え方やプロセスを伝え、アウトプットの質に悩むメンバーには「今、できないからといって苦手なわけじゃない。うまくいかないことを明確にし、どう改善するかを考えることが大事」と伝えています。話をした後にクオリティーが目に見えて上がるメンバーもいて、チームの目標達成に向けて少しずつ成果を出せるようになってきました。
Sansanで活躍するクリエイターには、共通する特長があります。自分の考えを言語化して周囲に伝える能力が高いことと、積極的にコミュニケーションを取りに行ける姿勢があることです。さらに、バリューズの一つである「体験を想像する」力も欠かせません。「Eight」のユーザーがどの画面で何を感じ、どのように使うのか。イベントの来場者や出展者が、どのように動き、体験するのか。こうした視点を持ち、単発の制作物ではなく、前後の過程も含めたトータルな体験を想像した上でクリエイティブを磨き上げることが求められています。
これからも、事業の方向性を深く理解し、説得力のあるアウトプットを生み出せる人とともに、新たな挑戦を続けていきたいですね。
Sansanとの出会いや入社を決めたきっかけ、入社前のキャリアなど、多様なメンバーの声はこちらから読むことができます。