
「世界を変えた」と言われる存在を目指して、新たな価値を生み出し続ける
取締役/執行役員/COO
富岡 圭
実店舗に立って勤務していた小売業から、BtoBビジネスを行うSansanに未経験で転職し、5年以上にわたりカスタマーサクセス(以下、CS)としてキャリアを築いてきた間瀬唯。組織の成長とともに、間瀬自身も進化を続け、現在は契約データベース「Contract One」でエンタープライズ領域のチーム立ち上げに携わっています。「環境を自らの力で切り開く」という姿勢でキャリアを積み重ねてきた間瀬に、その軌跡について聞きました。
早いうちから社会経験を積みたいと考え、18歳で小売企業に就職し、店頭で販売業務を行っていました。首都圏や名古屋など5店舗で実務経験を積む中で、店舗によって異なる規模や立地、お客様の特性などに合わせた接客や対処方法を学びました。入社からおよそ1年半でリーダーになり、最終的には30人程度のチームを任されるようになりました。
店舗のリーダーとして一定の成長を感じていく中で、そろそろ次のステップに進みたいと思うようになり、本部への異動を希望しましたが、なかなか叶わず……。学歴という見えない壁を感じ、「このままでいいのか」と悩みながら転職活動を始めました。
Sansanは、転職エージェントの紹介を通して知りました。当初はマーケティングのアシスタント職として応募しましたが、面接の過程で「あなたはCSの方が向いている」と言われ、職種を変更して営業DXサービス「Sansan」のCSとして入社することになりました。小売店舗、リーダーとしての経験を「お客様・従業員に向き合う」というCSの役割で生かせると感じてもらえたのかもしれません。
Sansanの面接では、学歴や実績だけでなく、仕事をする上での過程や考え方をしっかりと理解してもらえた上で、自分のポテンシャルを見てくれていると感じました。また、自分が何かを「やりたい」と思ったときに、この会社であればその機会を得られると感じたことも決め手でした。前職でリーダーとして意識していた「従業員が成果を出しやすい環境づくり」を体現している会社だと確信し、入社を決めました。
入社したものの、BtoBビジネスは全くの未経験です。ビジネスマナーの基本を習得するところからのスタートになりました。お客様へのメールで「!」マークを多用して上司に指摘されたこともあるほど、当時の私には“ビジネスの常識”がわかっていませんでした。また、小売の店舗における接客は短時間で、「相手を不快にさせないコミュニケーション」が重要です。一方でBtoBのCSでは、ある程度時間をかけてお客様を深く理解し、求めるものを汲み取って提案する必要があります。小売では形のあるモノを販売しますが、Sansanで提供するのは無形のサービスです。しかもお客様によって活用の場面が異なるので、サクセスの形も異なります。これらを理解して支援していくことには苦労しました。
入社して数カ月の頃、導入後のサービス利用がなかなか定着しないお客様がいました。担当の方からも「これ以上は支援はいらない」と言われ、私も「導入失敗」として終わらせようとしていたときのことです。当時のマネジャーから「この会社の具体的な業務や想いを知っているのは、営業でもマネジャーでもなく、あなただよ。あなたが諦めてどうするの」と言われました。その言葉を受けて、ラストチャンスのつもりでお客様企業に対して利用方法の説明会を開いたところ、なんと本契約をしていただくことができたのです。「自分が諦めなければ状況は変えられる」と実感できた、忘れられない経験になりました。
ただ、それ以降も壁に直面することは多く、数年は「自分にはこの仕事は向いていないんじゃないか」と思い続けていました。それでも諦めずに粘り強く取り組む中で、何よりも支えられたのは、意思と意図を持って一生懸命に取り組む人を最大限応援してくれるSansanのカルチャーがあったことです。大変なときは、上司や先輩に話を聞いてもらい、ときには引っ張ってもらいながらなんとか前に進むことを繰り返してきました。そのような環境がなかったら、とっくに辞めていたと思うので、本当に恵まれていますね。
Sansan事業部でCSの経験を積んだ後、新規事業の立ち上げにも携わりました。しかし、その事業は後に終了することが決まり、モチベーションを維持するのが難しい時期もありました。そんな時、先輩から「会社の環境をフルで使えているか」という言葉をかけられました。私は「まだまだこの会社でやり切れていない」と気づき、もう一踏ん張りすることを決意。そのタイミングで現在のマネジャーから「Contract One」への異動の声がかかり、思い切って手を挙げることにしました。
契約データベース「Contract One」に手を挙げたのは、法務業務のDXに可能性を感じたからです。法務業務について調べてみたところ、アナログな業務がまだまだ多い業界であることに気づきました。デジタルツールがさまざまな業務に浸透していく中で、なぜ法務業務ではこんなにも紙を使っているのだろうと不思議に思い、社内の法務の方に「紙って、なくならないんですか?」と聞くと、「契約書という特性上、未だに紙の効力が強い」と言われて愕然としました。でも、それでも今、電子契約が盛り上がってきているのは、長年の業界慣習に風穴を開けていることの証明だと考えています。
「Sansan」でDXによる業務変革のインパクトを実感していたからこそ、法務領域でも同じように変えていくことの魅力を感じています。まだまだ発展途上のリーガルテック領域で、CSである私たちがお客様のニーズをリアルタイムでキャッチし、プロダクトに還元する。このサイクルを積み重ね、契約業務におけるビジネスインフラになるために、さまざまなお客様の導入支援を行っています。1年間「Contract One」のCSを担う中で、法務には本当に真面目で誠実な方が多いと感じ、大好きになりました。そんな方々のためにも、DXを推進して業務をよりアシストできたら嬉しいです。
また現在はエンタープライズ領域のチーム立ち上げにも取り組んでいます。「Contract One」ではこれまで中小企業のお客様が中心でしたが、おかげさまでプロダクトとしてのPMF(Product Market Fitの略。製品が顧客に受け入れられ、市場に適合している状態)は達成し、徐々にエンタープライズ企業へと導入が広がってきました。それに伴い、新たな課題に向き合っています。小規模の企業なら担当者一人で完結する意思決定のプロセスが、大企業では非常に長くなり、多くの関係者との調整が必要です。目の前の人だけでなく、組織全体をどう動かすかという点で、また違った挑戦ができています。
今の「Contract One」のフェーズは、「Contract One」にとっても私にとっても新しいチャレンジです。「Contract One」はSansanの中では新しい組織のため、部門の垣根を超えやすいという特徴もあります。横のつながりを意識した行動が取れる文化を根付かせながら、組織を大きくしていきたいと考えています。
CSとして大切にしているのは、「自分の最善と最良を尽くす姿勢」です。言い訳や理由を探そうと思えばいくらでも見つかりますが、そこに逃げずに「今の自分にとって精一杯のアウトプットを出す」というスタンスの人は成長し、活躍しているのを日々目にします。私自身も入社当初は他の人と比較して自信がなく、評価のたびに胃が痛くなっていました。でもその中で、「周りがやっていないけれどチームにとって必要なこと」や「今の自分にできること」を見つけてノートに書き出し、一つひとつ精一杯取り組んでいきました。すると徐々に周りからの評価も変化し、それが成果にもつながりました。
Sansanの魅力は、上に立つ人が常に学び続ける姿勢を持っていることだと思います。たとえばCEOの寺田は神山まるごと高専(2023年開校の新設高専。寺田は創業メンバー・理事長として参画)の牽引役として挑戦していますし、部長や役員レイヤーの方が自らAIの活用方法を模索し、実践知を共有してくれることもあります。通常、組織が大きくなると社長・役員は遠い存在に感じられがちですが、不思議と私は寺田を遠い存在だと感じたことはありません。それは、社長自らが自身の言葉を繰り返し発信し続け、それが役員やマネジャーへも伝わり、一貫した意思を共有しているからだと感じます。そんな経営層の学び続ける姿やメッセージを間近に見ていると、「自分も挑戦しないと」と感化されますし、それが成長を促してくれていると日々実感しています。
Sansanで5年以上働き続けていますが、今でも挑戦し続けられています。一つの会社にいながら新しい挑戦を重ね、成長を実感できる。それがSansanならではの魅力です。今後はCS以外の役割も視野に入れながら、ライフイベントも見据えた柔軟なキャリア形成ができる環境を生かして、より広い視点で事業貢献していきたいです。
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