
質の高いアウトプットと事業成長を追求し、デザインを通してSansanの“ビジネスを創る”
Eight事業部 プロダクト部 Creativeグループ グループマネジャー
池上 陽平
Sansan事業部で、サービスの価値を言語化し、成果に結びつけるクリエイティブワークに挑戦する武藤宏明。美大で学んだ後、広告制作会社、スタートアップを経てSansanに入社した武藤が語る、事業会社におけるコピーライターの可能性とは。
理系大学で建築を学んだ後、美大の大学院でデザインを学びました。当初は広告のデザイナーになることを考えたのですが、周囲との実力差を痛感。しかし、それでも「広告のクリエイティブに携わりたい」という思いは消えませんでした。広告のクリエイティブに関する仕事を調べていくうちに、コピーライターという職種に出会い、新卒ではコピーライターとして広告制作会社に入社しました。
その後、友人が立ち上げたマーケティング関連事業を行うスタートアップに参画し、クライアントワークと並行して、自社サービスのクリエイティブに携わりました。そのスタートアップではインハウスのクリエイターという側面はあったものの、徐々に「クライアントワーク寄りではなく、もっと自社サービスに貢献できる仕事がしたい」「より明確に目標に向かって自分の力を事業成長につなげたい」という思いが強くなっていきました。
そんな時に出会ったのがSansan株式会社でした。自社サービスをグロースさせる環境で幅広いクリエイティブワークができそうだと感じたことに加え、印象的だったのは「Juice」というSansanのクリエイタープロジェクトのポートフォリオサイトです。アウトプットの質の高さに驚き、「事業会社でこれだけクリエイティブのメンバーがいて、いろいろなアウトプットを作れる会社があるんだ」と感動したのを覚えています。
もう一つ、入社を決めた大きな理由が、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションです。言葉自体がエモーショナルでありながら、名刺管理というサービスとしっかり結びついている。そんなミッションに込められた言葉の力に強く共感しました。また、Sansanはミッションドリブンな会社と聞いていたので、そんな環境で働きたいという気持ちも高まりました。
入社してからはずっとSansan事業を担当しています。サービスサイトの改修やウェブ広告の制作、展示会向けのパンフレット制作など、サービスを世の中に広めるための施策全般のコピーライティングを担当し、営業DXサービス「Sansan」の価値を言語化する仕事をしてきました。
Sansanのコピーライターの仕事は、一般的なコピーライターのイメージとは大きく異なります。「キャッチーなコピーを書く」という仕事は、実はほとんどありません。「Sansan」はBtoBの無形サービスなので、それをよく知らない人に価値を伝える上では、「どのような言葉を使うか」がお客様からの印象や行動を大きく左右します。つまり、「分かりやすく、適切な形で言語化をする」ことがとても大事なのです。
例えば、「Sansan」のサービスサイトにある「名刺管理から、収益を最大化する」というタグラインはサービスの価値を最も短く言語化したものです。このタグラインから派生して、「名刺管理から、とはどういうことか」「どのように収益を最大化できるのか」といった部分を具体的に説明するテキストが後に続きます。これらの言葉一つひとつを紡いでいくのがコピーライターの仕事の一つです。
ただ、これらはコピーライターだけで考えるのではなく、事業部長をはじめ、事業企画やマーケティング部門など、多様な関係者と喧々諤々議論しながら定義していきます。私が意識しているのは、機能の価値を正しく書くという「サービス理解」の視点、読者を想定して分かりやすく書く「ユーザー理解」の視点、Sansanらしい言葉遣いで書く「ブランド理解」の視点の3点です。一貫したユーザーの体験を想像するために、社内のさまざまな部門・立場の人と対話し、考え、分かりやすい言葉にする。泥臭いプロセスですが、事業成長に直結する重要な仕事だと実感しています。
事業会社のコピーライターとして最も大きなやりがいは、自分のアウトプットが事業成果に直結することを実感できる点です。先ほどの「Sansan」のタグラインが今の形にアップデートされた際には、同時に、営業資料のアップデートも行い、そのトークスクリプト一つひとつも、議論しながら制作しました。そして半年ほどそのタグラインと営業資料を軸に営業活動が続けられた結果、受注単価のアップや、高価格の契約ライセンスの受注比率を高めることにもつながりました。
タグライン以外にも、事業とのつながりを実感するケースは多くあります。例えば、展示会でのパンフレットを制作するケース。マーケティングメンバーとともに現場の説明として使える訴求内容を考え抜きます。そしてそのパンフレットを使って集客した結果、「名刺を何枚集められたか」「商談の確約を何件得られたか」などが数字として表れてきます。もし数字が伸び悩めば、内容をアップデートして次の機会にまた反応を試していく。私たちの作るものは常にアップデートを前提としており、改善し続けるのが役割です。
サービスが次々にアップデートされ、事業状況もめまぐるしく変化する中で、情報をキャッチアップするのは大変です。営業やマーケティング、カスタマーサクセスなど、異なる部門の先にいる顧客の目線を理解しながらコピーを作るのも難易度が高いなと感じます。しかし、さまざまな部門との対話を通して理解を深めることで乗り越えてきました。その結果、自分のアウトプットが各部門の成果を後押しできること、時には経営層の意思決定に影響を与えられることに、大きなやりがいを感じています。
Sansanで働く中で、私はコピーライティングスキルだけでなく、「言葉を通して事業を強くする経験」を積むことができています。特に印象的なのは、Sansanのバリュー「意思と意図をもって判断する」ことの大切さです。さまざまな人とやり取りする中で、「自分がどうしたいか」「何をいいと思っているか」という明確な意思と意図を持つことが、生み出す言葉に力を与え、事業を強くしていくことにつながるのだと感じます。
また、ユーザー視点を持つことの重要性も身に染みて感じています。コピーライターは少し油断するとベクトルが自分に向いた制作になりがちですが、Sansanではユーザーの状況や体験を徹底的に考えることが求められます。なぜなら、私たちが生み出すアウトプットは単なるクリエイティブではなく、顧客にとっての価値づくりの一部だからです。そして、それこそがSansanで働く面白さです。
現在は新たな挑戦として、マネジャーという立場で、組織全体のクリエイティブの質とアウトプットの事業インパクトを高めることに取り組んでいます。限られたリソースで成果を最大化するため、部門を超えた連携をさらに強め、さまざまな職種の人と協力しながら、組織全体の成果を最大化していきたいです。
Sansanで活躍できるクリエイターは、言葉を「装飾」ではなく「価値創造の手段」として捉えられる人です。そのために、論理的に言葉を考え、多くの部門と連携しながら自ら動いて巻き込める主体性が必要です。そして何より、事業状況の変化とともに自分の役割も進化させていける、変化を楽しめる人が向いています。肩書きに縛られず、自分の役割を進化させていける環境を、私自身も存分に楽しみながら、これからも言葉の力を信じて挑戦を続けていきます。
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