“ビジネスインフラになる”
これが私たちのビジョンだ。野望であり、夢だ。
勿論テクノロジー分野のインフラにはゴールはない。
常に自ら起こしたイノベーションを陳腐化するほどに一般化させ、その上に新たなイノベーションを重ねていかなければインフラとは言えない。
ただ私たちは一つ目の山すら登り切れていない。
近づきつつあったかもしれない名刺管理Sansanはコロナ禍で軌道がずれた。Eightもしかり。
コロナ前に確かに感じていた登頂への手応えは消え去った。
そして2年間、生き残りをかけた戦いをしてきた。既存顧客に向き合いつつ、サービスの再定義に向き合って来た。
新サービスをリリースしてマルチプロダクトの進化に挑んできた。
Bill Oneは確かなものになってきた。そしてContract Oneの本格展開も、いよいよ始まる。風を追いかけるのではない、風を起こすんだ。そんな信念で生きてきた私たちにとって、期せずして初めての追い風に遭遇している。
名刺メーカーは、名刺の概念をアップデートできるのか。Seminar Oneを中心にイベントテック市場を牽引できるのか。イベントビジネスは独自性を持った単独事業たり得るのか。Bill Oneはグローバルにも攻め得るのか。
Eightは、2012年のリリースから10年目に入る。名刺管理を脱却して”プロフェッショナルSNS “として再び手応えを掴み、キャリアのエッジを持って会社の成長を牽引する存在となれるのか。
そして本丸のSansan。Sansanがコアの存在として光り輝くことなしに、我々はインフラたり得ない。名刺管理を超えて”営業を強くするデータベース”として進化を遂げて、再度頂点を目指す動力となれるのか。企業にとって必須のサービスとしてアップデートできるのか。
気づくと、偶然か、必然か。その全てが天王山。こんなことってあるんだろうか。冷静に考えて驚く。凄い場所に立っているんだ。コロナによって、数年分の変化が一気にやってきたのか。
いずれにしたって天王山とは裏を返せば、全ての前線においてチャンスが満ちているということだ。どうせやるなら、それぞれの焦点を持って、その全てで勝ち切りたい。
「勝ちに行く」
だからこそ2022年のテーマとして「勝ちに行く」を掲げたいと思う。
全ての天王山で勝ちに行く。本年をそんな1年にしたい。
簡単なことではない。もっともっとパワーアップしなければならない。だが、私たちがこれまで積み上げてきたものがあるからこそ挑める勝負だ。全社を挙げて、そこにチャレンジしたい。この天王山を勝ち切り、ビジネスインフラとしての入り口に手をかけたい。
私たちは、トレンドを追いかけるのではなく、自ら領域を定義し、創造して来たと思う。だからこそ今年くらい徹底的に勝ちに拘ってみたい。自らにこそ勝つ気概を持って本年に向き合っていきたい。
さあ、勝ちに行こう。
2022年 1月
寺田親弘
※年始会議にて行われた寺田の全社スピーチを、一部修正の上、掲載。