コーポレートガバナンス

基本的な考え方

当社は、持続的な企業価値の最大化と社会への貢献を実現し、全てのステークホルダーの皆さまから継続的な信頼を得ることが重要であると認識しています。このような認識の下、取締役による監督機能を強化することでコーポレートガバナンスの一層の充実を図り、経営の健全性と透明性をさらに向上させることを目的として、当社は監査等委員会設置会社制度を採用しています。監査等委員会の設置により、経営の意思決定と業務執行の監督において透明性を確保するとともに、内部統制システムの構築及び運用の徹底を図り、コーポレートガバナンスの維持・強化に努めています。

コーポレートガバナンスに関する報告書 (188KB)

コーポレートガバナンス体制

体制図

取締役会

取締役会は取締役9名で構成されており、うち4名の監査等委員である取締役は全員が社外取締役です。各自の企業経営及び専門分野に関する豊富な知見を活用するとともに、より広い視野に基づいた意思決定と社外からの経営監視を可能とする体制作りを推進しています。定時取締役会を原則毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しています。

取締役の構成

監査等委員会

監査等委員会は監査等委員である取締役4名によって構成され、その全員が社外取締役であり、うち3名が独立役員です。監査等委員である取締役には、法務や会計等の専門知識や他の企業の役員経験を通じ、企業経営について独立した観点を有する者が含まれており、各々の職業倫理の観点で経営監視が行われる体制を整備しています。監査等委員である取締役は、取締役会等において、取締役の業務執行について適宜意見を述べています。監査等委員会は、ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の業務執行を含む日常的活動の監査・監督を行うことを目的に、監査等委員会を毎月1回開催するほか、内部監査室及び会計監査人との会合を設け、監査に必要な情報の共有化を図っています。

コーポレートガバナンス強化の変遷

当社は、経営の健全性と透明性の実現に向けて、コーポレートガバナンスの強化に関するさまざまな取り組みを行っています。2015年には監査等委員会設置会社を採用し、社外取締役4名を選任しました。また、2019年から2021年にかけては、独立役員の選定及び増員を行い、独立性の確保に努めました。加えて、2021年には女性取締役の増員(1名→2名)により、取締役構成のさらなる多様性向上に努めたほか、取締役(監査等委員である者を除く)の個別報酬等の内容決定について、代表取締役への委任から取締役会決議へと決定方針を変更しました。そのほか、取締役会構成メンバーのスキルマトリックスについて開示しました。

主な取り組み

取締役会の実効性評価

株主より取締役会に委嘱された経営等について、取締役会実効性評価を行い、取締役会が評価結果に基づきながら自らPDCAサイクルを回すことにより、コーポレートガバナンスの高度化を図っています。

2022年5月期の実効性評価では、各取締役による評価結果を基に、監査等委員会による協議及び意見表明を得た上で、取締役会にて審議を行い、認識の共有及び改善方針を決定しました。本評価結果では、「取締役会等の責務」「取締役会の規模と構成メンバー」「取締役会の開催頻度等」「取締役会の意思決定プロセス」及び「取締役会に提供される情報の品質」について、適切または概ね適切であると評価する意見が多く、取締役会等の実効性は確保されていると判断しました。その上で、当社の事業規模や上場企業としての責務が大きくなる中では、取締役会審議のさらなる深化及び取締役に対する教育体制の拡充が必要との見解を踏まえ、取締役会付議事項の適切性向上や具体事例を題材とした対話の設定等による教育機会創出等の改善計画を策定し、実効性向上に向けた取り組みを行っていきます。

取締役報酬の決定方針とプロセス

当社は、基本報酬の額や業績連動報酬・非金銭報酬の導入をはじめとした取締役の報酬等に係る決定方針について、あらかじめ社外取締役へ諮問し答申を受けた上で、取締役会決議により、内容を決定しています。

基本報酬(固定の金銭報酬)に関する個別報酬等の額または算定方法の決定

取締役(監査等委員である者を除く)の個別基本報酬額は、株主総会にて決議された報酬総額の限度内において、各取締役の職責や業務執行状況及び会社業績や経済状況等を勘案し、毎期、更新・決定するものとします。なお、監査等委員である取締役の個別基本報酬額は、株主総会において決議された報酬総額の限度内において、監査等委員全員の協議により決定します。

業績連動報酬・非金銭報酬の導入及び決定

取締役の個別報酬等について、業績連動報酬制度または非金銭報酬制度を導入する場合には、取締役会の決議を要するものとします。また、当該報酬制度を導入する際には、その内容及び金額(算定方法)の決定方針並びに個別報酬等を構成する各報酬の割合についても、取締役会にて決議するものとします。2023年5月期以降、取締役(監査等委員である者を除く)の個別報酬として、中長期のインセンティブ報酬としての株価条件付ストックオプションを付与する場合があります。当該ストックオプションについては、経営環境や他社における報酬水準等を踏まえ、取締役のパフォーマンス及び貢献意欲を最大化させ、かつ株主価値との連動性をより強化し、適切なリスクテイクが図られるようなインセンティブとするべく、基本報酬との割合の決定並びに適切な制限及び条件設定を行うものとします。

取締役報酬等の支給・付与の時期や条件の決定

取締役の報酬等のうち、固定報酬は月齢とし、2023年5月期以降、取締役(監査等委員である者を除く)の個別報酬として導入する株価条件付ストックオプションについては、過去の付与実績や在任年数等を踏まえ、付与の時期を検討するものとします。なお、報酬として支払われるべき費用が別途発生する場合にはこの限りではありません。

報酬等の決定の委任に関する事項

取締役(監査等委員である者を除く)の個別報酬等は取締役会決議により決定し、その可決条件は「取締役過半数」かつ「社外取締役全員」の賛成とします。また当社は、報酬制度とは別のインセンティブ手段として、中長期的な企業価値向上への誘因を目的として「新株予約権信託」及び有償の「業績目標連動型募集新株予約権」を導入しています。

取締役候補者の選解任方針とプロセス

当社は、定款で取締役(監査等委員である者を除く)は8名以内、監査等委員である取締役は5名以内と定めており、取締役会構成メンバーは、経験、知見及び能力等のバランス並びに多様性を考慮した選任を行っています。取締役(監査等委員である者を除く)候補者の指名に当たっては、担当事業に関する豊富な知識と経験並びに担当事業を通じた会社への高い貢献度が期待でき、取締役としての職務を全うし企業価値の向上に資する人材を選定する方針としています。監査等委員である取締役候補者の指名に当たっては、他の会社の役員経験を有する者や企業法務、会計及びコンプライアンスに精通する法律専門家等、各自の実務経験に基づく企業経営に関する豊富な知見を活用し、経営全般に対して意見具申が期待できる人材を選定する方針としています。

取締役(監査等委員である者を除く)の選任手続きについては、方針に適合する人材を代表取締役社長が候補者として提案し、監査等委員会からの意見を得た後に取締役会にて協議の上、株主総会へ付議し、決定しています。監査等委員である取締役の選任手続きについては、方針に適合する人材を代表取締役社長が候補者として提案し、監査等委員会による同意を得た後に取締役会にて協議の上、株主総会へ付議し、決定しています。取締役会及び監査等委員会は各取締役の業務執行状況を監視・監督し、その要件を満たしていないと判断した場合には、当該取締役の解任について審議することとしています。

取締役のトレーニング方針

取締役による経営監督・監査が十分に機能するよう、取締役会資料の事前配布・説明及び関連情報の提供により、取締役会での審議の充実化に努めています。また、社外取締役で構成される監査等委員会において、円滑な職務遂行を支援する目的で専任の事務局員を配置しています。当該事務局員による主要会議への参加、重要書類の閲覧等を通じて、監査等委員会の要請に応じた報告や情報提供を適時に実施しています。そのほか、社外取締役に対する第三者機関による研修の機会を提供しており、その費用は会社負担としています。

グループガバナンスの強化

子会社への経営関与に関する基本方針として、「子会社管理規程」を制定し、当該規程に基づき子会社との間で経営管理契約を締結する等、グループガバナンスの強化につながる体制整備に努めています。また、子会社の法令、定款、社内規程等の遵守状況について、当社の内部監査室による定期監査を実施しています。

寺田 親弘 代表取締役社長/CEO

三井物産株式会社に入社。情報産業部門に配属された後、米国・シリコンバレーでベンチャー企業の日本向けビジネス展開支援に従事する。帰国後、社内ベンチャーの立ち上げや関連会社への出向を経て、2007年にSansan株式会社を創業。

富岡 圭 取締役/執行役員/CRO

日本オラクル株式会社に入社し、上海やバンコクを拠点にグレーターチャイナ(中国、香港、台湾)、東南アジア、インドのマーケット開拓を担当。2007年にSansan株式会社を共同創業し、クラウド名刺管理サービス「Sansan」の事業を指揮する。現在はCROとして全社の事業収益を統括。

塩見 賢治 取締役/執行役員/CISO/DPO/技術本部 本部長​

株式会社物産システムインテグレーション(現・三井情報株式会社)で、大手携帯キャリア向けのメールシステムの設計・開発責任者などを務めた後、2007年にSansan株式会社を共同創業し、2012年からキャリアプロフィール「Eight」の事業責任者を務める。現在は、技術本部の本部長として技術戦略や組織強化を指揮。

大間 祐太 取締役/執行役員/CHRO

人材系企業へ入社し、採用コンサルティング事業の立ち上げを経験し、独立。その後、採用領域のベンチャー企業の立ち上げに携わる。2010年にSansan株式会社へ入社し、営業部門のマネジャー、人事部長を務める。現在はCHROとして、人材価値を高めるための人事戦略を指揮する。

橋本 宗之 取締役/執行役員/CFO​

外資系証券会社に入社。東京及びニューヨークで約9年間勤務し、M&Aや資金調達のアドバイザリー業務に従事。その後、日本政策投資銀行のグループ企業でプライベート・エクイティ投資に携わり、2017年にSansan株式会社へ入社。現在は、CFOとして財務戦略を指揮する。

鈴木 真紀 社外取締役/監査等委員​

弁護士。2003年よりTMI総合法律事務所に勤務した後、ニューヨーク州弁護士に登録。2017年、佐藤真太郎法律事務所へ入所し、2021年から第二東京弁護士会に所属。2022年8月、Sansan株式会社の社外取締役に就任。企業法務やコンプライアンス等に関する専門的な知識を有し、法律や多様性の観点から提言を行う。

赤浦 徹 社外取締役/監査等委員​

インキュベイトファンド代表パートナー。日本合同ファイナンス株式会社(現・株式会社ジャフコ)にて投資育成業務に従事後、ベンチャーキャピタル業を独立開業し、現在に至る。2007年8月、Sansan株式会社の社外取締役に就任。経営全般についての提言を行う。

塩月 燈子 社外取締役/監査等委員​

株式会社サイバーエージェント取締役。会計士補、法務博士(専門職)。日本航空株式会社に勤務した後、株式会社サイバーエージェントの常勤監査役を経て2017年から現職。2021年8月、Sansan株式会社の社外取締役に就任。会計や法務の知見と事業会社での経験を通じ、監査や多様性の観点から提言を行う。

齋藤 太郎 社外取締役/監査等委員​

株式会社dof代表取締役。コミュニケーションデザイナー。株式会社電通に勤務した後、株式会社dofを設立し、2009年から現職。2022年8月、Sansan株式会社の社外取締役に就任。コミュニケーションデザイナーとしての豊富な職務経験と複数企業の役員として得た見識を踏まえ、経営全般についての提言を行う。