新年のメッセージ

2012年
楽しむ

2012年、勝負の2011年が明け、
新たな1年がはじまりました。
私は、今年が楽しみでなりません。これまでのキャリアの中で最も楽しみな1年です。

どこかに吹いている風を追いかけるのではなく、
自ら風を起こしたい。
流れを追うのではなく、自らの手で流れを創る。

三三は、創業以来その志のもと進んできました。

流れがない水面、山の上の静かな湖に、
手漕ぎ船が浮かんでいるのを想像してください。
その船が大海原を目指して、大海原に通ずる川を探して進んで行く。

その川がどの方向にあるのか、誰も教えてくれない。
流れがないので、漕いだ分しか進まない。流れがないので、漕いだ分は進む。

ある方向に、大海原に通ずる川があるという信念を持って、
漕ぎ手が一致団結して、一所懸命漕いで、漕いで、漕いで、進んできた。

時には、我々の船が起こした引き波を流れとみて、
他の船が追いかけてきたりもしました。

それが今までの戦いだと思います。

2012年、我々の船は急流に入ります。
凄まじい流れのあるところに入っていきます。
ただ、この急流には先陣はいません。
我々が見出した川です。

世界で勝つには、独自の世界観に加えて、強い後押しとなる流れが必要です。
ただ、その流れは、流れを追おうとした会社には乗りこなせず、
自らの意思でその流れを見出した会社をして、はじめて大海原に通ずる流れとなるのです。

リンクナレッジにEightが重なり、時代の流れがある。
全ての点が繫がり、線になっていく。

その急流を前に、私は本年のスローガンとしてこれを掲げたい。

“楽しむ”

川は海に通じている。方向で迷う必要はもうない。
そこには強い流れがある。だから一歩間違えば岩場にぶつかるかもしれない。
でも、漕ぎ方一つで、漕いだ分の10倍も100倍も進んでいく。

この流れを乗りこなせるのは我々しかいない。
準備をしてきた。力をつけてきた。

流れに翻弄されるのではなく、流れを楽しみたい。
そして、楽しみながら想像を絶するスピードで前に進んで行きたい。

そのために皆さんにお願いしたいことがある。

“主体性”

一人一人が今までの以上に主体性をもってもらいたい。
主体性をもって、流れを楽しむという意識を持ってもらいたい。

流れのない水面で船を前に進めるのとはルールが変わる。
これまで船長たる私は、方向で迷わないように、漕ぎての力が分散しないように、
細部に目を光らせて、時にマイクロマネジメントと思いつつも、
漕いだ分、間違いなく前に進むよう指揮をしてきた。皆もそう感じてるだろう。

これからは違う。船長たる私は、大きな流れをみて、
大きな意思決定のもと、この船を進めて行くことに集中しなければならない。

激流は静かな水面とは違う。流れが幾重にも重なり、大きな流れをつくっている。
各漕ぎ手の手元の流れは、その漕ぎ手にしか今やわからない。

流れがある、ということは、何もしなくてよいということではない。
主体性を持たなければ、船から放り出されるだけである。

私の目はもはや細部には行き届かない。行き届かせるべきではない。
私は、3つのことに集中する。

“戦略” “人” “商品”

もはや、社長には自分の手元は見えていないと思って、
その流れを主体的に乗りこなしてもらいたい。そして楽しんでもらいたい。

戦略、人、商品、のみが私がやるべきことである。これ以外のことはやらない。

これ以外のことについて、
私が関与することがあったとすれば、
単に、一つの意見と思ってもらいたい。
そこにおける主体は皆さんです。

私は自分の役割を楽しむ。
皆さんも是非この2012年という大きな流れを主体的に楽しんでください。

“やったりましょう”

2012年 1月
寺田親弘

※年始会議にて行われた寺田の全社スピーチを、一部修正の上、掲載。