mimi

Sansanの
人・組織・カルチャーを
伝えるメディア

チェンマイで開催された「ICOIN 2018」でポスター発表をしました

こんにちは。DSOC R&Dグループの真鍋です。

2018年1月10日~1月12日の期間に開催された、The 32nd International Conference on Information Networking(ICOIN)に参加してきました。ICOINは、韓国の情報処理学会が主催している情報処理の国際学会で、アジアにおける情報処理学会では比較的規模の大きいものです。韓国をはじめとして、日本、中国、タイ、フィリピンなど、アジア各国の研究機関が参加しています。

ICOINには、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)が協賛しています。また、第32回とあるように、30年以上の歴史を持つ学会でもあります。

左)現地の会場にて。右)ポスター展示。

今回のICOINの開催地は、タイのチェンマイでした。私はポスター発表の枠で研究内容が採択されたため、ポスターを持ってチェンマイに行ってきました。

私の研究内容ですが、日本におけるCDの売り上げとYouTubeの再生回数の関係を調べたものです。YouTubeでよく見られているとCDの売り上げが下がるのか(視聴代替)、それとも売り上げが上がるのか(宣伝効果)、どちらの効果が大きいかを定量的に示すとともに、日本の音楽市場におけるCDの付加価値について論じました。情報処理というよりはマーケティング研究ですが、Webクローリングなどの方法を用いてインターネット上の情報のみからマーケティング研究を行ったため、その方法上の観点も含めて、この情報処理学会に投稿することにしました。

図1:CDの売り上げとYouTubeの再生回数

図2:CDの初動売上げの月平均値の推移

図3:CD売上げの減少速度パラメータの月平均値の推移

幸いなことに発表時間中は、入れ代わり立ち代わり研究者の方々に足を止めていただき、議論をすることができました。減少し続けているとはいえ、日本でいまだにCDが売れているということ自体が、奇異に映るようで、その背景についての質問などを多々頂きました。

空いている時間には、他のポスターなどを見て回りました。自分の研究もまさにそうですが、全体的に研究内容がかなり多岐に渡っていました。ネットワーク技術など、専門外の研究も多かったのですが、中でも目を引いたのが機械学習やAI技術の社会インフラへの適用に関する研究で、例えば中国のチームが機械学習を応用した渋滞予測などの研究を行っていました。アジアの新興先進国では、インフラの脆弱性や急激な発展に伴う環境問題などが良く知られていますが、IoTやAI技術はそのような問題に対し、これまでのような漸進的な発展を経ずして、その社会に最適な解をもたらす可能性があるように感じました。 最近では中国の露店にまで普及したQRコードによるネット決済の光景が有名ですが、社会基盤が例えば日本よりも混沌としていたとしても、それでも「効率」は良い、という社会が実現され得るかもしれません。

日本以外のアジアの国で開催される学会への参加は初めてでしたが、研究の背景にある、国や社会の文化や風土を、肌で感じるいい機会となりました。

タイにいくのは初めてだったので、チェンマイ観光もしてきました。露店や食堂の数と種類が豊富で、至る所で飲み食いができる、活気にあふれた微笑みの国を満喫しました。初めは胃腸を刺激していたタイ料理も一線を越えると立ちどころに美味しくなり、完全にとりこになって帰ってきました。

執筆者プロフィール

※本記事内で掲載されている画像の転載や二次利用を禁じます。

text: DSOC R&Dグループ 真鍋友則