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「Slush Tokyo 2018」に行ってきました(後編)

お元気ですか? ICE企画室長のHanakoです。

北欧最大級のスタートアップイベント「Slush」。その日本版となる「Slush Tokyo 2018」のイベントレポートです。

後編となる今回は、会場の様子を別の角度からお伝えしたいと思います。

前回の記事

【レポート】「Slush Tokyo 2018」に行ってきました(前編)

バラエティーに富んだ展示の数々:ふんどしマンから昆虫食まで

エキサイティングなオープニングから、ブロックチェーンなど仮想通貨の未来的な世界に触れていると、気分は最先端を行くアントレプレナー(起業家)でした。

そんな気分をさらに盛り上げてくれたのが、バラエティーに富んだブースや、出展者とのコミュニケーションでした。

その中でも目を引いたのが、100 BANCHの出展。日本人のアイデンティティーを追求した新たな試みとして、コンセプトはさておき、ふんどしマンがいたり……。

Future Insect Eatingのリーダー、高橋祐亮さんによる昆虫食を研究するプロジェクトでは、細かな虫の筋肉などを丁寧にまとめ、昆虫バーガーを開発したり……。

もともとこの方の記事を読んで非常に興味を持っていたので、今回お会いできて嬉しかったです。

納豆とご飯さえあれば十分に生きていける筆者ですので、このようなジャンルを開拓する気持ちはまったくなかったのですが……。

3、4年前、地球少年こと篠原祐太くんとの出会いから、昆虫食を知り、興味を持ちました。

コオロギラーメンの生みの親でもある彼が、その当時、筆者の友人宅で、生き生きと動いている昆虫を愛おしそうに食べるパフォーマンスをしてくれた時に、衝撃を受けた記憶があります。

彼は、人間が構築したイメージによって邪魔者扱いされ、嫌われてしまっている昆虫をもっと身近に感じてほしいという思いがあるようでした。

脱線してしまいましたが、3、4年前は珍しいと感じていた昆虫食も、いよいよこういうイベントで取り扱われることになってきたことに驚いています。

実は、昆虫食の研究開発は世界的にも進んでいるようで、その中で、日本人特有の繊細さやユニークな発想力をもってして、面白いアウトプットにつながることを期待したいですね。

指がスマホになる「ORII(オリー)」

そのように、少し風変わりな出展もあれば、クリエイティブ&テクノロジーの融合から生まれた未来のプロダクトにも注目が集まっていました。

特に私たちが注目したのが、指をスマートフォンに変身させるボイスコントロール/骨伝導スマートリング「ORII(オリー)」です。

指輪型ウェアラブルとも言われているORIIは、耳に指を当てるだけでスマートフォンの操作や通話を可能にしてくれるスマートリングです。機能性はもちろん、指輪のデザインとしても美しさを兼ね備えたORII。Art×Technologyのバランスが素敵でした。

時代を先取りしているものにしては手頃な価格設定(2018年6月時点で約$150)になっており、どこかで自慢げに使ってみたいアイテムです。きっと、これから注目の的になることでしょう。

ダイバーシティーを体現

さて、いろいろな角度からSlush Tokyo 2018を振り返って来ましたが、総じてテックイベントらしく、良い意味で、日本では感じられない海外独特のユルさや、ダイバーシティーを体現していました。

例えば、通常の日本の展示会を見て回ると、左絵のように、1mmのスキもない完璧さで装飾されているものです。

一方、Slushでは、スタッフが破れたジーンズという軽装で、かつ、ブースの装飾も部分的にはこだわるものの、全体的には雑然とした空気感でした。それが逆にフレンドリーな対応や雰囲気につながっているようにも感じられ、完成されていないところから、想像をかきたてるクリエイティビティーが息づいていました。

日本は、統一された中でいかに緻密に、完全に発揮できるか、ということに注力している印象で、形式美が際立って、それが閉じられたイメージにつながっていくのではないかと思います。

どちらが良いかという話ではなく、世界を知ることで、日本という国や日本人の特性を理解できる貴重な機会となったと、個人的に感じました。

 

各企業ブースの横にあるピッチコンテストでは、今後、世界がどのようになっていくのか、といった非常に興味深い内容がそろっていました。

その多くは、AIなど技術的なアイデアを利用した新サービスの提案でしたが、審査員による辛口のコメントがあったり、時間になるとピッチの途中で強制退場させられたりと、見ている方にもなかなかの緊張感が伝わりました。

単に便利なサービスというものだけでなく、私たちの行動様式を変え得るようなものなどもあり、もしかしたら忘れたころに、このピッチコンテストで発表されていた技術やサービスが世の中に浸透し、それを無意識に活用している日が来るかもしれませんね。

世界の新しい技術やサービスを目の当たりにして、とてもエキサイティングで、大いなる刺激を受けることができました。

Slush Tokyo 2018で発表されていた新たなアイデアが、すぐに次のプロジェクトにつながるとは思いませんが、こういった場での積み重ねこそが、将来の大きな資産になるだろうなと実感しました。

また来年も、ICEのメンバーたちと参加したいと思います。

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text&illustration: Hanako