こんにちは! ブランドコミュニケーション部PRグループの鈴木です。
2018年10月1日〜10月5日に、DSOC R&Dグループの研究員5名が集中的に業務を進めるために合宿を行いました。合宿所は、徳島県・神山町にあるサテライトオフィス「Sansan神山ラボ」です。
今回は、これまで私の中にあった「疑問」への答えと、メンバーの合宿での様子をお伝えしたいと思います!
神山ラボへの「疑問」
Sansan神山ラボは2010年10月に開設したサテライトオフィスで、これまで多くのメディアの皆様に取材をしていただきました。そのため、社外の方にも知っていただいており、こんな質問を受けることがよくあります。
「神山にオフィスがあるんだよね? なぜ神山? どんな目的なの?」 「自然に囲まれた環境で仕事してみたいけど、実際働いてみるとどうなのかな?」
そういった質問に対して、私自身は行ったことがないので、聞いた話を返答していました。
「神山町はIT企業の誘致をしていて、ネット環境もいいんですよ」 「通勤で満員電車に乗る必要がないなど『消耗』することがないので、仕事に集中できるみたいです」
このような返答をすると、質問してくれた方も「やっぱりねー」と納得してくださるし、私自身もそれで分かった気になり、そこで思考停止していました。
今回、R&Dグループのメンバーが神山で合宿を計画していると聞き、即座に「神山へ行くチャンスだ!」と頭に浮かびました。なんとなく理解した気になっていた「神山では仕事がはかどる説」の裏を取れる機会だと思ったのです。
そういうわけで、今回の合宿に、私は二つの「疑問」を持って臨みました。
- 神山では本当に効率的に仕事ができるのか? その理由はどこにあるのか?
- 神山合宿でメンバーの関係はどう変わるのか?
合宿に参加した5人の研究員(奥田、真鍋、高橋、前嶋、吉村)への取材を通し、その疑問を解消していこうと思います。
神山での日々
神山という地
神山町へは、徳島空港から車で1時間以上掛かります。
市街地を過ぎると、山を切り開いたゆるくカーブした坂道がずっと続き、その一角にSansan神山ラボがあります。
Sansan神山ラボ。見た目は古民家です。
日々のスケジュール
毎日のスケジュールはおおかた下記のようなものでした。
8:00 早朝散歩へ
8:15 道でサワガニ発見
9:00 ささいなきっかけで、論文についての議論が始まる
9:45 中庭で表参道本社にいる同僚とリモートミーティング
10:30 集中して業務
12:00 ランチへ向かおうとすると、車に巨大なカマキリが
12:20 神山産の食材をふんだんに使ったランチ
13:30 午後は気分を変えて屋外へ
14:30 実装したものをみんなで確認
16:00 ちょっと休憩。「AIくん」と撮影
19:00 神山温泉へ
21:00 買出し後の夕食(神山にはとても美味しいごはんが食べられるお店もあるのですが、店舗数や営業時間、入店できる人数に限りがあるため、小一時間を掛けてスーパーへ向かい、半額になったお惣菜を食べる夜もありました……)
夕食後は、一つの部屋に集まり、思い思いに過ごしながらも、なんとなくみんなで一つの話題を共有。24時を過ぎると、自分の布団に入っていくメンバーがぽつりぽつりと現れ、就寝。
今日も1日お疲れさまでした。
参加メンバーの感想
業務の進捗
- 実装が普段より進む(奥田)
- 社内にいる時と変わらないパフォーマンスで仕事ができる(真鍋)
- 想定より早いスピードで進む(高橋)
- 順調。合宿なので期限内に進めるのがハッカソンみたいで楽しい(前嶋)
- 1日を通して作業する時間が長く取れたので、順調にデータの正規化の準備が整った(吉村)
仕事がはかどった「神山ならでは」の理由
- 普段と違う環境(場所・雰囲気)だけど、作業環境(Wi-Fi・集中)としては表参道本社と同じクオリティーが保たれている(奥田)
- 環境が違うので、慣れるためにリソースを使っている感はあるが、いい意味で仕事と距離を置くことができる。そのため、普段と違う発想が生まれる。例えば、ある作業に対して、そもそもそれがなんで必要だったのかを見つめ直すことができた(真鍋)
- 端的に言うと、集中できる。例えば、起きたらみんなで朝ご飯を食べて、通勤がなく、そのまま仕事に向かえて、時間の使い方にメリハリがつく。気分転換に外で風に吹かれながら仕事をしたりして、リラックスできている。合宿という意味で言うと、同じ目的を持った人で集まっているので、やるべきことに取り組める(高橋)
- 慣れない環境に不安があったが、虫の声や川のせせらぎなど環境音が心地いい。それが頭を活性化させ、それにつられて新しいアイデアが出てくる。椅子がハーマンミラーのアーロンチェアなのも快適。すぐに行けるコンビニなどがないのもいいのかも(前嶋)
- 同じプロジェクトに取り組む他のメンバーと、一つの長机を囲んで作業できる環境だったので、質問などがいつもよりしやすかった(吉村)
仕事以外の神山の魅力
- 神山産の食材を使った食事が、すごくおいしかった(奥田)
- のどかな風景がよく、朝一人で散歩に出かけたりもした。普段と違う景色の中を歩けるのはリフレッシュになる(真鍋)
- 同僚と寝食を共にするというのは、好みが分かれると思うが、自分には合っている。「今日何食べる?」とか、日常を一緒に過ごすことが好きなので。夜は何時間もくだらない話をしたり、逆に朝イチから理論のトレンドについて議論したりできるのは貴重な時間(高橋)
- ちょっとした移動が全て車でみんなと一緒。虫のサイズが大きいとか、素朴な驚きも多い。温泉もよかった(前嶋)
- ローカルフードを楽しんだり、地元の温泉に入るなど、神山という土地を楽しめた(吉村)
人間関係の変化はあったか
- 長い時間いてもメンバーのイメージは変わらなかった。仕事以外の時間にも仕事上の議論ができたり、それ以外の話題も深く話せて、良い機会だった(奥田)
- 普段と変わらない。そもそも大人同士なので、それぞれがプライベートを保つテクニックを持っているんだと思う(真鍋)
- プライベートな時間を共有しても、特に関係に変化はない。みんな普段から「素」で仕事をしているんだなと思った(高橋)
- 普段はあまり飲み会にも行かないタイプなので、今回のように長時間一緒にいるのは初めてだったが、特にストレスはなかった。Sansan神山ラボへの滞在の仕組みがしっかりしていて、仕事以外の雑用に煩わされることがないので、人間関係に悪影響を及ぼさないのかもしれない(前嶋)
- いつも通り楽しく過ごせた(吉村)
神山考察
神山で効率的に仕事ができる理由
神山では仕事が効率的に進むことを、身をもって知ることができました。
では、その理由はなんだったのか? 私は以下のように考えます。
選択肢がシンプル
朝起きてから夜眠るまで、行動がものすごくシンプルに完了するのです。
例えば表参道本社にいる場合、業務中にコーヒーが飲みたいと思ったら、ビルの1Fにあるコンビニか、ハワイアンなカフェか、それともスムージーか、と、その時の気分でぱっと6通りくらいは選択肢が浮かびます。けれど、神山の場合「あらかじめ買っておいた冷蔵庫で冷えているコーヒー」の一択です。万事がこの調子なので、余計な雑念が生まれる隙がありません。
結果として、やるべきことにクリアに向き合えます。
人間関係の変化
もう一つ興味深く思っていたことは、メンバー同士の関係性でした。大人になって、家族でもない複数の人たちと1週間寝食を共にすることはあまりないので、そこになんらかの変化が起こるのではないかと考えたのです。
しかし、メンバーたちに聞いてみると特に変化はなかったようです。それぞれの感想にあるように、「お互い大人だから距離感を間違えない」「普段から素のままで働いている」から、とのことです。けれど、そこには見逃せない一つの要因があると感じました。それは「仕事のために整えられた環境がある」ということです。
Sansan神山ラボには、移動に欠かせない車や宿泊用の清潔な寝具がたくさん常備されているほか、水周りもリノベーションを重ねて整えられています。加えて週に数回、お掃除やメンテナンスをする方が来てくださっています。つまり、大きな手間を感じることなく生活できる環境が整っているのです。これは、Sansan神山ラボで過ごす上で、実はとても大きなアドバンテージになっています。
生活環境が整っているおかげで、基本的に普段と同じ「仕事」というフィールドだけで同僚と関わっていられるので、些細ないさかいなどが起きるきっかけもなく、いつもと変わらずにいられたのだと思います。これは、個人的にはとてもおもしろい発見になりました。
まとめ
人づてに、繰り返し見聞きしてきた神山生活ですが、行ってみれば、やはりそこには実際に体験したからこそ気付く発見や感想がありました。私自身も仕事に対してフローな状態で臨むことができたので、その感覚を忘れないうちに癖付けたいと思います。そして、また機会があれば別のメンバーや目的で行きたいです。
最後までお読みいただきありがとうございます! 今後、リモートワークやチームでの合宿を考えている方たちのお役に立つものであれば幸いです。
Sansan神山ラボに関する記事
https://jp.corp-sansan.com/blog/kamiyama
text: ブランドコミュニケーション部 鈴木由香