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Sansanの
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目指すのは、メンバー全員がご機嫌に、効率的に働くこと。

こんにちは。人事部のソバナです。
今回は同じ人事部で、社内制度や評価関連の業務を担当する我妻のインタビューです! Employee Success Group(以下「ESグループ」)について、Sansanの社内制度について話を聞きました。

プロフィール

我妻小夜子 人事部Employee Success Groupグループリーダー

神田外語大学卒業後、商社に入社し窓口営業を経験後、人事部総務部で新卒採用に従事。2013年12月にSansan株式会社に入社し、社内制度を中心に、人事評価関連、障がい者採用などを担当。現在は、人事部Employee Success Groupの責任者を務める。


人の人生に深く関わる
それこそが人事の面白さ

まずは、Sansanに入社するまでの経歴について教えてください。

大学を卒業した後は、携帯電話の代理店販売をする専門商社に入社しました。総合職でしたが、初めの半年は窓口営業を行い、その後は人事総務部へ配属。新卒採用業務に携わることになりました。

一社目から人事を担当していたのですね。人事という仕事に興味があったのですか?

いえ。何がやりたいのか、自分のキャリア観などはなかったんです。お恥ずかしながら当時は「パリッとしたスーツ着て、ヒールでカツカツと闊歩して、かっこよく働きたい!」くらいのマインドしかなくて。
だから、新卒採用の担当になった時は少しへこんだんですよね。「同期は、法人を相手にバリバリと営業しているのに、私は学生が相手か……」って。ただ、いざ始めてみると、人事という特殊な仕事に面白さを感じまして、学生相手の仕事かと思っていたことが、大いなる勘違いであったとすぐに気が付きました。

そのときに感じた「人事の面白さ」とは何でしょうか?

第一は、その方の人生に「深く関わっている感」です。さらに、人事は経営者が何を思っているか、何を成し遂げたいかを知っていなければできない仕事なので、いち社員でありながら、経営に近い視点を持って働くという、視座の高さを学ばせてもらって、それが私にとってはすごく面白かったです。
ただ、その会社は規模が大きかったため、仕事も細分化されていました。新卒採用業務担当者はそのことだけに集中し、彼らの入社後の様子を見届けるという、肝心なところまではなかなか担当できなかったんです。そこに歯がゆさを感じ始めて、できることなら入り口だけじゃなくて、全体的に任せてもらえるようなところで、人事という仕事を深めたいという気持ちが大きくなりました。

そんな思いからSansanへ転職したんですね。

はい。当時は他社の面接も受けていたのですが、Sansanの面接は他の企業とは全く異なりました。忘れられないのが、受付で待っている時の社員の皆さんがしてくれる気持ちのいいあいさつ。すれ違う社員全員が、声を掛けてくれたことも印象的でした。
おこがましいですが、私も人事として働くなら「こういう人たちを支えたい」というイメージを描いて転職活動をしていたので、Sansanでならそれが叶うと感じました。

施策を作るには
まず社員の「困りごと」に耳を澄ます

現在、我妻さんはESグループでグループリーダー(マネジャー)として働いていますが、普段はどのような仕事をしているのでしょうか。

現在、約30の施策を進めています。その運用、新入社員の受け入れ準備、異動の対応、社員のライフイベントにまつわる事務などを行っています。同じグループで働く4人のメンバーとは、「組織を強くする」というモットーを掲げて働いています。

業務内容はかなり多岐にわたっていますね。ESグループは最近できたチームですが、そもそもどのような理由で誕生したのでしょうか。

これまでは、私ともう一人という二名体制で業務を進めていたのですが、社員数の拡大に伴って、新入社員が入社後に何を感じ、どんな課題に直面しているのかを把握することが難しくなってしまいました。
できるだけたくさんの人から話を聞き、情報を集めた方が、社員が抱えている課題を把握できますし、作るべき制度も見えてきます。それで、グループとして立ち上げてもらうことを提案しました。

社員のご機嫌度合いを高めたい

まずは社員個人と話して、困っていることを聞き、それぞれが抱えている課題を把握するということですね。

はい。私たちが何のために制度を作っているかといえば、社員一人ひとりの能力が120%出せる環境を作るためです。つまり、現場のパフォーマンスを最大化するために制度や仕組みで支援することがESグループの仕事。社員が持っている力を発揮するためには、彼らの真っすぐ伸びる力を阻んでいる障壁が何なのか、つまり困っていることが何なのかを知る必要があるんです。

障壁とは、具体的にどんなことでしょうか。

例えば、通勤のラッシュなどが苦痛で毎日が「痛勤」になっている人に対しては、その環境が改善されれば仕事の効率も上がるのではと考え、「H2O」という社内制度が始まりました。この制度を利用すると、会社の最寄り駅(表参道駅、もしくは渋谷駅)から2駅以内に住む社員には住宅費用の一部が補助され、通勤時間を短縮することができます。
そのほかにも睡眠がうまく取れないという声を受けて、質の高い睡眠法を学ぶセミナーを企画しました。また、開発やデザインなどにおける環境の改善と効率を高めるために、書籍やツールなどの購入費用を補助する「Geek Seek」という社内制度もあります。
上司からのどんなフィードバックがあればモチベーションが上がるのか、どんなフレームならば納得感のある評価を受けられるのかなどを考え、人間関係、仕事内容、評価面、あらゆることにアテンションを張り巡らせるのが、私たちの役割です。社員の障壁を社内制度や仕組みで取っ払って、より仕事がしやすくなる文化作り、環境作りを行っています。
私なりの言葉で言うならば、「社員のご機嫌度合いを上げる」。社員の機嫌と成果には相関性があることは、さまざまな文献でも示されています。ESグループは、事業の成長のために、日々社員にご機嫌に働いてもらうための仕組み作りを行っています。

「ご機嫌に働く」。分かりやすいですね。

社内制度については、メンバー同士でもどういう人に使ってもらいたいか、どんな使われた方をすると事業成長に効果があるのかを徹底的に話し合います。逆に言うと、社内制度が私たちの考えとはかけ離れた使われ方をしている場合には、廃止することも考えなくてはなりません。
例えば、社内で人気が高い制度の一つである「Know Me」は、日頃深く関わったことのない他部署のメンバーとの懇親会費用を補助するものです。部署間で業務情報を交換して、仕事に還元することがこの社内制度の目的ですが、万が一、仲の良い顔見知り同士で飲むことに使っている例が一定数を超えたら、それは狙いから外れているので、廃止もやむを得ないと判断すると思います。そんなことは、起こり得ないとは思いますが。
それよりも、今後は部内交流でも使えるように見直す必要があるかもしれません。所属するメンバーの人数が増えた部署では、部内でもあまり話したことのない仲間がいる可能性もありますからね。このように、既存の社内制度をいかに今の状況に合わせて調整していくかが重要と考えています。

コミュニケーションに関するものが多い
Sansanの社内制度

ほかにもたくさんの社内制度があると思いますが、Sansanの社内制度にはどんな特徴があるのでしょうか。

例えば、健康食の提供をテーマに、他部署との交流促進も狙って、月2回実施するケータリングランチ「Sansan食堂」、称賛や感謝の声を伝え、日頃の頑張りをたたえ合う「見つカッチ」、軽食とお酒を“つまみ”に、社内交流を活性化する「つまみーの」などからも分かるように、Sansanの社内制度はコミュニケーションに関するものが多いのが、大きな特徴です。
これには理由があって、コミュニケーションを活性化してお互いを知ることは、「このプロジェクトはあの人がやっているんだな」など、他者の仕事にも関心を持つことにつながります。実は、これがすごく大事で、Sansanはそれぞれの部門やセクションがそれぞれにお互いを支えています。どこか一つのチームが失速してしまうと、当然全体への影響も出てしまう。
連携プレイがいかにうまくできるかは、事業成長に密接に関わっていると考えています。そういった事業構造が背景にあるからこそ、コミュニケーションに関係した社内制度の充実が重要になるのです。
会社独自の社内制度は、他社に比べて多いと思います。それについて取材を受けることもよくありますが、たまに記者さんから「Sansanは、福利厚生がしっかりしていますよね」と言われることがあります。その度に「これらの社内制度は福利厚生ではなく、あくまで事業成長を加速させるための人事施策です」とお伝えしています。
2018年8月に開催された、「Sansanファミリーデー」の1コマ。

マネジャーの良き伴走者になる。

ちなみに、現在、特に注力して取り組んでいることは何でしょうか。

マネジメントの強化です。

それは、なぜですか。

組織が拡大する中で、さまざまなバックグラウンドや価値観、強みを持ったメンバーが入社してきています。組織内の連携の強さを保ちつつ、成果を出し続けるには、共に働く仲間をよく知り、円滑に仕事を進める力が、現場では今まで以上に求められています。
これまでは、少人数で「あうんの呼吸」でできていたこと、あえて言語化しなくても回っていたことが、例えば社歴の浅いメンバーからすると不可解に映ることもある、と感じています。
そういったメンバーたちに今の環境を押し付けるのではなく、これまでの成功体験とは異なる新しい可能性や気付きを持ち込んでくれるメンバーたちの声を積極的に組織に取り込むことも、事業成長の後押しになると考えています。
そのような状況だからこそ、現場での影響力が大きいマネジャーの力量も問われてくると感じています。業績へのコミットも求められるし、メンバーのケアもより必要になってくる。マネジャーに求められることが増えていると感じています。

それが、社員数が増えている現在の課題なんですね。人事的な観点から見て、Sansanで活躍する人に何か特徴はありますか?

いくつかのキーワードが共通すると思います。その中でも特に重要だと感じるのは、「自己変容できる人」。自分はこうだ、と決め付けないでどんどん化けていく人たち。
実際、自分の弱みを客観的に捉えて、自分が信じていたことを一度フラットにして、考え方・やり方を変えることは、勇気がいるし怖いことだと思うんですよね。でも、これだけスピーディーに会社自体も変化していく中で、自身を柔軟に捉えて変えられる人は適応力がある人。そういう人は長く活躍していますし、ゆくゆくは事業ごと引っ張っていってくれるような大きな活躍をする人だと感じています。

最後に教えてください。ESグループ全体としては、これからどのように進んでいきたいですか。

これからも個々の能力を存分に発揮してもらうために、チームの生産性に大きくひも付くような施策を立てて、運営していきたいです。それに加えて、経営陣との関わりも増やしていきたいと思っています。彼らが今何を考えて、何をしたいと思っているのかを深く知り、現場との良い架け橋になっていけたらと考えています。
時には、経営陣に対して「現場はそう考えていませんよ」と提言し、逆に経営陣が現場へ違和感を持てば対策を提案するなど、経営と現場をつなぎ、全社の一体感を作れるようなチームになりたいと思います。
また、個人としては、人事としての解決能力をもっと高めていきたいですね。これまでは、私の強みである「問題を分かりやすく伝えること」を活かした仕事をしてきましたが、その次の段階に入ることが今後の課題です。
どんなソリューションが、Sansanにとってベストなのかを提案できるように学びを深めていきたい。とてもチャレンジングですが、そこに取り組むことで自分でもまだ見えていない自分自身の成長像があるのではと、今は熱く燃えています(笑)!

インタビュー後記

「事業成長のために社員にはご機嫌に働いてほしい」とにこやかに語る我妻からは、社員に対する愛情と人事制度に対する熱い思いがひしひしと伝わってきました。 Sansanの人事制度については、mimiでもそれぞれ紹介しています! ぜひご覧ください。

interview: 人事部 素花玲香 text: 大庭典子 photo: 福山楡青