※2021年7月よりプロダクトユニット制を敷いており、組織名称が「Bill One事業部」から「Bill One Unit」となりました。(※2021年9月に記事を加筆・修正しました)
プロフィール
大西 勝也
執行役員/Bill One Unit GM
2011年にSansan株式会社へ入社。営業担当を経て、2012年からSansan事業のマーケティングを統括。2018年よりEight事業で企業向けサービスの立ち上げを行い、2020年12月からBill One事業を担当。Sansan事業のマーケティングでは、ウェブマーケティングをはじめ、インサイドセールスの立ち上げ、テレビCM、プライベートイベントなどのBtoBマーケティング施策を推進し、Sansan事業の拡大に寄与。Eight事業では、Eightに蓄積した人脈を企業内で共有する「Eight 企業向けプレミアム」、新たな採用ソリューション「Eight Career Design」を立ち上げる。前職では、中小規模の企業に向けたIT支援の営業、新規事業の立ち上げ、営業部門のマネジメントを経験。その後、世界一周の旅を経て、Sansan株式会社に入社した。
インボイス管理「Bill One」
Bill Oneは、Sansan株式会社が2020年5月から提供を開始したインボイス管理サービスです。郵送で届く紙の請求書やメール添付で送付されるPDFの請求書など、さまざまな方法・形式で送られる請求書をオンラインで受け取れます。受け取った請求書は正確にデータ化され、クラウド上での一元管理が可能になります。請求書の受け取りから保管まで、請求書に関する業務のデジタル化・効率化を実現します。https://bill-one.com/
Sansan、Eight、Bill Oneと
全ての事業を渡り歩いた
大西さんがSansan株式会社に入社した経緯を教えてください。入社前はバックパッカーとして世界中を旅していたそうですね
はい。Sansan株式会社は2社目なのですが、1社目を退職後、400日かけて世界一周をした後にSansan株式会社に入社しました。Sansan株式会社のどんなところに興味を持ったのでしょうか?
「世の中をより良くするような新たな価値を作りたい」という部分ですね。私も常々思っていたことだったので、共感しました。バックパッカーの経験も影響していますか?
あると思います。私が旅をしていた10年以上前は、SNSが出たてで、出会いの形や人とのつながり方が急速に進化した時期でした。僕も旅先で出会った人とFacebookでつながったりと、世界中を旅しながら、その進化を体験できたことは大きかったですね。もうひとつ、旅をしながら感じたのは、世界を動かしたり、暮らしに貢献したりするような日本発のサービスが少ないことです。だからこそ、当時のSansan株式会社が打ち出していた「世界を変える、新たな価値を生み出す」というスタンスにピンと来たのだと思います。
入社後は、どのような部門を経験して、現職に?
Bill One事業部は、Sansan株式会社にとって三つ目の事業部になります。私は、入社してから営業DXサービス「Sansan」の事業部、キャリアプロフィール「Eight」の事業部、そしてBill One事業部と、全ての事業部を渡り歩いているんです。この経験は、Sansan株式会社の中でも唯一なんじゃないかなと思います(笑)。そして、これまでの経験の中で共通していることは、いずれの事業部でも「立ち上げに関わった」いうことですね。最初に配属された部門は、どこになるのでしょうか。
Sansan事業部の営業部です。2011年に入社したのですが、当時はまだ社員数が50人くらいの規模で、営業担当者の人数も5、6人程度でした。そこで営業を1年間経験した後は、Sansan事業のマーケティングの立ち上げを担当し、そこから6年間はマーケティングを担当し続けました。ウェブ広告からSEO対策、オウンドメディアの運営などといったウェブマーケティング施策の展開をはじめ、MAやSFAを活用したインサイドセールス部隊の立ち上げや、テレビCMを中心としたマスマーケティングの展開など、Sansan株式会社のマーケティングが拡大していく時期にさまざまなことを担当しました。その後は、Eight事業部に移りました。Eight事業部では、Eightの中小企業向け名刺管理サービス「Eight 企業向けプレミアム」、採用ソリューション 「Eight Career Design」の立ち上げに携わりました。そして、約2年がたった頃、Bill One事業部に参画することが決まりました。
Bill One事業部を立ち上げる話が来たときは、Eight事業部である程度やり切った感があったのでしょうか?
いえ、まだまだEight事業部でやりたいことが、たくさんありました。だからこそ、異動の打診をされたときは、正直迷いました。ただ、同時に「新しい価値を作るチャンスだ」という思いもありました。私が、Bill Oneというサービスの展開に参画したのが2020年の12月。サービス自体の展開が始まってから7カ月後のことでした。Bill Oneの急成長を支える三位一体の体制
サービスの立ち上げから現在まで、Bill Oneの成長スピードは異例の速さだと言われています。Sansan、Eightと各サービスの立ち上がり時期を知る立場から見て、その辺りはどうですか?
SansanやEightと比較してどうかというのは、一概には言えませんが、サービスとしての立ち上がりのスピードや、サービスのローンチからテレビCMを使ったマーケティング施策を実行するまでのスピードなどについては、Sansan史上最速だと言えます。事業責任者としては、さらに事業をスケールさせることがミッションだと思いますが、まずはどのようなことに注力しましたか?
マーケティングに力を入れたら、事業をスケールできると考えました。私が異動した時は、Bill Oneを広く展開する原型ができ始めて、まさにこれからスケールしていくという状況だったので、「マーケティングが伸び代になるはずだ」と思いました。現在のBill One事業部は、どのような組織体制なのでしょうか?
Bill One事業部は、プロダクトのマーケティングにコミットするPMM(Product Marketing Manager)、プロダクトの進化にコミットするPdM(Product Manager)、そしてセールスが三位一体の体制を取っていることが特徴です。プロダクトや戦略の方向性を決め、内部・外部を巻き込んでプロダクトを進化させるPMM。新しい機能開発や改善を行い、プロダクトの開発を進めていくPdM。リードを獲得するためのマーケティングチームやプリセールスを含めた、セールス担当者たち。そして、SaaSのプロダクトとして欠かせないカスタマーサクセス。プロダクトのプランニングや開発、顧客や市場と接するフロントの部隊がコンパクトに機能しているのが、Bill One事業部の体制です。
今後は、どれくらいのスピードで事業部を拡大していくのでしょうか?
現在、Bill One事業部には数十名のメンバーが所属していますが、まだまだ足りていません。開発も営業も人員を拡大していきたいと考えています。フロントメンバーにも、
プロダクトを作っている実感がある
Bill One事業部で働くことのやりがいは、どんなところにあるのでしょうか。
先ほど「三位一体の体制がある」と言いましたが、これがやりがいにつながると思っています。プロダクトがマーケットフィットしているとは言え、ここにとどまらずサービスはどんどん進化させていきたいと思っています。そして、サービスを作るのは、PMMやPdMだけの仕事ではありません。「今、現場で何が起こっているのか」、ユーザー企業のニーズについて、最も重要な情報を握っているのは、実はフロントメンバーなんです。
Bill One事業部では、今後の新しい機能について議論する会議を週2回行っています。セールスとして「この機能があれば売れる」とか、CSとして「Bill Oneを定着させるには、この機能が必要だ」と発して、そこで必要だと判断されれば、その機能はスピード感を持って実現されます。「少し前にできなかったことがもうできるようになってる」「この間、こんな機能があったらうれしいと話したことが、もう実現されてる」など、ユーザーの方からも驚かれることが多いんですよ。もちろん開発の優先順位や本当にその機能が必要なのかという議論はしますが、それがBill Oneというプロダクトで作りたい世界観と一致しているのであれば、プロダクトに反映されていきます。
フロントメンバーであっても、プロダクトづくりに携わっている実感が持てるのは、Bill One事業部で働く面白さだと思いますし、それがメンバーのやりがいにつながると思います。
請求書のデジタル化が
一気に動いていく
これだけの追い風が吹いている今にあって、Bill One事業部で働くメリットは何だと思いますか?
現在の状況は、Bill One事業部にとって千載一遇のチャンスだと思っています。なぜそこまで言い切れるのかを説明できる、いくつかのキーワードがあります。一つは、働き方が変わってデジタル化が急速に進んでいること。これまでなかなか進まなかったデジタル化が10年早まったと言われるほどに、新型コロナウイルス感染症の影響によって働き方や業務の在り方が変わってきています。そして、これから請求書の取り扱いに影響する法律が改正されることや、新しい制度が採用されることもキーワードとして挙げられます。2022年には、電子帳簿保存法が改正され、請求書を電子保存するための要件が大きく緩和されます。さらに、2023年にはインボイス制度が実施され、請求書のデジタル化に向けた動きが、行政と民間の連携によって推進されることが予想されます。
ところが、このような大きな流れがある現状において、実際の足元はどうなっているかというと、まだまだ追いついていないのが現状だと思います。
紙の文化が、まだまだ残っているということでしょうか?
はい。2021年1月に、Sansan株式会社では業務上で請求書を取り扱う1000人のオフィスワーカーに対して調査を実施しました。「受け取っている請求書のほぼ全てが紙の請求書」と答えた人が全体の60.6%、「受け取っている請求書の半数以上が紙である」と答えた人は全体の90.2%にも上りました。請求書の分野は、なぜこんなにもデジタル化が進まないのでしょうか?
「送られたものを受け取る」という請求書の特性が関係しています。請求書を発行する企業側から、紙の請求書の送付がなくならない限り、受領側の企業がデジタル化を進めたくても、なかなか進められない。それが、請求書の課題です。「今までこれでやってきたのだから」と送付側から、デジタル化を断られる例が多かったのだと思います。しかし、Bill Oneは、どのような形式・様式で届く請求書にも対応しています。請求書を発行する企業は、これまで通りの形式で請求書を発行できますし、送り方を変える必要もありません。郵送で届く紙の請求書であれば、Bill One側で代理受領して、面倒なスキャンも代行します。メール添付やアップロードで送られてくる電子ファイルの請求書をBill Oneで受け取ることもできます。
あらゆる請求書をオンラインで受け取れるようにした上で、正確に請求書をデータ化して、クラウド上で一元管理できるようにする。こんなことができるのは、Sansan株式会社だけだと思っています。
なぜですか?
Sansan株式会社には、非定型の名刺を正確にデータ化してきたテクノロジーとオペレーションがあります。請求書という書類は、その特性から高速かつ正確に処理することが求められます。また、取引の内容や金額が書かれているため、高いセキュリティー要件を満たすことも求められます。そういったニーズを満たす技術力やノウハウを持っており、なおかつ、企業としての持続性・信頼性があることも、当社の強みだと思っています。Bill Oneの導入で 業務フロー自体を変えていく
Bill Oneが、請求書を受け取る側が導入できるサービスであるという点も大きなポイントですね。
請求書に関するサービスと聞くと、発行側が導入するものをイメージしてしまう方が多いと思いますが、Bill Oneは請求書を受け取る側が導入できるサービスです。そして、請求書と聞くと、経理部門だけが関わるものと思ってしまいがちですが、それは違います。経理部門以外のさまざまな部門の担当者が請求書を受け取り、支払いの申請をして、支払いの承認をしています。その後に、経理部門が仕訳などの経理業務を行い、請求書を保管します。「請求書を処理する」といっても、企業内では1枚の請求書を処理するためにさまざまな工程を踏まなくてはなりません。紙の書類を受け取るためだけ、書類にはんこを押すためだけに出社しなければならないことに疑問の声も挙がっています。会社に届く全ての請求書をオンラインで受け取れて、クラウド上で一元管理できることは、企業のリモートワーク実現の後押しにもなりますし、業務改善にもつながり、これまでの業務フロー自体を変えることにもつながります。
Bill Oneの今後
どんな人がBill One事業部に向いていますか? Bill One事業部で活躍するメンバーに共通点はありますか?
思いが強いところが、メンバーの共通点です。また、スピード感と主体性を持っていることが大事だと考えています。どうやったらBill Oneというサービスを利用することが当たり前になるのか、メンバー全員で考えながら動いています。最近では、新しくBill One事業部に加わった人がキャッチアップするためのフレームが必要だと感じ、メンバーが自主的にフレーム作りにも取り組んでくれています。
Bill One事業部の今後について教えてください。
「請求書は、Bill Oneでいいですか?」というコミュニケーションがビジネス上で当たり前になされている世界を作ることが、当面の目標です。その先に、もう一つ考えていることがあります。請求書が示す請求額を企業と企業のつながりの強さを表す指標と考えると、「出会いからイノベーションを生み出す」というSansan株式会社のミッション達成に向けた、新しい価値提供ができるのではないかと考えています。
最後に、Sansan株式会社を転職先として考えている方へメッセージをお願いします。
現在、Bill Oneというサービスには、多くの企業様から関心を寄せていただいています。そういったサービスに関われる状況は、とてもやりがいのある環境だと思います。また、今後控えている新規プロジェクトも、メンバーにはどんどん任せていきたいと思っています。請求書を紙で受け取る文化は、鎌倉時代から続いていると言われています。請求書をデータ化して管理することは、法律の上でも、時代の流れ的にも難しかったのですが、それが今、一気に変わりそうな大きな流れが来ています。
私たちは、全方位で請求書市場を取っていこうと事業を前に進めています。そういった環境で一緒にチャレンジできる方に出会いたいと強く思っています。
インタビュー後記
Sansan史上最速で成長をしているBill Oneに関わることが、改めて千載一遇のチャンスだということが良く分かりました。デジタルトランスフォーメーションの波に乗り、既にプロダクトマーケットフィットを終えていること、これから予定されている法改正などの動きが追い風になることも魅力的だと感じました。また、セールスから開発まで事業部としての組織体制が整っている一方で、これから事業を急成長させるためのレールを自分たちで作っていける面白みがあるフェーズであることも分かりました。
このような新規サービスを展開していける環境に身を置けるチャンスは、なかなかないのではないでしょうか。
Sansan株式会社では、「請求書は、Bill Oneでいいですか?」という、これまでになかったコミュニケーションを世の中に一緒に作っていける方を積極的に採用しています。
興味を持たれた方は、ぜひ採用情報をご覧ください。
text&photo: mimi