モバイルアプリ開発の重要性は、年々増しています。スマートフォンやタブレットの普及により、ユーザーはいつでもどこでも手軽にアプリを利用できるようになりました。モバイル端末は今や私たちの生活や仕事に欠かせないものとなっています。だからこそ、企業はモバイルアプリの開発に力を入れ、ユーザーに快適で便利な体験を提供することが不可欠です。今回はモバイルアプリ開発のマネジメントを担う古川真次と中川泰夫にインタビュー。プロジェクトの事例や開発に携わる面白さなどを聞きました。
PROFILE
古川 真次Shinji Furukawa
Mobile Applicationグループ
2019年12月中途入社。営業DXサービス「Sansan」のAndroidアプリ開発メンバーからチームリーダー、名刺アプリ「Eight」のAndroidアプリ開発チームリーダーからAndroid/iOS全体のマネジャーを歴任。趣味は技術勉強会の運営。
中川 泰夫Yasuo Nakagawa
Mobile Applicationグループ グループマネジャー
2014年4月にSansan株式会社へ新卒入社。営業DXサービス「Sansan」のサーバーエンジニアとして4年間様々な機能開発に関わる。その後、ビジネスでのスマートフォン利用が広がる中で提供していたモバイルアプリの重要性が高まり、いつでもどこでも営業業務ができる体験を提供するためにiOSアプリエンジニアへ転向する。その後、コロナ禍に突入した際に非接触での名刺交換体験を成立させるデジタル名刺機能のiOSチームのプロジェクトリーダーなどを担当。2021年にモバイル技術を専門とする事業横断組織としてMobile Applicationグループを設立し、グループマネジャーとして全体のマネジメントを担当。
モバイルアプリ開発を支えるマネジャー2名
まずはお二人がSansanに入った経緯や入社後のキャリアなどをお聞きします。
古川:私はSansanが4社目なのですが、前職でもモバイルアプリ開発に携わっていました。ある技術イベントに参加した際に話したSansanの社員の方から、プロダクトや開発組織を大事にしている文化だということなどを聞き、その後の転職活動でSansanを選びました。
2019年12月にSansanへと入社して、最初はAndroidアプリエンジニアとして働き、営業DXサービス「Sansan」の開発に携わりました。2022年の初め頃からは名刺アプリ「Eight」に異動してAndroidアプリ開発のチームリーダーをしていましたが、今はこのサービスのAndroidアプリとiOSアプリ開発全体のマネジメントを担っています。2023年11月に2人目の子どもが生まれたことをきっかけに今年の4月まで育休を取り、5月から復帰しました。7月下旬からは再び育休に入ります(※)。
中川:私は2014年にSansanへと新卒入社して、今年で11年目になります。入社当初はモバイルアプリエンジニアではなくサーバーサイドエンジニアとして働いており、「Sansan」のWebアプリ開発に携わりました。その後、徐々にビジネスの場でスマートフォンを使う方が増えたことをきっかけに、プロダクトとしてよりモバイルアプリに注力する方針になりました。そのタイミングでiOSアプリエンジニアに転身したんです。
「Sansan」のiOSアプリ開発で携わった代表的なプロジェクトを挙げると、デジタル名刺機能のiOSチームのプロジェクトリーダーを務めました。現在は、Mobile Applicationグループのマネジャー(※)をしています。
(※)インタビューは6月に実施
「Sansan」「Eight」それぞれが取り組む挑戦
両プロダクトはモバイルアプリ開発においてどのような挑戦をしてきましたか?
古川:まず「Eight」の側から話すと、最近はBLE(Bluetooth Low Energy)の技術を用いてタッチ名刺交換という機能を開発しました。モバイルアプリは端末にカメラやBLEがあるからこそWebアプリでは難しい機能を実現できますが、それらを用いた開発は非常に技術的難易度が高いものなんです。
「Eight」はSansanが提供している各種プロダクトのなかで唯一、モバイルファーストの思想で作られています。だからこそ、「モバイルアプリで実現できることの限界」に挑戦していくスタンスがありますし、最新技術を用いるチャレンジングな仕事に携われます。
中川:「Sansan」はかつてはパソコンからWebアプリを利用するユーザーが多かったのですが、現在では3分の1がモバイルアプリのみのユーザー、3分の1がWebアプリのみのユーザー、もう3分の1がモバイルアプリとWebアプリを併用しています。そのためモバイルアプリの重要性は高くなっており、エンジニアやプロダクトマネジャーが力を合わせて「ユーザーにとってより良いモバイル体験とは何か」を、考え続けています。
技術的なチャレンジとしては、たとえばクロスプラットフォーム技術であるKotlin Multiplatformの導入に向き合っています。これにより、iOSアプリとAndroidアプリのUI以外のコードを共通化できるので、機能の実装コストを下げる効果や、両方のアプリの仕様差分を無くす効果などを期待していますね。
古川さんと中川さんが思う、Sansanにおけるモバイルアプリ開発の面白さはどのような点にありますか?
古川:モバイルアプリの開発というのは特殊な面もあります。Webアプリ開発は技術的には成熟してきているので、プロダクトマネジャーやUI/UXデザイナーが「この技術を用いてこういう機能を開発できるだろう」とある程度イメージがつくんですよ。しかしモバイルアプリ開発の領域は日進月歩で、どんどん新しい技術が生まれています。それらのトレンドをプロダクトマネジャーやUI/UXデザイナーが追うことは難しいです。
だからこそ、「モバイルアプリでどのような機能や体験を実現できるか」についての解像度はモバイルアプリエンジニアが一番高いです。モバイルアプリエンジニアが主体的に最新技術やアプリのアイデアについて他の職種の人たちに共有し、プロジェクトをリードできる楽しさがあります。
中川:古川さんと違った切り口で話すと、Sansanという会社が持つ文化そのものが魅力的だと思っています。Sansanには「変化を恐れず、挑戦していく」というバリューズがありますが、その言葉が示す通りどんどん変化・成長している会社だと感じます。だから、10年以上働き続けても飽きることがありませんでした。
モバイルアプリ開発
「だけではない」キャリアを歩める
Sansanで働くことでキャリアにはどのようなプラスがあるでしょうか?
中川:キャリアパスの多様性は大きな魅力だと感じています。冒頭の自己紹介でもお伝えしましたが、私もサーバーサイドエンジニアを経てからiOSアプリエンジニアに転向しています。それに、リードエンジニアも経験しましたし、プロダクトマネジャーに挑戦したこともありました。そして、現在はマネジャーを担っています。このように挑戦しやすい環境が社内にはあり、自分次第でやりたいことを実現できる場だと思います。
古川:キャリアパスの多さは中川さんの言う通りですね。余談ですが、モバイルアプリ開発を学べば学ぶほど、モバイルアプリの「外」に手を出したくなるんですよ。たとえば、「APIを修正したいからサーバーサイドにも触ろうかな」とか「情報源であるデータベースのこともより深く知りたい」といった流れで、興味・関心を持つ領域が広がることが多いんですね。Sansanではエンジニアが技術的に越境するチャレンジを称賛していて、さまざまなことに取り組みやすい環境です。
それに、スキルレベルの高いエンジニアたちは、担当外のプロダクトの設計レビューに参加することもあります。意欲とスキルがあれば、自分自身の担当する領域を広げていけるのは、Sansanの環境の良さだと思います。
その環境では、どのようなマインドを持つエンジニアが活躍できるでしょうか?
中川:さまざまなことを他責にせず、自分自身で課題と向き合える人であってほしいですね。失敗を恐れて難易度の低い仕事ばかりしたり、リスクを回避する行動ばかりとったりしては、自分のできることは広がりません。先ほど言ったように会社や組織、プロダクトは日々変化しているので、その環境のなかで積極的に挑戦できる人に来てもらいたいですね。
それから、モバイルアプリの技術が好きでいてほしいですし、自分が作るものにこだわりを持ってほしいです。その気持ちが、プロダクトの利便性や体験の良さ、アプリを構成するソースコードの質などに表れるものだと思います。
古川:Sansanのエンジニアは、事業に貢献することやプロダクトを成長させることに喜びを感じる人が多くて、モバイルアプリの領域においてもそれは同様です。「自分の好きな技術に触れられればそれでいい」とか「事業のことはエンジニアが考えなくてもいい」ではなく「事業やプロダクトを伸ばしていくこと」と徹底的に向き合える人であってほしいです。