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ToC・ToB・新機能・エンハンス・イベント。ものづくりのすべてが詰まった「Eight」開発チームのリアル

2012年に個人向けの名刺管理アプリとして誕生した「Eight」は、いまや「ビジネスパーソンのキャリアと人脈を可視化するアプリ」へと進化を遂げています。そんな「Eight」の開発組織には、「Featureチーム」「Enhancementチーム」「Events & Solutions Developmentチーム」という、異なる強みを持つ複数のチームが存在します。本記事では、それぞれのチームに共通の問いを投げかけ、働き方の特徴や仕事の面白さなどを掘り下げました。

 


新機能開発でEightの正解を
探し続ける「Featureチーム」

写真左:菅間 伶史、写真右:倉田 悠平

チームの役割を教えてください。

倉田:私たちは「Eight」の新機能開発を中心に担当しています。例えば、法人向けの「Eight Team」や、転職潜在層にアプローチできる「Eight Career Design」、「Eight」の名刺撮影機能などです。ToB・ToCの両方、そしてWebアプリやモバイルアプリとの連携を行うAPIの開発などを担っています。

チームで取り組んでいるチャレンジは何ですか?

菅間:私たちが扱っている「名刺」のドメインは、一見シンプルそうですが、さまざまな状態やライフサイクルがあり、複雑性があります。例えばEightユーザーが登録した名刺が、Eightユーザーなのか、非Eightユーザーなのかで、サービス内でのつながりや名寄せのロジックは変わり、状態を意識した設計・実装が必要です。

また個人情報を扱うのでセキュリティの考慮はもちろん、多くのユーザーデータを扱うのでパフォーマンスを意識した実装や可用性の担保が求められます。このような前提条件がある中で価値のある機能を開発するのが技術的なチャレンジだと考えています。

倉田:最近、私たちのチームでは、エンジニアが一次情報を自ら取りに行き、プロダクトマネジャーと二人三脚で仕様を作り上げていく体制を構築しました。ユーザーが求める体験を可能な限り実現するために、日々チャレンジを続けています。

そのチャレンジの面白さ、難しさは何ですか?

菅間:「Eight」は13年以上の歴史があるサービスであり、組織内で役割は適切に細分化されています。そのため関係部署が多岐にわたる中で開発を進める必要があり、単にシステムを作るだけでなく、関係者を巻き込みながらより良いものを生み出すことが求められます。そこが難しさであり、同時に面白さでもあります。

倉田:さまざまな関係者が異なる思いを持つ中で、全体として筋の通った仕様に落とし込んでいくプロセスは難しいですが、そのぶん楽しさも感じています。

このチームで開発に携わることで、どんなスキルや考え方を習得できますか?

倉田:「Eight」のエンジニアには、「この選択肢は本当に正解なのか?」と常に本質を問い直す姿勢が根付いています。例えば、スクラムイベントのリファインメントでは、「こうした方が体験として良くなるのでは?」といった議論が頻繁に行われます。そうした場を通じて、ユーザー体験全体を見渡す思考が磨かれる環境です。

菅間:「Eight」は、オンライン上でデジタル名刺をビジネスIDとして利用するデジタル名刺ログインや、デジタル名刺による受付・名刺交換で 「紙の名刺がいらない展示会」の実現など、名刺という軸から派生して新たな価値を次々と生み出しています。そうした開発を通じて、「名刺のあり方」そのものを再定義し、市場に新しい価値を創出していく考え方が身につきます。

仕事のやりがい、モチベーションについて教えてください。

倉田:「Eight」では、エンジニアが自主的にやりたいことを提案でき、それを任せてもらえる環境があります。また、Featureチームではスクラムのスプリントを毎週回しており、短いサイクルで振り返りと改善を重ねられることもモチベーションにつながります。

菅間:私は「ビジネスインフラとなるようなサービスに関わりたい」という思いでSansanに転職してきました。社会に必要とされるサービスに携われている実感がありますし、実際にEight事業が成長していることも、大きなやりがいです。

今後の展望や、仲間に加わってほしい方へ向けて、メッセージをお願いします。

菅間:今後さらに10年先のプロダクト成長を見据えて、設計・アーキテクチャの改善や生成AIの活用など、さまざまな挑戦をしていきたいと考えています。腰を据えてプロダクトと向き合いたい方は、ぜひ一緒に働きましょう。

倉田:「中長期的な視点で一つのプロダクトに腰を据えて取り組みたい」という方には、とても向いている環境です。その実現を支える土壌が「Eight」にはあります。

技術と裁量を武器に課題解決に挑む
「Enhancementチーム」

写真左:鳥山 らいか、写真中:平石 健太郎、写真右: 常盤 泰知

チームの役割を教えてください。

平石:私たちはEight事業のプロダクト開発を、エンジニアリング面からリードすることをミッションとしています。各開発チームのサポートや技術的負債の解消、AI活用の推進などを担当しています。このチームは取材時点で発足から2カ月ほどと、まだ新しく、現在は方向性や中長期的に取り組む技術課題について、メンバー間で議論を重ねているところです。

チームで取り組んでいるチャレンジは何ですか?

常盤:大きく二つあります。一つ目はモバイルアプリの大規模なリファクタリングです。これに伴い、サーバーサイドのAPIも刷新を進めています。モバイルアプリは10年以上運用されており、古い設計がボトルネックとなって開発スピードが低下している課題がありました。現在はモバイルアプリチームと密に連携しながら、より開発しやすい設計への移行を進めています。「Eight」の根幹部分に手を入れるプロジェクトなので、影響範囲も広く、技術的な難易度も高いです。

二つ目はAIツールの導入です。DevinやCursorのようなツールを「Eight」に導入し、組織全体の開発速度を向上させる取り組みを進めています。私たちは複数のチームを横断して、ツールの導入支援やAIを活用した開発フローの構築をリードしています。

そのチャレンジの面白さ、難しさは何ですか?

平石:モバイルアプリのリファクタリングは、10年以上稼働しているアプリだけに、影響範囲が非常に大きくなります。どの機能がどこで使われているかを丁寧に洗い出しながら、既存機能を壊さないよう慎重に進める必要があります。

鳥山:Enhancementチームは技術的課題の解決に当たって、他チームの開発フローや運用についても深く理解する必要があります。その上で「どう改善するか」「改善後にどう支援するか」といった設計を行うため、広い視野が求められます。

常盤:チーム外のメンバーたちと合意形成しながら進める力や、「Eight」という大規模サービスに対して責任を持ち、改善を実施していく姿勢が求められます。技術と組織の両方に深く関わる仕事であり、難しさと面白さが共存しています。

このチームで開発に携わることで、どんなスキルや考え方を習得できますか?

平石:「Eight」は13年以上運用されているサービスなので、表面化している課題の多くはすでに解決済みです。そのため、残っているのは潜在的な課題です。私たちはそれらを見つけ出し、解決に導くことが求められており、「潜在課題を特定する力」が自然と養われます。

鳥山:他チームの開発フローや技術的背景を深く理解し、改善につなげる力が習得できます。また、数年に一度あるかないかの大規模な技術刷新に関われるのは、非常に貴重な経験だと思います。

常盤:他部署と連携しながらプロジェクトを推進する力、大規模サービスの設計力、安定運用と改善のバランス感覚など、総合的な技術力と実行力が問われる環境です。

仕事のやりがい、モチベーションについて教えてください。

常盤:決められたレールの上を走るのではなく、自分たちで課題を見つけ、自由度高く動ける点にやりがいを感じています。

平石:新しい技術的チャレンジを最も積極的に行えるチームでもあるので、技術が好きな人にとって非常に刺激的な環境です。

鳥山:運用や仕組みの改善を通じて、自分たち自身も“快適な開発”ができるようになることは、大きな喜びです。

今後の展望や、仲間に加わってほしい方へ向けて、メッセージをお願いします。

平石:今後は、課題を見つけ出し、技術的にリードしてくれるような“新しい風”を吹かせてくれる方に来ていただけたらうれしいです。

鳥山:「Eight」は歴史あるプロダクトですが、モダナイズや技術的な改善には非常に積極的です。技術面から事業成長に貢献したい方には、マッチする環境だと思います。

常盤:事業に直結するシステム改善と、新しい技術の導入。その両立に挑戦し、エンジニアとして力を発揮したい方は、ぜひ一緒に働きましょう。

イベント体験を進化させ「Eight」の出会いを生む
「Events & Solutions Developmentチーム」

写真左:齊藤 実、写真右:篠原 孝幸

チームの役割を教えてください。

齊藤:「Eight」が提供しているビジネスマッチング系イベントの運営に必要なシステム開発を担っています。参加申し込みの仕組み、オンラインイベント用の配信ページ、スタッフ用の運営画面、登壇企業向けの専用ページ、リアルイベントでの1to1面談マッチングシステム、自動席決めシステムなど、多岐にわたる機能を開発しています。

チームで取り組んでいるチャレンジは何ですか?

齊藤:これまではイベントの安定運営に注力してきましたが、最近はデータ活用へのシフトが進んでいます。イベント参加者の行動ログや視聴データなどを蓄積・分析するための基盤として、データレイクの構築に取り組み始めています。

たとえば、行動ログをもとに「こうした特性のある方は商談成立率が高い」といった傾向が見えてくれば、それを基にレコメンド機能を実装することができます。オンラインイベントの動画視聴データから参加者の関心領域を抽出し、より精度の高いマッチングに生かすことも可能です。

篠原:データを活用することで、ユーザー同士、あるいはユーザーと企業のマッチングの質をさらに高め、イベント体験全体の価値を向上させていけると考えています。

そのチャレンジの面白さ、難しさは何ですか?

齊藤:一番の課題は、データ構造のばらつきです。各チームが収集している項目やデータ形式が異なるため、それらを統合・構造化するには工夫が必要です。また、データをただ蓄積するだけでなく、事業に結びつける設計を求められます。

篠原:「どこに課題があるのか」を探りながらプロジェクトを進める必要があるため、技術力だけでなく、関係者と議論しながら進める力も問われます。

このチームで開発に携わることで、どんなスキルや考え方を習得できますか?

篠原:人数が少ないチームということもあり、プロダクトマネジャーとの距離がとても近いです。「ユーザーにどう価値を届けるか」という視点でプロジェクトに関わる機会が多くあります。また、要件が抽象的な状態で下りてくることも多いため、それを実現可能な仕様に落とし込む力も鍛えられます。

齊藤:イベントには必ず開催日という「締切」があるため、決められたスケジュールと限られたリソースの中で、最適なアウトプットを出す力は確実に身につくと思います。

仕事のやりがい、モチベーションについて教えてください。

齊藤:自分たちが作った仕組みが、実際のイベント会場で使われるという実感は大きいです。現地で使われている様子を目にしたり、営業メンバーやユーザーから「この機能はすごく良かった」といったフィードバックを直接受け取ったりすることが、やりがいにつながっています。

篠原:イベント会場に足を運ぶこともあるため、自分が作ったものがどう活用されているかを現場で体感できます。「まだアナログな部分が多いリアルイベントに、テクノロジーでどう付加価値を加えるか」を考えること自体も、とても面白いです。

今後の展望や、仲間に加わってほしい方へ向けて、メッセージをお願いします。

齊藤:イベントや展示会の体験そのものをアップデートすることが、私たちのミッションです。単に業務を効率化するだけでなく、その後の商談や関係構築までを見据え、より良い体験を設計・実現していく必要があります。まだ正解が見えていないからこそ、エンジニアが主体的に動きながら形を作っていけるフェーズです。

篠原:小規模なチームなので、メンバー同士で密に連携しながら、本質的な価値と向き合える環境があります。「何をどう作るか」を自ら考え、主体的に動ける人にとっては、とても面白いチームだと思います。


Eightのこれからについて事業と開発の責任者が語ります

こちらの記事では創業メンバーでありEight事業部長の塩見賢治と、Eightのエンジニア組織を統括する間瀬哲也が語る、「Eight」のこれまでとこれから。プロダクトの進化と、それを支える開発組織の再構築について深く掘り下げたインタビューも、ぜひあわせてご覧ください。

 

 

text&photo: mimi