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SIer出身者が活躍する理由とは。Sansanを牽引するプロダクト開発に挑み続ける

営業DXサービス「Sansan」の開発部門では、多種多様なキャリアやバックグラウンドのメンバーが活躍しています。各メンバーが持つ異なる知見や強みを活かしながらサービスの進化や顧客の事業成長に貢献しているのです。そうしたなかで、SIer出身者が活躍していることもSansan Engineering Unitの特徴です。今回は部長の笹川裕人とSIerで働いた経験を持つProduct Enhancementグループの藤田正訓、早川弘通に話を聞きました。

 

PROFILE

藤田 正訓Masanori Fujita
技術本部 Sansan Engineering Unit Product Enhancement グループ

パッケージソフトウェア開発企業、ユーザー企業、SIer、SaaS企業を経て2024年3月にSansan株式会社に入社。現在はSansanの開発チームにおいて、特定の担当領域を持たず各所の開発案件を遂行している。

早川 弘通Hiromitchi Hayakawa
技術本部 Sansan Engineering Unit Product Enhancement グループ

医療系ソフトウェア開発をメインにオープン系アプリケーション開発に従事した後、2023年1月にSansan株式会社に入社。現在は営業DXサービス「Sansan」の開発を担当し、企業データベース関連の開発を中心に活動中。

笹川 裕人Hiroto Sasakawa
技術本部 Sansan Engineering Unit部長

大学院でコンピュータサイエンスの博士号を取得後、リクルートに入社し、データ基盤の構築やクラウドへのマイグレーションを担当。その後、エムスリー株式会社にてAIチームの立ち上げに参加し、インフラやデータ基盤の開発を推進。2022年にSansanに入社し、Sansanの開発及び、全社設計レビューや採用にも携わり、技術と組織の両面で貢献している。


スピード感のある環境で、
世の中の役に立つプロダクトを作る

藤田さんと早川さんの過去のキャリアやSansanに入社した経緯について教えてください。

早川:私はWeb系の開発会社で働いた後、前職では医療系のSIerに勤めていました。医療は社会にとって必要な不可欠なものであり、自分の子どもに自身の仕事についてと誇りを持って伝えられることも魅力でした。

前職には10年ほどいたのですが、最新技術を扱える機会がなかったことに加え、マネジメント業務が8割を占めていたため、エンジニアリングの新しい知識が習得できていない感覚がありました。そこで、エンジニアとしての成長を目指して転職を決めました。

転職先を選ぶ基準としては、社会に広く普及しており、なくてはならないサービスを提供していること、そして事業成長のスピードが速く、ユーザーのニーズに応じたサービスや機能を開発していることでした。Sansanはこれらの条件をすべて満たしていたため、入社を決めました。

藤田:私は過去に友人と小さなIT企業を創業し、始めはSaaSの立ち上げを目指していましたが、サービスが頓挫してSIerに事業転換しました。ゲームや病院向けのシステム、eコマースなど幅広い分野でシステム開発を受託していました。

しかし、特定のサービスに深く携わりたいという気持ちが強かったので、長期間サービス提供をしているSaaS企業に転職しました。そこで開発やユーザーニーズの把握、サービスの方針策定などを少人数チームで担うPoCを経験し、より専門性の高い仕事がしたいと思い、Sansanに転職することを決めました。Sansanにはサービスの仕様や方向性の検討・方針策定を専門にしているプロダクト室と呼ばれる部署があります。各メンバーが専門性を活かして、事業やサービスに貢献している体制があるため、まさに私の理想の環境でした。

前職での経験を活かしつつ、
Sansanで新たな挑戦ができる

Sansanで携わっている開発内容について教えてください。

早川:営業DXサービス「Sansan」のWebアプリやAPIの開発に携わっています。過去にはバーチャル背景機能の改善や企業データベースのテックリードなどを務めました。 前職のSIerでの経験も、Sansanでは大いに活かせています。

例えば病院で使われるシステムでは、さまざまな測定機器と通信で連携をしています。測定結果のデータをシステムで取得して、それを画面に出すような構造になっていて、それが「Sansan」で使われているメッセージングサーバーと類似した設計でした。そのおかげで、「Sansan」の開発に携わってからもその仕組みをスッと理解できました。

また、入社後は最新技術に触れる機会が多かったため、エンジニアとして技術的なブランクを取り戻すことができました。さらに、開発体制の規模が大きいことから、プロジェクトを円滑に進めるためにコミュニケーションやマネジメント面でさまざまな工夫がなされており、その体制で働くこと自体が非常に勉強になっています。

藤田:私も早川さんと同じチームに所属しており、WebアプリやAPIの開発に携わっています。入社してからは複数の開発プロジェクトに携わり、現在はコンタクト機能の改善に取り組んでいます。

早川さんと同様、前職までの経験を活かせているように思います。まず、SaaS企業で働いた経験があることで、ユーザーの真のニーズを想像できるようになりました。エンジニアに伝わってくるユーザーの要望というのは、誰かによって要約されたり解釈が入っていたりするので、ユーザーが言ったことがそのままではありません。そのため、エンジニアは想像力を働かせて「この要望はつまりこういう意図だろう」と考える必要があるのですが、そのスキルはSaaS企業で培われました。

また、SIerで働いていたことで設計書を書くことが比較的得意です。Sansanでは直近の数年ほど、ドキュメントの作成・整備に特に力を入れているため、このスキルがとても役立っています。

Sansanで今後どのようなキャリアを積みたいですか?

早川:エンジニアリングに関してはまだまだ勉強中なので、貪欲に多岐に渡った挑戦をしたいです。それから、前職の経験を生かして組織全体の業務改善にも取り組みたいです。例えば、メンバーの生産性を向上する施策や、マネジメント経験を活かした提案、システム基盤の改善などに向き合いたいですね。

藤田:今後の目標としてはインフラにもっと触れて技術を学んでいきたいです。また、私が入社を決めた理由にも通じますが、Sansanにはユーザーやサービスに真摯に向き合っているメンバーが多くいます。彼らとともにさまざまなプロジェクトを経験し、世の中に価値を提供していけたらと思います。

規模が大きくて複雑なシステムだからこそ、
SIer出身者のスキルは貴重

お二人の話から、SIerでの経験が役立っていることがうかがえます。そこで笹川さんに聞きたいのですが、Sansan Engineering Unitでの開発において、どのような点がSIerで培ったキャリアを活かせる理由につながっているのでしょうか?

笹川:私たちの提供する「Sansan」は創業時から存在するため、かなり規模が大きくて複雑な機能を持ったサービスになっています。こうしたシステムに対して、破綻なく機能の追加・修正を行うには高度なスキルが求められます。SIerの場合、大規模プロジェクトに携わるケースや歴史の長いサービスを改修するケースも多いので、「Sansan」開発の適性があるのだと思います。

その特徴がよく表れているような事例はありますか?

笹川:例えばデータを集計して画面に出力する機能があるとして、集計条件を変えるためにクエリを1行直すと、本番環境で問題が発生するほどにパフォーマンスが悪化してしまうケースがあります。これはデータベースのテーブルスキャンの種類や順序が変わるために起こるのですが、規模の小さなシステムしか開発・運用した経験がないと、こうした場合に対処することができません。

これには、システムの影響箇所を特定するスキルやデータベースの設計・運用のスキル、負荷テストを行ってパフォーマンスを検証するスキルなど、大規模システム特有の知見が求められます。こうした事例が「Sansan」ではとても多いですね。

今回のインタビューで話されたように、Sansan Engineering Unitではキャリアやバックグラウンドが異なるメンバーたちが、個性や強みを発揮しつつサービスと向き合っているのですね。

笹川:そうですね。良いサービスを作る上では組織の中にさまざまなスキルや経験を持つメンバーがいる方が望ましいので、多様性が開発においてプラスになっています。エンジニア同士でもバックグラウンドの違う人と一緒に働くことがありますし、仕事ではエンジニア以外の職種のメンバーとも関わります。個々人が持っているコンテキストが、完璧にそろうということは絶対にありません。

だからこそ、なぜその方針を選んだのかを論理立てて説明することや、自分とは異なる考え方・立場・業務内容の相手に対してわかりやすく伝えることが求められます。その環境で働くことでSansan Engineering Unitのメンバーたちはロジカルシンキングやコミュニケーションスキルが磨かれていますし、その人のキャリアにおいてもプラスの影響があるのではないかと思います。

 


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text&photo: mimi