mimi

Sansanの
人・組織・カルチャーを
伝えるメディア

現場の習慣を変える契約データベースへ。Contract Oneで挑む、常識の変革

2022年1月にローンチした契約データベース「Contract One」。Sansan内でも組織の規模が小さく、これから急成長を目指す事業です。今回はその事業責任者と、プロダクトマネジャーを兼務する尾花にインタビューしました。競争の激しいリーガルテックの領域で、Contract Oneのプロダクトとしての強みは何なのか、目指す世界はどんなものなのか。そして一度は起業を経験した尾花が思う、Sansanで新規事業に挑戦する意味とは何かについて聞きました。

 

PROFILE

尾花 政篤Masashige Obana
Contract One Unit ゼネラルマネジャー

東京大学経済学部卒業。2013年4月より、株式会社ベイカレント・コンサルティングにて主に保険会社を対象としたマーケティングおよびIT戦略立案、IT投資管理などに従事。 2017年8月に株式会社hokanを創業し、代表取締役に就任。保険代理店向けの顧客・契約管理システムhokanを開発・提供。2023年3月末に退任し、同年6月にSansan株式会社に入社。契約データベース「Contract One」の事業責任者と、プロダクトマネジャーを兼任する。


何者かになりたいという想いから
自ら会社を立ち上げ、経営者に

これまでの経歴を教えてください。

新卒でベイカレント・コンサルティングに入社し、3年ほど勤務しました。その後起業をしたのは、同社で出会った方々の影響が大きかったですね。「何者かになりたい」という漠然とした思いを抱える中で、経営陣との関わりを通し、仕事の考え方や進め方などの多くの気づきや学びを得ました。自分もそういった、人生に深く影響を与える存在になりたいと感じたのです。

自分が手がける新しい事業は、勝てる見込みのあり、他の人がやらないユニークさを持ちながらも人の役に立てるものにしたいと考えました。その点、コンサルティングファーム時代から携わっていた保険業界は比較的規制が厳しくプレーヤーが少ないと感じていたので、そこにテクノロジーを掛け合わせた領域で勝負することにしました。こういった経緯で、株式会社hokanという会社を2017年に自ら創業し、インシュアテックの領域でSaaSを提供していました。

必死に立ち上げた会社ではありましたが、代表取締役を数年間務めた後、最終的には会社を抜ける決断をしました。いったんは「何者かになりたい」という気持ちが満たされていたので、その後は再度起業をする道は選ばず、Sansanへの入社を決めました。実は出資を受けていたこともあり、Sansanとは前職時代からつながりがあったのです。ミッション、ビジョンへのこだわりや考え方、そして急成長を遂げているインボイス管理サービス「Bill One」のような事業を生み出せるのはなぜだろうと思い、自分をレベルアップさせるためにも、次のキャリアにSansanが最もふさわしいと感じました。

入社して改めて感じたSansanの魅力はどんなところでしたか?

言葉へのこだわりですね。Sansanではミッション、ビジョン、バリュー、そして各プロダクトのタグラインにこだわりを持って向き合っています。シンプルで短い言葉ですが、それらは自分たちにしか成し得ないことを的確に表現しているんです。これは単に企業文化をよりよくするために行うという側面だけではなく、実用的な価値として必要なもので、すべての「核」になっていることを感じています。新たな市場を切り拓いてきたSansanだからこそ、他社や海外の状況から道を見いだすのではなく、自分たちの内側から作り上げられる「成し遂げたいこと」がある、それを言葉に表現できることが強みだと感じます。

また、周囲のメンバーを見ても仕事への情熱があふれています。まさにバリューズの「仕事に向き合い、情熱を注ぐ」を体現している人が多いんです。その文化が当たり前にある、すさまじい会社だなと感じます。

jp.corp-sansan.com

データ化を強みに
Sansanにしか作れないプロダクトへ

事業責任者であるゼネラルマネジャーと、プロダクトマネジャーを務める契約データベース「Contract One」について、その概要と強みを教えてください。

「Contract One」は契約締結後の契約を管理するサービスです。契約は「締結前」「締結作業」「締結後」の3つに大きく分けられますが、最近増えている電子契約サービスはその中間、つまり「締結作業」に特化しています。そんな中で「Contract One」は「締結後」に特化している点が一つの大きな特徴と言えます。

強みはアナログ情報を圧倒的な精度でデータ化できることにあります。ポイントは単なる電子化ではなく「データ化」であることです。ただ紙をPDF化するだけであれば誰でもできますが、そうではなく、契約書に欠かせない項目を正確かつ自動でデータ化することで、構造的に整理し、誰でも参照しやすい状態にできるのです。

サービスのリリース当初はデータ化の精度が高くありませんでしたが、そこに愚直に、地道に向き合い改善する体制があったからこそ今のプロダクトが実現できました。これには、当社が長年にわたり名刺や請求書のデータ化に向き合ってきたアセットが大いに生かされています。加えて、グループ会社である言語理解研究所が40年間積み重ねてきた技術も使われています。まさにSansanにしか成し得ないプロダクトに仕上がっています。

契約書をデータ化することで、ビジネスにどのようなメリットがあるのでしょうか?

ビジネススピードの加速や、企業のリスク対策になると考えています。契約を取り巻くシーンでは、営業などのビジネス側が契約のことを理解していないために行き違いが起こったり、どこにボールがあるのかわからなくなったりする現象が起こりがちです。その根本を変えるためには、法務以外の人も日常的に契約を確認できる環境を作ることが必要です。世の中にたくさんあるリーガルテックのほとんどは法務部門のためにあるものですが、私たちはあらゆるビジネスパーソンを対象としています。一人ひとりの契約に関するリテラシーが上がれば、それをビジネスに生かせる場面も増えていくでしょう。

解約率が低い状態を維持できているので、いざ導入して使い始めてもらえば「役に立つな」と感じてもらえることには確信を持っています。

今までのビジネスにはなかった習慣を
新たに作り出す

Contract Oneの事業フェーズを踏まえて、今後挑戦していきたいことを教えてください。

大きく二つあります。一つは契約書に関する習慣を変えていくこと、もう一つは当社における新規事業の成功の型を確立することです。

2022年1月にローンチしたContract Oneは、約2年半をかけてPMF(※)を達成したと言える状態になりました。これから目指すのは、「現場の習慣を変える契約データベース」になることです。契約書が書庫に保管されたままになっている状態や、電子契約と紙が混在している状態をなくし、社内の誰もがいつでも契約書を確認できる環境を整えていきます。営業DXサービス「Sansan」がデータによる名刺管理を普及させてきたように、一人ひとりが契約書を確認することが当たり前の状態、つまりは新しい習慣を作るのです。常識を変えていくのは簡単なことではありません。しかし、日本全国で契約をしない会社はありません。やりがいも非常に大きいはずです。そこにチャレンジできることにとてもワクワクしています。

※Product Market Fitの略。製品が顧客に受け入れられ、市場に適合している状態。

そして当社は、時代の流れとともに今後も新たな事業へ挑んでいくでしょう。2020年5月にローンチしたインボイス管理サービス「Bill One」は急成長を遂げ、会社を支える事業の一つになりつつありますが、その成長の裏側には、電子帳簿保存法などの税制改正やインボイス制度の導入など市場の追い風があったことも事実です。Contract One事業では、まっさらな状態から事業を立ち上げ成長させていく、再現性のある型を確立させていきたいと考えています。

どちらのチャレンジも、これから挑んでいく重要なフェーズです。

事業に集中できるからこそ
得られる学びがある

起業したり、スタートアップ企業で働いたりするのではなく、当社でContract Oneのような新規事業に挑戦する意味はどういった点にありますか?

純粋に事業成長に集中できる点です。Sansanは会社としての土台が整っています。それは経営を支える主軸となるサービスがあることに加えて、先ほど伝えたような揺るぎないカルチャーが存在していることも含みます。その土台があるからこそ、事業成長を目指して勝つ勝負を仕掛けることができるのです。こういった環境で、仕事に対する情熱を持った仲間と、ともするとスタートアップ企業以上のスピード感を持って事業成長に向き合える環境は貴重ですし、学べることも非常に多いと感じます。事業が成長すればマネジメントポジションも増えていきますから、現在所属しているメンバーと、そしてまさに今から入社してくださる方が、組織の中核を担うことになるでしょうね。

最後に、尾花さんが一緒に働きたいのはどんな人でしょうか。

素直に学習できる人ですね。繰り返しになりますが、Contract Oneを含めて当社は今までにない価値を生み出し提供しています。そのため勝手に売れることはありませんし、お客さまがそこに明確に課題を感じているかというと、そうではない場合の方が多いです。だからこそ私たちがリードし、訴求していくことが大切になります。そういった意味で、新しいチャレンジが多い環境ですし、そもそも契約管理の領域の経験がある人は少ないと思うので、素直な気持ちで学び、自分を高められる人であってほしいです。そういう意欲のある人には向いている仕事だと感じます。

Contract Oneの組織は現状、営業メンバーやプロダクトの開発メンバーを含めて50人ほどの規模で、全体がすぐに見渡せる状態です。経営陣とも非常に距離が近く、自分がやりたいと思ったことを反映させやすい組織です。ぜひ「事業をスケールさせるんだ」という強い意志を持っている方にジョインしていただきたいですね。


Contract Oneメンバーのnoteを公開しています

note.com

 

text&photo: mimi