2023年、Sansanは海外市場に向けたプロダクト開発の強化を図るべく、フィリピン・セブ島にSansan Global Development Center, Inc.(以下、SGDC)を設立しました。そこから1年以上が経過し、SGDCは50名を超える規模にまで拡大しています。SGDCでは主にインボイス管理サービス「Bill One」の開発を行っており、最近では他にアナログデータのデジタル化を担うDigitization部のシステムなども一部開発しています。
SGDCの第1号社員であり現在はエンジニアリングマネジャーを担うエドワード・ガランと、Bill One事業のエンジニアリングマネジャーを経てSGDCのエンジニアリングマネジャーを担う木村祐也に、本拠点でマネジメントに携わる面白さについて聞きました。
PROFILE
エドワード・ガランEdward Galan
Sansan Global Development Center, Inc.
2022年7月にSansanに入社し、フィリピンはセブ島にあるSansan Global Development Center, Inc.に携わる。エンジニアリングマネジャーとして、採用、開発環境構築、エンジニアメンバーの育成に注力している。
木村 祐也Yuya Kimura
技術本部 Bill One Engineering Unit グループマネジャー
ハードウェアからソフトウェアまで様々な業界での経験を経て、2021年にSansan株式会社に入社。Sansan株式会社では、Bill Oneのエンジニアとしてキャリアをスタートし、現在はBill One Engineering Unit及びSansan Global Development Center, Inc.のエンジニアリングマネジャーとして、Bill One開発と向き合っている。
組織拡大に伴い
マネジャーはより重要な存在に
SGDCは設立から現在までに社員数がかなり増えました。この1年あまりで、組織としての状況はどのように変化しましたか?
エドワード:SGDCが発足してから、採用にはかなり力を入れてきました。最初は数名の社員からスタートしてオフィスも小さかったですが、現在は50名を超えオフィスも移転しています。それに伴い、エンジニアリングマネジャーの重要性は増しています。
マネジャーの役割は多岐にわたりますが、特に大切なのは「メンバーがより良いキャリアを送るための手助けをする」ということです。メンバーのモチベーションを上げたり、エンゲージメントを高めたりすることによって、みんなのパフォーマンスを向上させるような環境作りをしています。かつては私が1人でエンジニアリングマネジャーを務めていましたが、組織の拡大に伴いより多くのマネジャーが必要になってきました。
そうした経緯もあり、木村さんがエンジニアリングマネジャーとしてSGDCに参画されたのですね。
木村:SGDCのメンバーが増えていくのは喜ばしい一方で、組織の体制作りの基盤が追いついていないという課題を感じていました。私は約2年半前にSansanに入社し、日本で「Bill One」の開発チームに参画したのですが、当時はそのチームの人数が約15名でした。それが現在では70名ほどになり、状況が似ていると感じたのです。
自分は「Bill One」のエンジニアリングマネジャーとして組織の基盤作りと向き合い続けてきたので、その知見がSGDCでも活かせると思いました。それに、SGDCは日本とは物理的な距離が離れているものの、一緒に「Bill One」を作っている仲間です。SGDCがより良い組織になることは、Sansan全体にとって非常に意義のあることだと思っています。
急成長する組織のマネジメントに
携われる機会はそうそうない
これから参画するエンジニアリングマネジャーにはどのような業務を担ってもらいたいですか?
エドワード:エンジニアリングマネジャーは採用のマネジャーでもあるので、より良い人材を獲得していくために、候補者の惹きつけや母集団形成などに貢献してもらいたいです。また、先ほどの話にも通じますが、入社してくれた人のキャリアの支援もします。
そうした活動を通して、ハイパフォーマンスなチームを作っていきたいです。ただ、もちろんすぐに良いチームが作れるわけではないので、マネジャーはメンバーが健康で幸せに働き、会社に留まってもらえるような環境作りもしていきます。
技術面はもとより、ソフトスキルも高い方がマネジャーとして入ってくることを期待しています。たとえば、具体的なソフトスキルとして傾聴力や共感力などが重要だと思っており、相手の立場になっていろいろなことを一緒に考えられるようなマネジャーであってほしいです。社内で定期的にワークショップを開催しており、そうしたソフトスキルを向上させるための育成の仕組みも用意しています。
フィリピンの他の会社ではなく、SGDCでエンジニアリングマネジャーとして働くことで得られる固有の経験はありますか?
エドワード:他社と最も違う点は、常に挑戦し続けられる環境です。たとえばフィリピンの一般的なIT企業の場合、入社してから数年くらいは最初に入ったポジションで下積みをして、その次により上のポジションを担当するような流れになります。ですが、SGDCでは6カ月程度で新しいポジションを任されることもあるくらい、優秀な人にはチャンスを与えます。もちろん挑戦には責任が伴いますが、その活動を通じて成長していけるはずです。
私自身、最初は少数のエンジニアのみをマネジメントしていましたが、組織の成長に伴いマネジメント対象の人数も増えていきました。その過程で自分のスキルが向上しましたし、今後新しくエンジニアリングマネジャーが入れば、メンバーだけではなくマネジャーのマネジメントもすることになるので、さらなる成長ができると思います。
木村:他社との違いは大きく2つあると思っています。1つ目は、急成長する組織をマネジメントする機会はそうそうないということです。0→1で拠点を立ち上げて、かつ今後一気に拡大していくことが見えている状態。やるべきことは無数にあります。そうした環境のなかでチャレンジできるというのは大きなチャンスです。
2つ目はSGDCのなかで日本の文化に触れられることです。私はこれまで数回SGDCでエンジニアリングマネジャー候補者の採用面接をしましたが、「なぜSGDCに応募したんですか?」と質問したところ、「日本の企業だから」という回答が非常に印象的でした。フィリピンにも日本に関心を持ってくださっている方がいて、そうした方々にとってはSGDCで働きつつ日本とも交流できるのは魅力的なのだと思います。
SGDCの成長をさらに加速させていく
SGDCの将来性をどのように捉えていますか?
木村:十分なポテンシャルを持ったメンバーが揃っています。一方で、そのポテンシャルを最大限発揮できているかというと、そうではないのが現状です。また、現在は主に「Bill One」を中心に開発しており、グローバルでPMFを目指していますが、まだまだプロダクトとしても手探りの状態です。
ですが、何かのきっかけをつかめれば一気にPMFへとたどり着けるはずです。それから、「Bill One」の開発組織の規模としても、近いうちにSGDCの人数が日本を超えると思います。マネジメント体制も整えば、SGDCが大きなビジネス成果を出せるようになっていくはずです。
将来的には、SGDCは「『Bill One』を作る組織」ではなく日本の技術本部と両輪で「Sansan全体のプロダクトを作る組織」になっていきたいです。SGDCには学習意欲が高くポテンシャルを持ったメンバーが多いので、日本とSGDCとでお互いに切磋琢磨できる関係性になれたら良いですね。
エドワード:木村さんの話された通りで、SGDCにはすごくポテンシャルの高いメンバーが揃っています。彼らと並走しながら、組織としての成果の最大化と一緒に向き合っていくのが、エンジニアリングマネジャーとしての大事な責務です。
これからSGDCのエンジニアリングマネジャーになってくれる方は、組織で起こるさまざまな課題と前向きに向き合える人であってほしい。どのような場面においても自主的に動き、組織で起こることを「自分ごと」として考えてくれる人と、私は一緒に働きたいです。