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「世界を変えるため」ベテランエンジニアの強い意志

こんにちは。人事部のソバナです。

今回は、久しぶりにエンジニア職のメンバーへのインタビューです!

Data Strategy & Operation Center(DSOC)のDevelopment Groupでグループリーダーを務める永井晋平。大学卒業後、システムインテグレーター(以下「SI」)に就職し、その3年後には半年間のインド放浪の旅へ 。2007年10月に社員第一号としてSansanに入社しました。

当時、設立間もないSansanへ入社することを決めた経緯や入社から12年がたった今、向き合っている課題について話を聞きました。

プロフィール

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入社前

デザインに引かれた学生時代

まずは、学生時代について教えてください。

はい。大学ではシステム工学部のデザイン情報学科に通っていました。情報学を学びたかったというよりは、プログラムで表現するデザインに引かれていました。

当時(1998年ごろ)だと、映画などでもCGが盛んに使われ始めた頃ですよね。

これは楽しそうだなと思い、その学科を選びました。プロダクトやUIのデザインに関する授業は面白く、前のめりになって受講していましたね。
その当時、Flashというソフトに凝っていて、さまざまなインタラクションを実現するために、アクションスクリプトをいっぱい書いてました。プログラミングしたのは、その時が初めてでした。

何かしらの表現がしたくて、コードを書いていたんでしょうか。

そうです。目で見て分かるものを作るのが好きでした。就職も情報系に進むか、それともクリエイティブ系に進むかを迷いました。
当時は実力があるわけでもなかったですし、クリエイターの就職に必要なポートフォリオにも自信がありませんでした。それに、ちょうど世の中が就職氷河期時代だったこともあり……。それで、いろいろと考えて入社したのがSIだったんです。

新しい技術に触れる楽しさ

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SIではどんな業務をしていたんですか?

配属されたのは非生産部門で、新しい技術を先進的に試して、社内に広めていくことがミッションでした。当時、開発手法のエクストリーム・プログラミングがはやりだしていて、上司が「試してみよう!」と集めてきたいろいろな技術を次々と試していました。それがめちゃくちゃ楽しくて、必死にやってました。今考えると、上司に恵まれていたと思います。

当時の上司だった方の考え方に共感したんですね。

そうなんです。「Zope」というウェブ・アプリケーション・フレームワークを、当時の上司が「これはすごい」って。僕には何のことだか分からなかったですが、上司が言うんだから「そうかもしれない」って(笑)。
Zopeで使われているのはPythonという言語だったんですが、当時は珍しかったPythonエンジニアとして、入社して2年間ぐらいはZopeとPython で仕事をしていましたね。非生産部門に所属しながらも、パッケージシステムを作ったり、Zopeを使った大きい案件があったときには、母体企業があるアメリカに1週間行かせてもらったりしました。
そうやって、日々楽しく働いていたのですが……要件定義をして、その通りに作って、納品する。だんだんとこの繰り返しに飽きてしまったんです。今思えば、単純に伸び悩んでいただけなんですけどね。
そんな時、ずっと行きたかったインドへ行こうと思いました。

なぜインドに行きたいと思っていたんでしょうか?

中学生か高校生だった時に、 テレビドラマで沢木耕太郎原作の『深夜特急』 を観て、インドという国に興味を持ったんです。行程自体はとてもハードなものでしたが、いつか自分もやってみたいと直感的に思ったんです。その時は社会人3年目で、ある程度の貯金もあったし、行ってみるかと。それでインドに行ったんです。

憧れていたインドへ

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インド旅行中の一コマ。

「自分探しの旅」といったものではなかったんですか?

はい。「行きたいから行く」という感じでしたね。ただ、飛行機に乗った瞬間に「あれ? インドに何しにきたんだっけ?」と、不思議な感覚に陥りました。目的が「行くこと」になってしまっていたんですよね。だから「インドで何するんだっけ?」って(笑)。

インドに着いて、どんな印象を持ちました?

まず、現地の人がめちゃくちゃ怖く見えました。とりあえず宿を決めて、部屋に入り、この後どうしようかと悩んだところで、とりあえずインドを一周することを目的にしました。途中でやめて帰ってもいいやと気楽に考えて。
4分の1くらい回ったあたりでインドでの生活には慣れました。インドに来てから2、3週間目くらいだったと思います。
インドを一周した後は、ネパールへ行き、そこから飛行機でシンガポールに向かいました。シンガポールから中国を目指して。旅を始めて5カ月目くらい、タイの北部に着いた時に、また飽きてきたんですよね(笑)。

また飽きてしまったんですか(笑)?

確かに刺激的ではあったし、見てみたい国もあったので、旅を続けていましたが、繰り返しに飽きてしまって。徐々に帰国することを考え始めました。十分に休んだから、もう一回エンジニアとしてがむしゃらにやろうと思い、その1カ月後には日本へ帰りました。

日本に帰ってきてからの転職活動はどうでしたか?

まずは、企業探しから始めました。作って終わりではなく、自社サービスに「信念」を持っているところを探すことを軸にして。そういった企業なら飽きないんじゃないかと思ったんです(笑)。そうやって、面白そうなことやっていた、クリエイティブに強みを持つベンチャー企業に入りました。

Sansanとの出会い

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Sansanという企業を知った経緯を教えてください。

Sansanを知ったのは、転職して1カ月がたった頃でした。Sansanの創設メンバーの一人でもある役員の塩見が、実は最初に務めた会社の大先輩だったんです。僕がインドへ行っていたことも、戻ってきていたことも知っていました。
「会社を始めたから遊びにこない?」と誘われて、遊びにいったら企業理念「Sansanのカタチ」をいきなり聞かされました。「俺たちはこれをやるんだ!」って(笑)。その時、すでにサービスはできていて、ローンチする前でしたね。

永井さんをメンバーに誘うつもりで呼んだんですね。

はい。でも、転職してまだ1カ月の頃だったので、さすがに辞めるわけにはいかないと思っていました。ただ、正直Sansanに引かれた部分はあったんですよ。

どんなところに引かれたんですか?

まず、短い期間ではありましたが、転職先での仕事内容が想像していたものと違ったんです。確かに面白いこともやっていましたが、メインは受諾制作に近い仕事でした。僕がやりたかったことは、サービスを世に問いながらずっと育てていくということだったので、その一方でSansanはぴったりだな、と。
それから、当時のSansanのカタチにあった「仕事に燃え愛情をそそぐ」という言葉(改訂を繰り返しており、現在とは異なる)が、がむしゃらにやりたかった僕の心に刺さったんですよね。そんな理念を掲げる人たちと、一生懸命働きたいと感じたんです。
とはいえ、やはり転職したばかりだからと、すぐにSansanで働くことは断っていました。ただ、自分の気持ちに嘘はつけず、結局は殴られるのを覚悟で上司をランチ誘い辞めることを伝えました。引き止めていただけたんですが、その時はとにかく本心を伝えました。
最後は上司も根負けして、僕の気持ちを受け入れてくれました。その上司からは、最後に「ベンチャーで働くんだったら、とにかく諦めないこと」と言ってもらいました。すごいありがたかったですし、その言葉は今でも大切にしています。

入社後から現在まで

「とにかく諦めないこと」がもたらした成果

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入社当時のオフィスで撮影された写真。

社員第一号としてSansanに入社した時、どんな気持ちでしたか?

第一印象としては、サービスが持っている価値に可能性を感じましたね。また、当時の役員5人のパワフルさや優秀さにも驚きました。入社した月にサービスをローンチして、すぐに「こういう機能が欲しい」という要望が挙がり、とにかく開発をする日々でした。

これまでに仕事でぶつかった壁はありますか?

僕がSansanに入って一番覚えている壁は、当時の法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」と個人向け名刺アプリ「Eight」には、それぞれに名刺をデータ化するシステムがあったのですが、それらを統合するというプロジェクトです。これがめちゃくちゃハードでして、1年半ぐらい、ひたすらにやっていたんですけど、とにかく大変でした。
大変さを簡単に言うと、目指すべき厳しい数値目標があり、一方でその数値を担保する仕組みの正解はなく、日々試行錯誤の連続でした。何度やってもうまくいかず、もう出口が見えないトンネル状態でした。みんなも疲弊してくるし、「何のために統合するんだっけ?」と考えたときもありました。ただ、チームのリーダーを務めていましたし、前職の上司に言われた「とにかく諦めないこと」という言葉を胸にやり続けて、みんなの頑張りでようやくリリースすることができました。このシステム統合によって、名刺のデータ化の世界は驚くほどに変わりました。コストもそうですし、捌ける量も圧倒的に大きくなり、嬉しさはひとしおでした。

その経験を通して、気持ちに変化はありましたか?

「世界を変える」とか、「他と一線を画するような何かを実現する」ということは、こういうことなんだろうなと思いました。出口の見えないトンネルの状態でも諦めずに突き進むということ。これは、この経験を通して得られたというよりも、明確になったという感じですね。

メンバーたちと向き合う難しさ

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現在、DSOCではどのような業務を担当されているのですか?

今は開発というよりはマネジメントの業務がほぼ全てです。DSOCは全体だと50名いて、その内の17名のグループをマネジメントし、プロジェクトのマネジメントもいくつか見ています。

開発と比べて、マネジメント業務は難しいですか?

とくに人のマネジメントというのはとても難しく、日々大変だな、と思うことしかないです(笑)。経験を重ねながら、常に勉強中ですね。

具体的には、どのような勉強をしているんでしょうか?

本を読んでインプットして、現場で試すということが一つ。あと、コーチングを受けることができる社内制度「コーチャ」を活用しています。そこで内省や対話のテクニックを学び、マネジメントに活用しています。また、外部講師からもコーチングを受けています。

コーチングは、どういった内容のものですか?

最近だと「チームを2倍強くするには何をするべきか」というテーマで行いました。その時、講師に「根本的に何かを変えるときは、あなた自身の変化が必要」と言われました。僕は地続きに物事を改善することが好きで、それが得意なのですが、物事を大きく変えることは、あまり発想できないんです。この事実に向き合うのが、今まさに僕の課題なんです。

今後のビジョン

仕事とは、泥臭いもの

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自身にとって仕事とはどんなものですか?

ひと言で言うと、泥臭いもの。代表の寺田がある年の内定式で話していましたが、どんな仕事も、地道に積み重ねていくものだなと。本来、仕事ってそういうものだと思います。

仕事に向き合うときにこだわっていること、大事にしていることはありますか?

仕事は、必ずしも自分の思うようにはなりません。だからこそ、人の意見を採用するときは、自分が100%自分事にすることを大事にしています。やってみないとわからないことも多いですからね。相手の意見にのるときは、自分事にして、とにかくやってみます。

なぜそう思うのですか?

以前、ある意思決定において、自分の考えにしきれなまま進めて、思い通りの結果にならなかったんです。そのとき、自分の責任にしきれない感覚を覚え、とても後悔したんです。
例え失敗したとしても、後悔しないためには、自分が心底納得することが大切なんだと。メンバーに失敗を恐れずにやり切ってもらうためにも、常に意識しています。

永井さんはエンジニア採用において面接官も担当されていますが、一緒に働きたいと思うエンジニアはどのような方ですか?

まず、どんな形であれSansan のミッションに共感できることが大前提です。その上で、失敗を恐れずにチャレンジできる人、変化することを楽しめる人ですね。
僕がそうなのですが、エンジニアは変化に慎重な傾向があります。それは開発において、とても大事なことでもあると思います。ただ、Sansanが成長していく過程には、変わらず大事にするところはありながらも、絶対にどこかで変わっていく必要があると思っています。だからこそ、チャレンジすることも、どこか楽しめる人がいいと思いますね。

これからの目標はありますか?

実は、そういうのは苦手で……。正直、ないんです。Sansanのミッションに共感して、仕事にとても熱中できているので、目の前のことをコツコツとやろうと思っています。

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インタビュー後記

これまでのキャリアを語る永井は、Sansanと仕事に対する情熱と愛情にあふれていました。「諦めないことの大切さ」は、当たり前のことのように思えますが、実はとてつもなく難しいことだと思います。それを地道に12年間やってきたからこそ、今のSansanがあることを実感したインタビューでした。

永井が入社した当時、5名だったSansanでは今や約400名の社員が働いています。メンバーの多様化も進む中で、永井が向き合っているマネジメントは、今後さらに重要度が増していくと思います。これからの永井のマネジャーとしてのさらなる飛躍が楽しみです!

Sansanでは、一緒に働くエンジニアメンバーを募集しています! 興味がある方は、こちらをご覧ください。

interview & text: 人事部 素花玲香  photo: 福山楡青