CPOが語る、これからのSansanが向かう場所

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2020/06/25

こんにちは、人事部の杉本裕樹です。今回インタビューするのは、Sansan株式会社のChief Product Officer(最高製品責任者、以下 CPO)としてプロダクト戦略を指揮する大津裕史です。Sansanのプロダクトの責任者は、これから起きるビジネスの変化や未来のニーズをどう捉えているのか。また、これからの時代に向けて今後Sansanが何を仕掛けていくのかを語ります。

プロフィール

大津裕史
執行役員 Chief Product Officer

株式会社ビービットにて、デジタル領域を中心に企業のコンサルティングを手掛ける。2010年に株式会社WACULを創業し、代表取締役に就任。ウェブサイトの分析から改善提案まで行う人工知能を開発・提供する。2018年にSansan株式会社へ入社し、CPOとしてプロダクト戦略を指揮する。


Sansanとの出会い

最初にSansan株式会社との出会いについて教えてください。

Sansanの仕事を外注として手伝ったのが始まりで、2011年のことでした。当時事務所で仕事をしている時に、いきなりSansanの創業メンバーである常楽と永井がやってきたんです。

ある日突然?

はい。聞くと「お問い合わせフォームから仕事を依頼したのですが、返事がないので来ました」とのことでした。まったく気づいていなかったのですが、確認したら、二カ月くらい前に連絡をもらっていたんです。当時はフォームから依頼が来ることがほぼ無かったので、見落としていたんですね。

どんな仕事の依頼だったのでしょうか?

クラウド名刺管理サービス「Sansan」の前身「Link Knowledge(リンクナレッジ)」というサービスでUXのコンサルをやってくれないかと。そこから「Sansan」名刺アプリ「Eight」のリニューアル、スマホアプリからAPI開発まで一通り手がけました。

そして2018年にSansanに入社。転職前、Sansan以外に検討した会社はありましたか?

いえ、ありません。

Sansanだけを検討した理由はなんでしょうか?

強いて言えば、当時私が20代半ばの若造で、好き勝手に色々と言うことを、すべて受け止めて向き合ってくれたんです。Sansanのそういう姿勢が印象に残っていたので、決め手と聞かれれば、そこです。


大きな二つの課題

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大津さんはCPOとして入社し、一時期開発部長として指揮をとられていますが、現在取り組んでいる課題について教えてください。

開発部長としては九カ月ほどの期間でしたが、Sansanの開発プロセスを含めて刷新し、それについては納得のいく形で引き継ぐことができたと思っています。

CPOとしては、大きな課題が二つあって、ひとつは育成です。

プロダクトに責任を持てるCPOという立場の人間が、今は私1人しかいませんが、これはSansanの成長のサイズに対して適切ではないと思っています。少なくとも2、3人はCPOと呼べるレベルの人を増やさないとなりません。

もうひとつは何でしょう?

ちょっと言葉にするのが難しいのですが、世の中の習慣をSansanのプロダクトで変えたいといいますか、要はCPOとしての結果を出したいということです。私は、開発部長としては結果を出した自信があるのですが、CPOについてはリザルトとして出せるものがないと思っています。

CPOを引き受ける時におぼろげながらにイメージしたのは、世の中の常識が変わるようなインパクトが出せたら、ようやくプロダクトの責任者が専任でいることの意味がある、それを1つ2つやらなくてはならないということでした。就任後「Sansan」「Eight」もリニューアルしましたが、何かを根本的に変えたわけではありません。今取り組んでいるSansanの「オンライン名刺」が実際にユーザーに活用してもらえるようになれば、ようやくCPOとしてこれをやったと言えるのかなと思ってます。


「出会いのデータ化」が一気に加速する未来

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大津さんが考えるビジネスにおける出会いは、今後どのような変化があると思いますか? 

二つの変化があると考えていて、ひとつは対面ではなくオンラインでの出会いがビジネスの出会いとして常識化することです。新型コロナウイルスが発生する前からオンライン商談の需要が高まっていましたが、今回、ぐっとアクセル踏まれた感じがあります。

もうひとつは、ビジネストリップが最小限にとどまることですね。今、国をまたいでのイベントへの参加や現地を見に行くなどの出張などが大幅に減っていますが、この流れはこれからも続くと思います。会社としてのリスクもあるし、国ごとに環境や方針も違うし、これまでのようにビジネストリップが容易ではなくなります。

そうなるとビジネストリップで確保していた出張費が浮くわけですが、それを何に使うかを考えると、おそらく海外の会社やそこで働くビジネスマンについて調査し、直接会って信頼を確認できない分、別の手段で本当に信用していいのかといったリサーチに資源やテクノロジーを投じて、リファレンスを取りに行くと思うんです。

オンラインの出会いが増え、ビジネストリップが最小限になることから、「出会いをデータ化する」ニーズが今後ますます高まると思っています。

このことは日本以外でも起こる変化ですね。

その通りです。「出会いをデータ化すること」は世界で高まる機運だと思っています。Sansanは今まで名刺という手段を使っていましたが、やってきたことは「出会いをデータ化すること」に他なりません。

出会いのデータ化が、世界中のデファクトスタンダードになれば、非常にトレンドに乗ったニーズを捉えられますし、言い換えればSansanがずっと温めてきたことがグローバルスタンダードになるチャンスでもあります。

日本はとても特殊な環境で、ビジネスでは必ず名刺交換をするので、名刺を取り込めば記録のデータベースが満たされた状態で手に入りますが、海外は渡さなかったり他人の名刺もきちんと管理していなかったりと名刺文化もそこまで根付いていません。ですから、出会いをデータ化するために、名刺が機能しませんでしたが、出会いのオンライン化が世界に波及し、簡単にデジタル化できることで「出会いってこんなに使えるんだ」と大きなインパクトを与えられると思います。

その中で、オフラインの出会いもデータ化しようという動きも出てくるはずです。そうなれば、出会いをデータベースとして捉えているSansanの営みが海外でも際立ち、出会いのデータ化が環境的に一気に進むのではと思っています。


「オンライン名刺」で
オンラインの出会いをデータ化

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出会いをデータ化することでイノベーションも起きやすくなりますか?

そうですね。出会いのデータ化は、イノベーションが起きやすい環境をどう作るかにコミットすると思っています。

イノベーションが起こる時の出会いに大事なことは、二要素あります。ひとつは相手、もうひとつはタイミングです。同じ相手、たとえば、杉本さんと私が今日出会ってこうやって話すのと、1年後に出会うのでは全く違うものになります。今日は何も起こらなくても1年後に会った時にはクリエイティブなことが始まったり。

「相手」と「タイミング」という二つの変数のうち、出会いをデータ化することでタイミングの変数だけでもコントロールすることができるようになると考えています。例えば、今、私がオンライン会議のアプリを開発している会社と何かやりたいと考えたとして、社内でその会社の人と会った人を検索し、連絡を取って欲しいとお願いすれば自発的にタイミングを作ることができます。変数が二つもあると、相当強い運がないとイノベーションは起きませんが、そのうちの一つだけでもコントロールできれば、可能性は高まります。

現在注力している新しいプロダクトについても教えてください。

まずはオンライン名刺に力を入れています。それは、今話したようにオンラインの出会いをどうデータ化するかに向き合っているということです。イベントや会議をどうデータ化するか、いろいろな準備をしています。

オンライン名刺の構想は以前からあったのですか?

去年の秋ごろ、東京オリンピックの開催に向けてオンラインでも名刺交換ができるようにと私が起案しました。ですが、当時は優先度が上がらずお蔵入りだったんですね。それが今回の新型コロナウイルス発生があって、寺田と絶対プラスに転換しようと話し合い、「オンライン名刺やろう」と意見が揃いました。2月末から始まったので相当スピーディーな展開でしたね。

あとはビジネスマンが仕事としての顔写真を障壁低くシェアしあうということを目指しています。スラックやチャットワークなど社内ですらアイコンを顔写真にしている人は限られていますが、仮に全社員が一斉に顔写真をアイコンにする魔法があったとしたら(笑)、驚くと思いますよ、生産性がものすごい上がることに。中国語やフランス語など名前を覚えるのが大変な多国籍企業であるほど効果を感じられるはずです。

実はこのことに気づいているBtoB SaaSはけっこういて、KPI(重要業績評価指標)にサービスの中でどれくらいのユーザーがアイコンを顔写真にしているかをオンボーディングの指標にしているところもあるくらいです。

Sansanの名刺も顔写真が入っていますが、渡すと喜ばれますよね。顔と名前が一致するというのは仕事相手にとってとても便利で助かることなんです。その点、オンライン名刺は、名前と顔をセットで渡せるので、それが当たり前になったら生産性はぐんと底上げされると思いますね。どうしたら適切に写真を登録できるか、それによってどんな便利な体験ができるのかにも今取り組んでいます。さらに、今後海外へのビジネストリップが減ることを推察して、海外企業のデータの仕入れにも力を入れています。


「世の中に影響を与えたい」が
かなうおもしろさ

Sansanで働くやりがいやおもしろさは何だと思いますか?

優秀な人ほど仕事で世の中に影響を及ぼしたいと考えていると思いますが、大きい企業ではそれが難しい、自分のパフォーマンスの影響度は低くなってしまうと感じている人も多いはずです。Sansanが珍しいところは、どのポジションであっても、世の中に対して自分の仕事の影響を大きく感じられる点です。

営業なら、目の前のお客さんに働きかけたことが一つの企業を動かすほどの案件になる。なぜかというと、Sansanは、全社員がアカウントをもつ全社導入の契約がとても多いんです。相手の会社全体を動かす意思決定を引き出す仕事は、とても手応えを感じるでしょうし、営業マンとしての自信もつくと思います。

エンジニアにしても、自分が企画して作った機能が、何千社という企業のインフラになるということは、世の中に影響を及ぼす実感を持てると思います。ベンチャーでないとかなわないと思っていたことがこれだけの規模感の会社でも感じられるのはやりがいだと思います。

大津さんは組織改編などを通して、エンジニアに裁量を持たせるよう、さまざまな試みを行ってきましたよね。

これは日本特有だと思うのですが、理系と文系が分断されているため昔から、企画や進行は文系、つくるのはエンジニアという思い込みや刷り込みがあります。でも、私としてはどうやってモノを作るのかを分かっている人間が企画したほうがいいものができると思っています。そのためにPMは全員エンジニアにしました。エンジニアが考えた企画に対してエンジニアが応えるという構図です。

まだ企画ができるフェーズにいない新卒のエンジニアだとしても、胸を張って断言できるのは、エンジニアが関わるプロジェクトには、エンジニアリングを軽視したものにはないということ。それは仕事のおもしろさにつながると思います。


インタビュー後記

「出会いをデータ化」するニーズが今後高まっていくこと、そしてその「出会いをデータ化」することによりイノベーションを起こしやすくなっていく。Sansanが日本発のSaaSとしてグローバルスタンダードにチャレンジしていると思うと、改めてSansanが世界を変えるために着実に進化しているのだと思いました。

自分のやることが世の中に大きな影響を与えていく、そんなチャレンジをしていきたい方とご一緒できたら嬉しいです。

我こそは!という方は、Sansanの採用情報をぜひご覧ください。

interview: 人事部 杉本裕樹 text: 大庭典子 photo: 人事部 高橋淳

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