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変化を楽しみ、新しい道を開拓する。新規事業開発室のエンジニアチーム

こんにちは、人事部の杉本裕樹です。今回は、新規事業開発室のエンジニアチームにインタビューしました。今年5月に発表した、あらゆる請求書のオンライン受領・一元管理を可能にする「Bill One」の開発責任者、大西真央(オオニシ マオ)、エンジニアチームの加藤耕太(カトウ コウタ)、今年入社したばかりの山邊直也(ヤマベ ナオヤ)です。あらゆる請求書のオンライン受領・一元管理を可能にする「Bill One」がリリースされるまでの試行錯誤の道のりや新規開発ならではのやりがいなど、それぞれの視点で語ります。

プロフィール

大西 真央(写真左上)
新規事業開発室 アナデジプロダクトグループ

SEとしてエンジニアのキャリアをスタートさせ、2012年以降はアジャイルやドメイン駆動設計などの開発スタイルを経験。2016年Sansan株式会社に転職し、法人向けクラウド名刺管理サービスSansanの大阪開発拠点を立ち上げ後、チーフエンジニアリングマネジャーとしてエンジニアの組織作りを担当。現在は新規事業開発に携わり、「Bill One」の開発責任者を務める。

加藤 耕太(写真右上)
新規事業開発室 アナデジプロダクトグループ

新卒で入社したSIerで、AWSやSingle Page Applicationなどの社内技術推進を担当。2018年にSansan株式会社へ転職し、Sansanのサーバーサイド開発を経験。現在は、新規事業開発室で「Bill One」の開発に従事する。

山邊 直也(写真下)
新規事業開発室 アナデジプロダクトグループ

19歳の夏にSansan株式会社など、いくつかの企業でインターンを経験。高専を4年次で中退し、Sansanへ入社。新卒の中で唯一、新規事業開発室に配属され、関西支店で「Bill One」の開発に携わっている。まだまだ経験は浅いがチームの中では一人のエンジニアとして「Bill One」の機能開発や運用を行っている。


紆余曲折の道のりを経て
2020年5月「Bill One」誕生

まず最初に「Bill One」サービス概要などを簡単に教えてください。

大西:「Bill One」はあらゆる請求書をオンラインで受け取って、経理が毎月行う月次決算を加速させることをコンセプトとしたサービスです。すべての請求書がオンラインで一元管理できて、簡単に検索、照会ができるので、監査の対応への手間が省けたり、上長の確認がスムーズになるなど業務の効率化ができます。
名刺を99.9%の精度でデータ化する技術をもとに、「Bill One」を開発しようと始まり、結果、請求書情報を同じクオリティ、精度でデータ化することができるようになりました。

完成するまでの経緯は?

大西:結構険しい道のりで、これまで2回ピボット(事業の方向転換)しています。最初の構想では経理の支払業務と仕訳業務をサポートするプロダクトでした。途中、このまま支払いと仕訳に注力していくのか、ピボットするのか、2020年1月ごろから、当社代表の寺田とも毎日議論を重ねました。その結論として、今の形になりました。

新規事業開発室の体制についても教えてください。現在は、どれくらいの人数で動いているのでしょうか?

大西:開発室にいる人数は30名前後です。「Bill One」の他には、契約書データ化ソリューション「Contract One(コントラクト ワン)」など、常に4〜5個のプロジェクトが動いています。
「Bill One」のメンバーは全部で10人くらい。そのうちエンジニアが5人です。新規事業の室長は「Bill One」には携わらず、寺田が関わっています。

トップ直下のプロジェクトという事ですね。ちなみに準備中のプロジェクトの中には消えてしまうものもあるのですか?

大西:現状だと途中で消えた事はないですね。ただ新規事業の枠を超えたプロジェクトはSansanかEightに渡すなど、パスするものはあります。

プロジェクトメンバーの加藤さんにも聞きたいのですが、「Bill One」を作っていく中で、他部署との関わりはどうでしたか?

加藤:実は「Bill One」は、営業や、カスタマーサクセス部(以下、CS部)が開発室内にいるんです。Sansan事業部の営業から「Bill One」を紹介してもらって商談機会をいただく事はありますが、室内である程度ビジネスが回っている状態です。
大西:そこが他のプロジェクトとは大きく違うところですね。エンジニア、営業、CS部、インサイドセールスを行う、セールスディベロップメント部とフルセットでそろって完結しています。

「この人と一緒に働いてみたい」が原動力

大西さんの開発室内での役割や立ち位置を教えてください。

大西:僕は開発責任者として「Bill One」に携わっています。エンジニアメンバー5名の仕事の割り振りをしたり、優先順位を決めたり、プロダクトマネジメント的なことも行っています。

そもそも大阪に新規事業開発室がある理由は?

大西:特に深い意味はないのですが、大阪にいた僕が新規事業開発室のエンジニアリングチームの立ち上げに関わったからですね。僕が入った頃は「Bill One」はSESがたったひとりで開発してたんですよ。それで寺田とも話して、エンジニアを何人か引っ張ってきていいよということだったので、社内のエンジニアに声をかけました。

なるほど。加藤さんも大西さんに声をかけられたのですか? 新規事業開発室にはどのような経緯で?

加藤:私は2年前に入社して、Sansan事業部のプロダクト開発室にいて、名刺検索の高速化などを行っていました。その後、新規事業開発室に移った大西から「Bill Oneやるぞ」と声をかけられて、異動することに。

もともと新規事業開発室に興味があったのですか?

加藤:それももちろんありますが、入社時面接を担当してくれたのが大西で、そのときに「この人と一緒に働いてみたい」と思ったんです。でもSansan事業部ではほとんど機会がなくて。なので、異動したのは大西から声をかけられたことが一番大きいですね。

面接の時に一緒に働いてみたいと思ったのはなぜでしょう?

加藤:いや、単純に面接で大西が出てきたら驚きますよね、外見に。一見、チャラチャラしてそうに見えるのに、仕事の話になるとしっかりしてて、目指すところを熱く語るし、働きやすい環境づくりやメンバーの成長に向き合っているし。そのギャップにやられたというか(笑)。エンジニアとしてのスキルは前提とした上で、人間性に引かれたというか、ってこれなんか恥ずかしいですね。

(笑)。山邊さんはどうですか? 今どのような役割でしょうか?

山邊:「Bill One」は、ひとつの機能ごとに丸ごと任されるのが基本なので。週に1、2回新しい機能をリリースするので、アサインされるタスクに対して、設計から関わっていくという感じです。

新規事業ならではの忘れられないエピソード

これまでの新規事業の仕事で印象的だったことはありますか?

加藤:先ほど大西の話にもありましたが、「Bill One」は2回ピボットしていて、それが一番印象的というか大きな出来事だったと思います。それまで半年くらいかけて開発してきたけれど、仕切り直し、新しい方向性で開発したことですね。

淡々と話していますが、それまでの試行錯誤の時間を思うと精神的にもきついですよね?心の中では葛藤が?

加藤:いえ。意外と大丈夫でしたね。そんなにネガティブな感情はありません。それよりも仮にそのままリリースして、誰にも使われないことの方がむなしい気持ちになると思います。

大西さんは何かエピソードありますか?

大西:加藤が話したエピソードは僕にとっても印象的でしたが、その分5月11日にローンチして、初めて社外のお客さまに使っていただいた時は、やっとここまできたと感慨深かったですね。
4月下旬にLP公開したらすぐに受注が決まったんです。それまで大変だったことがうそのように滑り出しは順調で、今も好調。「Bill One」が、オンラインで請求書を受け取るというコンセプトだったので、コロナ禍で在宅ワークが増えたことも影響していると思います。

山邊さんはまだ入社して1年未満ですが、何かエピソードはありますか?

山邊:「Bill One」開発中、ある機能にすごく時間のかかったことです。他の機能に関しては、1週間で終わることが多かったのですが、3週間ほどかかってしまったんです。作業自体は楽しかったのですが、時間がかかっていることに対して、焦る気持ちがありました。

そもそも、山邊さんは入社して早々新規事業に関わるということ自体珍しいですよね。

山邊:もともとインターン時代から新規事業に関わっていて、当時から「Bill One」の開発をしていたんです。

Sansanでのインターンが他よりも面白かった

そうだったんですね。山邊さんが入社を決めた経緯について教えてください。

山邊:僕は、高専を4年次で退学してSansanに入社しています。高専でもかなり専門的なことを学べたのですが、その方向よりもWeb系のことがやりたくて、いろいろな会社にインターンに行っていたんです。
Sansanとの出会いは、逆求人イベントでした。それまでSansanのことは知らなかったのですが、イベントで当社CTO(Chief Technology Officer)の藤倉にこんな会社だよ、と教えてもらって、その後色々と話していたら気に入ってもらえて、インターンやってみる?という流れに。

推察するに、なぜ気に入ってもらえたと思いますか? 

山邊:なんででしょう。よくわかりませんが、技術力うんぬんというよりは、行動力をアピールポイントにしていたので、それが良かったのかもしれません。

なるほど。そしてインターンに行くことにしたのですね。

山邊:はい。ゼロから何かを生み出すことに興味があるという話もしていたので、新規事業開発室にインターン枠があることを教えてもらい、行きました。他の会社にもインターンに行きましたが、Sansanが一番面白かった。新規事業開発室の雰囲気もとても良くて、仕事内容も楽しかったので、Sansanが自分には合っているんだと思いました。

どんなところが楽しかったのでしょうか?

山邊:1日中プログラミングやっていられる環境に加え「Bill One」自体の面白さにも引かれていました。あとは技術領域に関しても、僕は限られた領域ではなく、全般的に行いたいタイプだったので、「Bill One」はまさにフロントエンドからバックエンドまで、上流から下流まで携われるので、それも決め手になりました。

互いにリスペクトしあえる雰囲気がある

インターン時代に新規事業開発部の雰囲気が良かったと言っていましたが、具体的にはどんなところがよかったですか?

山邊:「働きやすい」と感じたのが率直なところです。お互いにリスペクトがあるような雰囲気があって、横のつながりもよくて皆仲が良くて。僕は入社して数ヶ月で在宅勤務に切り替わったのですが、在宅だとチームビルディング的に厳しい面もあるのかなと思いましたが、まったく問題ありませんでしたね。朝昼夕に業務報告と雑談の時間があって、わからないことがあったら、すぐにSlackで電話していいという決まりがあったので、困った時にすぐに聞ける空気がありがたかったですね。

それに関しては、責任者として何か意識してチームや雰囲気作りをしているのですか?

大西:コロナ禍以前は朝会しかしていなかったのですが、在宅が多くなった時点で、昼会、夕会を設定しました。朝会だけだと、困った時にすぐに助けてもらう、電話で聞くといった関係性が築きにくいのかなと思ったので。
そして、気兼ねなく直接尋ねることができるように、何かあったらすぐに電話していいということをルール化したんです。テキストだけのやりとりだと、聞く方も教える方も伝えるのが難しいんですよね。
チームの雰囲気作りで意識していることは、全員が平等にしゃべる機会を作ることでしょうか。新規事業開発室のエンジニアリングの定例会を行って、今気になる課題についてどんな風に思っているかディスカッションしています。最近では僕がお題を決めることもなく、メンバーから挙がってきたものについて話し合うことが増えました。先日は「関西におけるSansanエンジニアの認知度が低いのはなぜか。認知を広めるにはどうしたらいいか」が議題でした。

雰囲気が良さそうですね。チーム全体には関西ノリみたいな雰囲気はあるのでしょうか?

大西:それはないと思いますけど(笑)、東京本社に比べたらオフィスはにぎやかかもしれない。俺がうるさいだけかな。
加藤:そうですね(笑)。

2年後にはSansanをリードするプロダクトに

新規事業開発のエンジニアに向いている人、活躍する人はどんな人だと思いますか?

加藤:価値に向き合える人だと思います。いいモノを作るだけでは売れないので、売れるために必要なことを考えられることと技術力のバランスが取れていることが大事だと思います。
大西:加藤にプラスで僕が思うのは、変化を楽しめる人。新規は、ゼロイチのフェーズなので、決して安定的な道のりはありません。先ほども話しましたが、これまでやってきたことを全部捨ててすぐに切り替えなければならない時もある。そんな起伏の激しい道のりを楽しめる人、既存の枠組みを出て新しいことを考えられる人が向いているのではと思います。

途中でピボットすることがあったりと新規のエンジニアに対しては評価が難しい部分もありますね。大西さんはどう考えていますか?

大西:通常はどれだけプロダクトが成功したかが基準になることが多いと思いますが、新規の仕事ではそれだけでは測れないことも多々あります。ですから、基準はあくまでどれだけクオリティの高いプロダクトを作れたか。たとえピボットを行っても、エンジニアとして何を作ったかを評価しています。

最後に今後について教えてください。新規事業部は、今後どのようなスタンスで加速していくのでしょうか?

大西:僕は2つのスタンスがあると思っていて、ひとつは既存のシナジーとのしがらみなく突き進むプロダクトと、もうひとつはこれまでのシナジーを生かし、既存のサービスと連携しながら、プロダクトを成長させていくことです。

今後の新規事業開発室としての目標は?

大西:目標としては、立ち上げたプロダクトでしっかりと売り上げを立てたいですね。まずはいち早く、「Bill One」を「Sansan」「Eight」に並ぶプロダクトとして位置付けたいと思っています。

こういう話はよくされるのですか?

山邊:そうですね。飲みに行った時などにたまに聞きます(笑)。モチベーションになりますね。

加藤さんはこの目標どう思いますか?

加藤:そうですね、いいんじゃないですか。みんな上を目指すのが好きなので。

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インタビュー後記

いかがでしたでしょうか?
些細なことかも知れないですが、「電話をしていいルール」など、チームの雰囲気づくりも大切にしているのが印象的でした。
今回のインタビューを通して、新規事業がどのように産まれ、どのようなメンバーが関わっているのかなど、Sansan内の新しい一面をご紹介できたように思っています。
Sansanの三つ目の柱となるべく目標を掲げている「Bill One」など、今後、新規事業開発室からどのようなプロダクトが産み出されるのかが楽しみです。
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text&photo: mimi