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マーケ×営業×インサイドセールスで挑む、公共マーケット開拓への道筋

こんにちは、Sansan事業部 セールスディベロップメント部に所属している山口です。
私たちSansan事業部はクラウド名刺管理サービス「Sansan」を軸に、さまざまな企業・団体のデジタルトランスフォーメーションのお手伝いをしていますが、最近、新たなマーケットにサービスの価値を届けた事例が、社内で注目されています。
彼らが挑戦し開拓したマーケットとは何か、それは省庁や地方自治体といった「公共」でした。
昨今のデジタル変革を追い風に、新しいマーケットへ踏み込んだのですが、省庁や地方自治体特有の難しさがあり、公共チーム立ち上げ当初はかなり苦労したそうです。
営業、インサイドセールス、マーケティングと、フロント部門のさまざまな角度から業界に向き合っている公共チームのメンバーに話しを聞いてみると、状況に応じてそれぞれの役割を柔軟に変えながら、顧客とマーケットに向き合う姿が見えてきました。

プロフィール

稲荷田和也(写真左上)
Sansan事業部 セールスディベロップメント部 ADR1グループ

学生時代にベンチャー企業3社で長期インターンを経験した後、2019年にSansan株式会社へ新卒入社。大手企業向けインサイドセールスでの新規開拓を経て、2020年6月に公共チームの立ち上げに従事。ほかにも複数の社内プロジェクトに参画。私生活では、1児の父としての顔を持つ。

荒澤勇太(写真右上)
Sansan事業部 エンタープライズ営業部 E2グループ

大学卒業後、データベース関連のクラウドサービスベンダーに入社。後半は公共領域担当の営業部にて事業部長を務める。2019年にSansan株式会社に入社し、エンタープライズ営業の担当を経て、現在は金融・公共営業部の公共チームで営業を担当している。

中島弘二(写真左下)
Sansan事業部 セールスディベロップメント部 副部長

機械部品商社、外資系コンサルティングファームを経て2019年7月にSansan株式会社に入社。社員数1,000名以上のエンタープライズ領域に向けた営業戦略の策定、およびインサイドセールスチームのマネジメント業務に従事。趣味は空手、ゴルフ。

岡部 創太(写真右下)
Sansan事業部 マーケティング部 エンタープライズマーケティング&カンファレンスグループ

2018年、Sansan株式会社へ新卒入社。カスタマーサクセス部にてクラウド名刺管理サービス「Sansan」の導入支援に従事した後、マーケティング部へ異動。「Sansan Innovation Project」などのSansan主催の大型イベントを担当しながら、未開拓の公共領域のマーケティングに向き合う。趣味は瞑想、音楽、銭湯。


公共チーム発足。手探りでのスタート

公共チームは2020年6月から始動したチームですが、マーケットの開拓にはどのような背景があったんですか?

中島:新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに「ニューノーマルな働き方」を政府から促進する動きが加速したことがきっかけでした。公共領域の巨大マーケットですから、「いつかは向き合わなければ」と考えてましたが、働き方改革・リモートワーク体制の構築が急務となる中、民間企業を支えている官公庁自身におけるデジタル変革への機運の高まりを感じて、公共マーケットに特化するチームを立上げました。

公共マーケットの開拓には、少しずつ道筋が見えてきているように感じます。発足当初はどんな課題がありましたか?

荒澤:当初は、公共業界のどの領域にSansanを提案したら良いのか暗中模索な状態でした。民間企業に対する提案であれば社内にノウハウがありますが、公共にはナレッジがない中でのスタートでしたので、まずは提案シナリオを考えるところからはじめ、たくさんのPDCAを回す必要がありました。
また、リード(見込み顧客)が少ないという大きな課題もありました。顧客に対してアプローチしようにもとにかくリードが少なかったので、本当に「どうしようか…」という感じで。
稲荷田:本当にそんな感じでしたよね。
自治体や省庁には独自の文化があるのですが、取り組み始めた当初は右も左もわからない状態でした。
また、僕は新卒2年目で、ビジネスマンとしてのスキルも至らなかったという点でも苦労しました。
具体的には、部門を横断して仕事する際に、どこの部門の人にどんな伝え方をしたらその人は動いてくれるのだろうとか、どういう時間の使い方をすべきなんだろうとか、そのようなところも危うかった時期だったので、非常に苦しんだ覚えがあります。

リードもなければ業界理解も乏しい。
解像度が低い状態からスタート

この壁にはどのように向き合ったのですか?

稲荷田:社内にある情報もかなり乏しかったので、自分達で情報を取りにいきました。
まず、Sansanが持つ、マーケットに対するプロダクトの価値の感触を確かめるために、接点がない人に対するホワイトアプローチから始めました。
荒澤:リードを自分たちで獲得するために、インサイドセールスのはずの稲荷田さんがアポなしで県庁の事務所に足しげく通ったりしたよね。
稲荷田:まさに飛び込み営業ですよね。

インサイドセールスが飛び込み営業?!どんな思いで飛び込み営業をしていたんですか?

稲荷田:まず、飛び込み営業は誰かにやらされたわけでも、Sansanのインサイドセールスの業務範囲でもないということを、前提としてお伝えしますね。
その上でマーケット開拓の手段として、「顧客の声を聞く」必要がありインサイドセールスの自分がやるべきだと意志決定しました。やると言った以上は成果を出して帰らなきゃと必死の思いでしたね。
県庁の事務オフィスにアポイントなしで突然行って、「Sansan株式会社の稲荷田です。企業誘致のご担当者さまいらっしゃいますか?」と、担当者とお話しする機会をいただきました。
実際にその場で商談を行い、案件につながる事例がいくつか作れたのは大きな成果だと思っています。
新しいことへのチャレンジでしたが、結果、とても楽しみながら公共領域の開拓に向き合っていました。

マーケットの解像度を上げるのは
インサイドセールスから

インサイドセールスは、マーケティング部門が獲得したリードに対して1to1でアプローチするのが一般的な仕事だと思うのですが、稲荷田さんはかなり領域を広げてマーケットに向き合っているんですね。

稲荷田:はい。インサイドセールス=テレアポのようなイメージがありますが、僕は自分の役割を公共マーケットの開拓だと認識していますので、取れる手段は幅広く持とう、と捉えています。
インサイドセールスは、数多くの顧客ともっとも早く、かつ直接接触することができるポジションなので、顧客の反応をつかみやすい。生きた情報集めができるのがインサイドセールスの特色であり、強みだと思っています。
実践を繰り返す中で、インサイドセールス部門からマーケットの解像度を上げていきました。
インサイドセールスが世の中のトレンドを押さえて部門へ還元することで、マーケット攻略の糸口を探りやすくなるのではないかと思っています。
荒澤:リードの獲得というのは、本来のインサイドセールスの業務とは離れますが、そういったところまで領域を広げて担ってくれるのは助かりますね。
稲荷田さんを見ていると、インサイドセールス=アポ取りでは全くないと感じます。ただ単純に顧客に電話をかけるだけのインサイドセールスのイメージからは脱却しています。
今は彼が集めてきた顧客の声を元に、マーケティング部との連携にも踏み込んでマスマーケティングを始めています。

従来のマーケ施策が 通用しない公共マーケット

マーケティング部門と連携した施策も行ったと聞いていますが、具体的にどのようなことを行ったんですか?

稲荷田:マーケティング部門と連携して業界に特化した施策を行い、リードを獲得する動きを行いました。
岡部:マーケとしては、リードが少ないという課題に対して、官公庁の特性を踏まえてSansanの導入に関わるキーマンのリードを獲得するための戦略を考えました。
そもそもSansanとして、様々なマーケティング施策を打ってきたものの、これまでほとんど接点を持てていなかった業界です。
インサイドセールスが得た情報を参考に、私の主務であるイベント企画で付き合いのあった広告代理店や、有識者の方々へのヒアリングを通して、公共マーケットにおいて意思決定を下す役職や部門に近いラインの方々に直接アプローチできるイベントに辿り着きました。
このイベントを通して、Sansanの目指す世界観を、公共マーケットにおいて意思決定を下す役職や部門の方々に直接伝えることができました。
その結果、自分たちが初めて連携して行った施策で、実際に受注につながる成果を上げることもできました。

施策を実行するにあたり、ハードルなどはありましたか?

岡部:前述の通り、省庁や地方自治体は一般企業向けのマーケティング施策では価値を届けにくい業界です。なので、このマーケットにSansanの価値を届けようとした場合、業界に特化した施策を実行する必要がありました。
難易度が高い分、リード獲得予算が通常の十数倍となるため、会社として向き合うべきかという判断が必要です。ここについては、領域戦略を担っている中島さんに先頭に立っていただき、営業戦略として打ち出すことができました。

マーケット開拓のやりがい

半年間、公共マーケットに向き合って、手ごたえを感じることはありますか?

荒澤:手ごたえは感じますよ。発足した当初と比べれば、プロダクトを提案する対象が明確になって提案もパターン化され、ようやく営業としての形ができてきました。
中島:まだまだこれからだと思っていますが、マーケット開拓としての成功事例を作れたことは大きな成果だと思っています。事業部の共通課題に対して、マーケ、インサイドセールス、営業の三位一体として向き合うことが重要だと感じています。個々人の主体性が今回のマーケット開拓の道筋につながっています。
岡部:マーケティング的な目線でいうと、今後どうやっていったら公共マーケットにおいてSansanのプレゼンスを発揮できるのかが見えてきました。ここからが勝負だと捉えています。
稲荷田:僕もまだまだこれからと感じていますが、契約をいただいた実績も生まれている中で、業界に対する課題解決のお手伝いが微力ながらできているのではないかと思っています。
相手のことを知る工夫を地道に行ったことで、お会いした方に「よく知っているね~」と褒めていただくことも増えてきました。今では自信を持って課題解決の提案をすることができています。

では今後の展望を聞きたいのですが、Sansanの公共チームで成し遂げたいことはありますか?

荒澤:自治体の課題解決をするパートナーの役割を担っていけたらと思います。例えば、自治体がSansanを利用することで今まで出会えていなかった企業と出会うことができ、最終的に自分たちの地域に企業を誘致することができたら、そこでやっとSansanが自治体に向き合った意義が出てくるのかなと思います。
高齢化による人口減少や一都三県に人が増える流れを変えて、地元の雇用が生まれ、町の活性化に貢献ができたらいいなと、ずっと思っています。
稲荷田:公共チームがゼロから手掛けた施策で、チームの連携のもとシンボリックな自治体や省庁への挑戦がしたいです。何というか、Sansanの公共チームから日本を変えていくような「Lead Japan」の気概を持っています!
岡部:これまでの取り組みから、まだまだやれることがある業界だと感じています。
今後は業界紙への出稿や、既にSansanに共感していただいている自治体と連携した施策を通して、Sansanの目指す世界観を丁寧に世の中に届けていきたいです。

強い連携があるから、 最大限の力が発揮できる

話を聞いていると、公共チームの飛躍はそれぞれの連携なしには成し遂げられなかったように思います。

荒澤:そうですね。僕は前職から公共部門に携わっていたのですが、Sansanでもチームをゼロから作れることはありがたい反面、不安もありました。一人でやらなければいけないのではないかと気負ってしまっていたんです。しかしマネジャーふくめ、インサイドセールスの稲荷田さん、マーケの岡部くんが主体的にミッションに向き合ってくれているおかげで、とてもすてきなチームが作れたと思います。
稲荷田:僕もチームのおかげで挑戦できています。
荒澤:僕が常に営業としてのバッターボックスに立ち続けることができているのは、マーケティング、インサイドセールスのお陰です。Sansanの分業制が機能している証しだと思います。
それぞれの部門での連携が全部かみ合わないとなかなか成し遂げられないことじゃないかと思っています。そういった面で、Sansanの営業組織はとても良い組織だなと思っています。

インタビュー後記

Sansan事業部 公共チームの皆さん、ありがとうございました!
公共チームの目覚ましい成長の背景には、マーケティング、インサイドセールス、営業のそれぞれの「マーケット開拓の当事者」としてのひたむきさと、思いに裏打ちされた数々の挑戦がありました。
主体的に動き、常に目の前の現実と向き合い続けたその先にある、最高な景色をSansanの仲間と一緒に見ませんか。
Sansanでは、一緒に働くメンバーを募集しています。ご興味のある方はぜひ採用情報をご覧ください。

text&photo: mimi