mimi

Sansanの
人・組織・カルチャーを
伝えるメディア

世の中を少しでも変化させるために。「Bill One」のマーケティングをリードしていく

こんにちは、mimi編集部です。今回は、Sansan事業部のマーケティング部、新規事業開発室、そして新設されたばかりのBill One事業部のマーケティングと、3つの部署を兼務する柳生大智に話しを聞きました。今回はマーケティングの立ち上げを担っているクラウド請求書受領サービス「Bill One」への仕事の向き合いかたにスポットを当てます。どんな思いで仕事をしているのか。Sansanで活躍する人の特徴などを語ってもらいました。

プロフィール

柳生 大智
Sansan事業部 マーケティング部 新規事業開発室 Bill One事業部

岩手県出身。2016年に新卒としてSansan株式会社に入社。クラウド名刺管理サービス「Sansan」のインサイドセールスに従事したのち、マーケティング部に異動。デジタルマーケティングや戦略立案、データべース設計、オペレーション構築を担当。2020年よりクラウド請求書受領サービス「Bill One」のマーケティングの立ち上げに向き合う。


Sansanとの出会いは
あるゲーム会社の面接

新卒で入社されたそうですが、まずは入社までの経緯から教えてください。

新卒といっても、ちょっと遠回りして入社しているんです。大学3年の時の就職活動は全然うまくいかず、それでもう一度自分のやりたいことについて考え直し「誰かの夢を後押しできるような仕事をしたい」と高校教師の道を目指しました。
2年かけて教職の免許を取り、進学塾の講師のアルバイトをしていましたが、生徒と接しているうちに「教師になる前に、自分が一度社会に出て働かないとダメだ」と思い直し、そこからベンチャー企業のインターンに参加するなど活動をしていました。

Sansanに決めた理由はなんでしょうか?

あるゲーム会社の面接を受けた時に、始まって5分もたたずに人事の面接官に「あなた、ゲームに興味ないでしょう」と見抜かれたんですよ。
その後は「あなたの人生をじっくり聞くから話してごらん」という、予想もしなかった展開になりました。そこから40分ほど話し込んだら、その方から「あなたにはSansanが合うと思うよ」と言われたんです。

他社の人事からの推薦とは。かなり異例ですね。

そう思います。もうひとつ決め手になったのは、Sansanが主催した、社員と座談会形式でフラットにコミュニケーションができるイベントに参加したことです。教員からSansanに転職し、カスタマーサクセス部に所属していたメンバーが、自身が経験した2つのキャリアを挙げて語っていて、その内容がとても魅力的に映りました。
加えてSansanで働く人たちの姿を見て、ここにいる人たちは、世界を変えるチャレンジを本気でしていて、自分がこの会社にいる意味を見いだしてる人ばかりだったことにも影響を受けましたね。
当時、僕は本当に自分に自信がなかったのですが、彼らとなら自分も何か達成できる、世界を少しでもよくすることができるのではと思いました。

「柳生ならなんとかしてくれる」が強み

「Bill One」に配属されるまではどのような道のりを?

新卒で入社し、最初の半年はインサイドセールス(内勤営業)を行うセールスディベロップメント部に所属していました。自分でもこの職種に対してとても可能性に満ちていると感じていましたし、もっと成果をだしたいと、やる気もありました。
ところが、ある日セールスディベロップメント部からマーケティング部に異動した上司から「来週からマーケティング部に来てって言ったらどうする?」と。どうするも何も、もう決まっている雰囲気だったので「じゃあ行きます」と、広告の領域に行くことになりました。

上司からの強いすすめがあったのですね。

はい。異動の話は以前からあったようで、当時の上司も数回断ってくれていたそうです。ですが、声をかけてくれた上司の「マーケティングは柳生に絶対合ってるから」という強い意見もあって。

他社の人事が「Sansanが合ってる」。上司が「マーケティングが合ってる」。要所要所で誰かに導かれることが多いですね。何か秘訣が?

いや、特に秘訣は……。思えば、今Bill One事業部でやっているのも、自ら手を挙げてというよりは、他から降ってきた感じが大きいですね。マーケティングが私に合っている理由について、「冷静に周りを見て状況を判断できるから」と、その上司からは言われましたが、それはその場しのぎで言ったんじゃないかな。
そういう明確な理由よりも、もっと漠然とした「柳生ならなんとかするだろう」という期待が強かったのかもと思います。もともと「強マッチ」で見いだした自分の資質や性格でも「回復志向」が上位ですし、自分でも「頼まれたらなんとかする」という部分が強みだと思っています。物事をあるべき姿に戻すことが好きだという特性もあって、そこを見てくれたのかもしれません。

仕事で心がけていることはどんなことですか?

自分が違うと思ったら、どんな相手にも論拠を立てて、それは違うとはっきりと主張すること。新人の頃も、バディを組んだ営業に商談に同席した後「なんでこっちの道で提案をしなかったのですか」とはっきり言うなど、その姿勢は入社以来変わっていないですね。

経験と成果が次の道につながる

マーケティング部ではどのようなことを?

Sansanが主催する年に1度のビジネスカンファレンス「Sansan Innovation Project」の集客担当を計4回行いました。並行してウェブ広告やプロダクトサイトのディレクションしましたね。その後はマーケの根幹でもある、データを扱う領域で1年半ほど管理者を担当しました。現在はイベントチームのマネジャーを務めています。
Sansanのマーケティングはある程度いろいろとやったと思います。どうやったら認知が広がるか、リードが取れるか、イベントが魅力的に伝わるかなどをひと通り経験した頃、新規事業のヒアリングがいくつか入ってくるようになりました。

新規事業に対して意見を聞かれるということですね。なぜ柳生さんに声がかかったのですか?

当時、新規事業として考えていたのがマーケティング部門向けのソリューションだったからでしょうね。マーケティングだったら柳生に聞けばわかるだろうとヒアリングに召喚されることが続き、徐々に新規事業開発室での認知度が上がりました。今はマーケティング部、新規事業開発室、Bill One事業部に所属しています。

改めて聞きたいのですが、「Bill One」とはどんなプロダクトなのでしょうか。

クラウド請求書受領サービス「Bill One」とは、あらゆる請求書をオンラインで受け取ることができるプロダクトです。紙やPDFといったデータ、全国から送られてくる多様なフォーマットの請求書をクラウドで一括で受け取ることができるサービスです。

「Bill One」の強みはどう捉えていますか?

2つあると考えていて、ひとつは名刺のデータ化で培ったデータ化の技術を持っていることが大きいです。ただし、名刺のデータ化技術がそのまま使えるわけではなく、請求書独特の文化もあるので、そこはチューニングしなければいけないところですね。
請求書ってなんとなく定型があって、と想像するかもしれませんが、実際には文章のような形で送られてきたりと判定が難しいものもあるんです。間違った判定があったらその度に原因を追及して精度を高めています。
名刺管理の実績のある私たちは、最終的にはどんなものでもデータ化できる自負がある。たとえ最初は精度が悪かったとしても、改善できるスキームを持っているので、その点では競合は追いつけないのではと思います。

もうひとつは?

「Bill One」は請求書を受け取る側だけが導入すればいいということ。デジタル化するためには、送る側も受け取る側も双方が同じシステムを使うことがこれまでの常識でしたが、「Bill One」は、発行側はシステムを導入する必要はなく、紙だろうがPDFだろうがなんでもOK、送り先が変わるだけなので立ち上がりが早いんです。
これが仮に発行する側にシステムの導入をお願いしなければならないとなると、かなり難易度が高く、時間もかかってしまいます。ですが、送り先を変えることをお願いするくらいだと、ハードルもそこまで高くなく、支払われる側は応じてくれますから。

小さい組織ながら粒揃いのメンバー

「Bill One」が目指す世界観とは?

請求書から働き方をシンプルにしたい。請求書にまつわる業務は、煩雑で手間がかかって、関わる人の多くがちょっと面倒、嫌だと思っているんですよ。
そこを解決できるツールを提供して、働き方をシンプルにすることを目指しています。それは一見、Sansanのミッションと離れていそうですが、実はつながっていると僕は思っています。

どんなところがですか?

私たちのミッションは「出会いからイノベーションを生み出す」です。請求書とは、企業と企業が出会って、お互いが価値を提供しあっているあかし。それをデータ化することは、イノベーションにつながるだろうと思っています。

「Bill One」の開発チームの構成について教えてください。

特徴的なのは、プロダクトマネジャー(以下、PM)が元経理のメンバーなんです。「Bill One」はそのPMの構想から始まったんです。彼が経理時代に感じた「なんでこんなに面倒な作業を繰り返してるんだ」という思いから、Sansanの名刺データ化技術があれば請求書もデータ化できると、事業のアイデアを寺田に持ち込んで始まったのが「Bill One」です。
新規事業開発室時代の開発陣がインタビューで語っていますが、プロダクトのコンセプトが決まるまで、決して平坦な道のりではありませんでした。だからこそ、プロダクトにかける思いは一層強いと感じています。
組織自体まだできたばかりで規模こそ小さいですが、チーム内にマーケティング、インサイドセールス、CS、開発とフルスタックが揃った独立した組織であることが大きな特徴ですね。少数ながら粒揃いです。
そんな組織が、Sansanという企業の中にあるとことに大きな意義がある思っています。Sansanのダイナミズムや資本などのバックグラウンドを持ちながら新規事業にチャレンジし、ここでまた新しいビジネスモデルが作れたらすごく面白いですよね。
メンバーもSansanの市場開発のナレッジをわかりつつ、それを請求書でやるならどうすればいいか、これまでのことが生かせる部分もありますし、全然違う市場なので通用しないことも多々あって、そこを考えるのがおもしろいですね。

チームはどんな雰囲気ですか?

誰かがやってくれることを当たり前と考える人が1人もいないので、とてもいいフェーズにあると思っています。Sansanだと仕事がきちんと分化されているので、例えば採用は人事がやってくれるだろうとか、システムが動いてくれるだろう等ありますが、「Bill One」はみんなで作っていくのが当たり前。
僕もマーケティングの立場で入っていますが、営業資料を一緒に作ることもありますし、営業もこれはマーケの仕事だろうなどとは言いません。そんな風に一緒に歩めている感覚がとても楽しいです。
ただ、入ってきたばかりの人は一瞬思うんですよ、誰かがやってくれるって。そうすると最初のミーティングで全然かみ合わないんですね。で、1週間ほどでだいたい察してますね、「あ、これ自分でやらなきゃいけないんだ」って。

聞けば「Bill One」の成長度合いはSansanやEightの比じゃないくらいとか。

それには理由があって、「Bill One」はすでに経理の業務フローがあって、困っている人が明確にいるので価値も伝わりやすいんです。
「請求書をオンラインで受領できます」と触りの部分を話すだけで価値が伝わる。Sansanは「名刺をデータ管理できます」と言っても、それだけではその価値が何につながるのかわからない。これまでに世の中になかった概念や価値をつくっているわけですから、伝えた方も難しいんですよ。この難易度の違いは大きいですね。

世の中が1ミリでも変わったと実感したい

新規事業、増えていますよね。

そうですね。Sansanの名刺周りのテクノロジーを横に展開していく視点や、アナログからデジタルに変える領域を探すなどの観点で着手できそうなことにどんどん取り組んでいるのが現状ではないでしょうか。
以前寺田が、今は名刺管理の領域でしか課題解決できていないけれど、これをもう少し広げていったら、新たなプラットフォームをつくれると語っていたことをよく覚えています。今、まさにそこに近づくためにさまざまな新規事業が生まれているのだと思います。
例えばオンライン名刺は私たちがやりたかったイノベーションでインパクトがあったとも思いますが、実際は世の中から紙の名刺がなくなるほどではなかった。これはとても残念に思っています。では、今後どうやったら紙の名刺がなくなるのか、オンライン名刺がもっと普及するのかを考え、オンライン名刺の使い方を作り出すのも新規事業の仕事です。
加えて直近でリリースされた「Smart Entry by Eight オンライン名刺」。これはオンライン名刺を使って、イベントなどに簡単にサインアップできます。オンライン名刺のQRコードだけで申し込みができるので、今までのような面倒な入力がいらないんです。こういった試みをたくさん行うことで、オンライン名刺が使われる流れを作っています。

柳生さんから見て、新規事業で活躍する人はどんな人ですか?

活躍しているメンバーを見ていると、これまでの得意不得意に関わらず、任された領域の仕事を作っていける人は強いと思います。チーム内に、これまではコンサルとして働いていて、新規事業ではCSをやっているメンバーがいるのですが、そのメンバーにとってはSaaSのCSなんて初めてだと思うのですが、これまでの知識を総動員して、足りないところはSansanのCSに貪欲に聞きに行きナレッジを集めながら、メンバーをぐいぐい引っ張っていってくれています。そういう人が活躍しています。

新規の仕事は、黙ってても何も出てこないし、自分でつくっていかなくてはならないですからね。

そういう意味では、入社する時の意思が強いことも大事だと思いますね。自分がこの会社にいる理由があって、ここでやりたいことと会社のミッションを重ね合わせられる人が活躍できると思います。
最初の意思が弱いと、途中で「自分は今何のために何をやってるんだろう」と存在意義がなくなり、迷いが出てきちゃうんですよね。

柳生さんが今後目指していることは?

僕自身、自分が何かを成し遂げるために働いていますし、Sansanのミッション達成を夢見て日々業務にあたっているので、それを実感することが目標でもあります。請求書の市場をきちんと取って、世の中の働き方が少しでも変わった、1ミリでも動いたなと感じるまで頑張りたいです。

入社前に自分にとにかく自信がなかったと話していましたが、そこは変わりましたか?

いえ、今も自信はないですよ。でも、きちんと向き合えば結果はついてくることがわかりました。10回トライすれば1回は納得のできる成果が得られることを経験したので、これからもたくさん失敗して、1回成功できればいいなと思います。その積み重ねを、前向きに続けていきたいですね。

インタビュー後記

2016年に新卒で入社し、多くの部署で頼られる存在となった柳生のインタビュー、いかがだったでしょうか。実際、彼の仕事を知るメンバーには「困ったら柳生に聞く」という暗黙的な認識があります。
SansanのVision「ビジネスインフラになる」を実現するための1つの武器であるBill Oneというプロダクト。熱いメンバーがそろったこのチームに、mimiではこれからも取材をしていきたいと思います。
この記事を読んでSansanで働くことに興味が生まれた方は、ぜひ採用情報をご覧ください。

text&photo: mimi