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インサイドセールスからスタートする、新しいキャリアの道

こんにちは、ビジネス統括本部の山口です。
昨今のリモートワークの普及により、新しい営業手法の一つとして注目を集めているのがインサイドセールスです。
しかしながら、インサイドセールスで得られるスキルやキャリアの展開を、あまりご存知ない方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
当社では2011年からインサイドセールス組織が存在していて、私が所属するセールスディベロップメント部がその役割に該当します。
今回は当社でインサイドセールスを経て現在さまざまな分野で活躍するメンバー3名をインタビューします。
インサイドセールスという業務とどのように向き合ったのか、そしてその経験がどのように活きているのか話を聞きました。

インサイドセールスから
組織の指揮へ

プロフィール

中島 聡
ビジネス統括本部 セールスディべロプメント部
SDR1グループGrM兼SDR2グループ シニアマネージャー

大学卒業後、文具・OA機器の専門商社へ入社。法人営業を中心に経験した後「より拡大余地のあるマーケットで、普遍的な営業スキルを身につけたい」という思いからSansanへ入社。主に中小企業領域を中心に、インサイドセールスに従事。未経験からのスタートながら着実に実績を重ね、四半期MVPを受賞。現在は、メンバーのマネジメントに向き合う。


まずはじめに、Sansanでのこれまでの経歴を教えてください。

中島:入社から一貫してインサイドセールスを担っています。配属当初は従業員規模1~200名規模の企業をプレイヤーとして担当し、1年半後にチームリーダーに就任しました。現在は1000名以下の企業を担当するグループのマネージメントを勤めています。

どんなキャリアを想像してインサイドセールスの部署に入りましたか?

中島:当時はインサイドセールスが営業の登竜門的な立ち位置の部門だと思っていたので、「営業に行くんだろうな」と漠然とネクストキャリアを考えていました。

実際にインサイドセールスをしてみてどうでしたか?

中島:率直に、奥が深いと感じました。
インサイドセールスは、営業と同等の営業力も求められるとともに、さまざまな顧客データを活用しながらリード(見込み顧客)に対してどのような手段や伝え方でアプローチすれば成果が最大化できるのかを考えることが仕事です。その工程はマーケティングに近いと思っています。そのため、営業とはまた違った力が求められ、面白みを感じましたね。
また、同時にインサイドセールスに秘められたキャリアの可能性に気づくこともできました。

どんな時にキャリアの可能性を感じたのでしょう?

中島:プレイヤーだった当時、インサイドセールスのマネジャーが営業部長や事業企画部長といったポジションへ就任する辞令を多く目にしてきました。
というのも、インサイドセールスはマーケティングと営業をつなぐハブの役割を担っているため、広い視野で物事を捉える俯瞰力が鍛えられるのです。だからこそ、インサイドセールスのマネジャーが、営業としてのプレイヤー経験がなくとも高い視点で物事を洞察する能力を活かし、マネジメントキャリアを築くことができるのだと思います。
私自身、こういったシーンを目にして、「インサイドセールスとしての経験が組織を動かすマネジャーとしての仕事に活かせる」と実感しました。インサイドセールスが今後の自分のキャリアを広げていくのにベストな職種だと感じ、私自身もプレイヤーからインサイドセールスのマネジャーを目指すようになりました。

プレイヤーで培ったスキルが
マネジメントに活きること

マネジメントを目指そうと思ったきっかけがよくわかりました。ちなみに、インサイドセールスで培った経験やスキルはどのようなものだったのでしょうか?

中島:シンプルですが、PDCAを回す力と、数字や根拠を元にコミュニケーションを取る力の2つです。
インサイドセールスの業務には、日々のアクションの数値が可視化されボトルネックを把握しやすいため、仮説検証のサイクルをスピーディーに回せるという特性があります。
自分のアクションの変化が数値に現れるため、毎日コツコツとアクションの改善を繰り返していたことが、PDCAを回す習慣につながったのではないかと感じています。自分の数字がベースとなっているため、定量的な根拠を元にコミュニケーションを取ることも自然と身に付きました。
マネジメント業務はインサイドセールスほどすぐ結果が見えないのですが、向き合う数字や関わる人が多くなっただけで基礎は変わらないと考えています。

なるほど。現在の業務にどうつながっているのか、もう少し具体的に教えていただけますか?

中島:主に組織の戦略を立てるとき、そしてチームで実行するときに活きていると感じます。 組織の戦略を立てる際は組織レベルで大きくPDCAを回しますし、メンバーをマネジメントする際も、数字を根拠にコミュニケーションを取ることで目線をずらさずに改善すべきポイントをおさえることができます。
また、他部署との連携においても、異なるミッションを持ったメンバーに動いてもらうために、意志と意図に合わせて数値や根拠も伝えることで協力が得やすくなります。
今述べた、PDCAを回す力、数字や根拠を元にコミュニケーションを取る力はどちらもビジネスパーソンとして基礎のスキルかと思いますが、これらが基本として身についていることは自身の力になっていると感じます。

改めて、Sansanフロント組織におけるインサイドセールスの役割とはなんでしょうか?

中島:そうですね、私は会社の売り上げを生む心臓部分だと自負しています。
SansanはThe Model型のフロント組織なので、マーケティング部が獲得したリードをもとにインサイドセールスが商談を創出しています。そして、営業が具体的に提案を進めて受注に至り、導入後の活用支援をカスタマーサクセスが担うことで売り上げを作るといった流れを持っています。
そのため、営業にとって私たちインサイドセールスが創出する商談数が絶対的な母数になるので、ここの成果は落とせません。
また、仮にマーケティング部から供給されるリードが少なくなってしまう場合は、リードに依存しない商談獲得に向き合ったり、営業のリソースが逼迫している時は、お客さまの検討状況を代わりにヒアリングしインサイドセールスが案件を前に進めていきます。
このように、一般的なインサイドセールスの役割を超え、独自のアプローチを生み出して売り上げを作る心臓部分の組織ということがことがSansanのインサイドセールスの強みであり、価値だと感じます。

インサイドセールスから
マーケティングへ

プロフィール

佐藤 早希子
ビジネス統括本部 マーケティング部 リードストラテジーグループ

栄養・食物学系大学卒業後、食品卸会社にて商品仕入れや商品開発、営業企画を経験。2018年1月にSansanへ入社し、インサイドセールスを経て、現在はマーケティング部でリードナーチャリングといわれる、見込み顧客の購買意欲を高める業務に向き合う。


まずはじめに、Sansanでのこれまでの経歴を教えてください。

佐藤:約3年、インサイドセールスを経験しました。最初の1年はスモールビジネス領域の新規開拓、2年目からはSansanをご導入いただいている既存顧客領域の担当、3年目で既存領域の西日本エリアの立ち上げを経験しました。
現在はマーケティング部に所属し、インサイドセールスがアプローチする以前のリードに対してマーケティングツールなどを用いて導入意向度を高めるため、日々さまざまな施策の企画や実行をしていいます。

どんなキャリアを想像してインサイドセールスの部署に入りましたか?

佐藤:当時は明確にはキャリアを想像していなかったです。 前職は営業のアシスタントとしてお客さま向けの提案資料や販促品の制作、商品企画などを行っていましたが、会社への貢献が見えづらく、やりがいを感じられていませんでした。
また、私は営業経験がなかったのですが、Sansanの採用募集を見て、インサイドセールスなら事業貢献できる実感が持てそうと思い、入社を決めました。

実際にインサイドセールスをしてみてどうでしたか?

佐藤:前職の環境からの転職はギャップも大きく、想像以上に毎日が刺激的でした。
日々のコミットメントを定量的に計り、それに基づいて行動をしていく習慣がなかったので、それを身につけられたことは非常に良い経験だったと感じています。
一方で、目標達成が危うい時はヒヤヒヤしていましたし、思うように成果を出せなかった時は悔しい気持ちになることもありました。それでも、ボトルネックは何なのか考え改善を繰り返していたので、結果として成果につながったときは非常に大きな達成感がありました。
また業務に向き合うなかで、面白さを感じるようなシーンもありましたね。
ある日、営業の方に「インサイドセールスからの商談創出を一時的に止めてくれないか」と言われたのです。
これは、供給に対して営業の手が回らず、すでに案件のあるお客さまへのフォローが疎かになってしまっていたため、営業が下した判断でした。
商談創出が目標であり、成果に向き合っていた私にとっては非常に苦しい状況でしたが、これをチャンスと捉え「営業の役割を巻き取り案件を前に進める」ということにも挑戦しました。
具体的には、Sansanの検討が思うように進まないお客さまへインサイドセールス自ら連絡をして、懸念点などを聞いて回ったんです。
通常、営業の方がコミュニケーションをとっているお客さまへ、インサイドセールスが連絡をするということはなく、新しいチャレンジでしたが、当時求めていたやりがいと手応えを感じられ、とても充実していました。

顧客に向き合った経験を
マーケティングでも

枠にとらわれず、自ら役割を見つけ業務範囲を広げていたんですね。インサイドセールス で培った経験はどのように今の業務に活きていますか?

佐藤:日々定量的に数字に向き合う習慣と、顧客に対する理解度の深さです。特に後者はマーケティングの仕事をする上で、自身の強みだと感じています。
インサイドセールスだった当時、数字が伸び悩んだ際、まず改善に取り組んだのはお客さまとの通話時間でした。せっかくお客さまに電話がつながっても、うまくコミュニケーションが取れず短時間で終話してしまうことも多かったんです。
その理由を考えるため、改めてお客さまの情報をよく見てみると、多種多様な接点で当社と関わりがあることに気付きました。
お客さまはマーケティング部が行った、どういったイベントに関心があったのか、そして参加したのか、または申込みをしただけなのか。
お客さまによってSansanとの接点濃度は異なることに気付くと同時に、どのお客さまにもいつも定型の挨拶では会話が続かず終話してしまうのも無理もないと気付きました。
そういったお客さまの行動(アクション)を背景まで深く理解し、パーソナライズしたコミュニケーションを取ることで、お客さまとの通話時間が格段に向上することできました。
佐藤:そういった工夫により、商談創出数を伸ばせた経験から、その後マーケティング部に異動したのですが、自分がインサイドセールスだったら施策のどういう情報がほしいかを常日頃考えるようになりました。
なので、インサイドセールスの情報源となる顧客データベースには、お客さまがどういった導線で資料を閲覧されているのか、どういったアクションをとったのかなどの情報を蓄積するだけでなく、お客さまとどんな挨拶で会話を始めればいいかというシナリオまで追記するようにしています。
最近では「佐藤さんの施策共有はわかりやすく、お客さまと会話しやすかった」や、「商談とれました!」などのフィードバックをもらうこともあり、非常に嬉しい気持ちです。
インサイドセールスの経験があってこその喜びかなと感じています。

マーケティング部でもご活躍されているんですね。とはいえ、インサイドセールスからマーケティングへのキャリアチェンジは大きなチャレンジだったと思うのですが...

佐藤:もちろん、マーケティングを経験したことはなかったので不安はありました。
しかしインサイドセールスという組織自体が、業務上他部門と連携することが多い性質を持っているので、自分の経験もどこかで活かせるのではないかと期待していました。
インサイドセールスでの成功経験が今のチャレンジングなマインドを支えていると考えています。

インサイドセールスから
新規事業開発へ

プロフィール

佐々木 寛也
Sansan Unit Product Marketing グループ

大学卒業後、アウトソーシング業界にて、大手メーカー企業を対象とした営業管理や〜戦略企画を経験。2019年7月、Sansanに入社。西日本エリアの企業を中心に、インサイドセールス業務に従事。現在は、新規ソリューションを通じて、さらなる価値の提案と顧客のこれからに向き合う。


まずはじめに、Sansanでのこれまでの経歴を教えてください。

佐々木:Sansanに入社後、インサイドセールスを行うセールスディベロップメント部に配属されました。西日本エリアを担当し、約1年間インサイドセールスとしての業務全般を経験しました。
その後、Sansanをベースにした新規ビジネスの企画と拡販を行うSansan Unitのプロダクトマーケティンググループに異動となり、新規事業を世の中に広める活動を中心に行いつつ、他方で新規事業である「Seminar One」のインサイドセールスの立ち上げや、企業のペーパレスDXに向き合うコンサルティング事業も経験してきました。

どんなキャリアを想像してインサイドセールスの部署に入りましたか?

佐々木:前職では営業企画・営業管理の仕事を担当していたので、そこで培った強みが活かせるキャリアを想像してました。ただ具体的に想像できていなかったのが正直なところです。何となく「営業の教育や仕組み作りに携わるのかな?」「営業のマネージャーかな?」と。
異業種からの転職だったこともあり、Sansanの組織構造の理解が浅かったですし、インサイドセールスのキャリアパスに関する情報が今ほど豊富になかったので、実際にやってみてから考えようというのが当時の率直な思いでした。

実際にインサイドセールスをしてみてどうでしたか?

佐々木:顧客の解像度と現場の肌感覚をスピーディーに高められたことは私にとって価値だったと振り返って感じています。
インサイドセールスは1日に何十というリードにアプローチしますので、顧客と直接接する機会がどの部署よりも圧倒的に多いのが特徴です。
自然と顧客の生の声が日々の業務を通して入ってきますので、現場の実態が見えてきます。
自分たちが対峙する顧客は何を課題と捉え、何を解決したいのか、「顧客を知る」という体験と、その顧客に対して「価値を届ける」体験を同時にかつ大量に行えるのはインサイドセールスしかないと思っているので、この職種を経験できて良かったと思っています。

不確実かつ未確定要素の多い環境で発揮する スキルとマインド

インサイドセールスで培った経験やスキルはどのようなものでしょうか?またどのように今の業務に活きていますか?

佐々木:インサイドセールスを通して養われたスキルやマインド大きく3つあります。
1つ目は「仮説検証を癖づける」です。前述した通りインサイドセールスは顧客と直接接する機会がどの部署よりも圧倒的に多いです。それがゆえに、アプローチ方法や内容を自発的に考え変えていく、小さな仮説検証を行える環境が整っています。
2つ目は「抽象化」です。インサイドセールスは限られた時間でプロダクトの価値を届けなければなりません
。 具体的な機能や事例を把握しつつそれを抽象化し、お客さまの何をお手伝いできるのか、を端的かつシャープに伝える必要があります。インサイドセールスに従事していた当時、お客さまに「刺さる」表現は何かという問いにはかなり向き合っていたので、コピーライターの勉強をすることもありました。
3つ目は「数字やファクトで物事を判断する」です。インサイドセールスは様々な指標を数値化できる職種なので、成果や行動指標に関しては必ず数字とファクトを基に意思決定を行う癖が自然とついていました。
佐々木:3つのスキルやマインドは、今の新規プロダクトマーケティングの業務にも活かされています。
私が現在所属するProduct Marketing グループは、「どのようなプロダクトが売れるかを考え、そのプロダクトの売り方を決め、売れる仕組みを構築する」ことに責任を持っている部門です。つまり、まだどのように売るか未確定な要素が多く不確実性が高い組織と言えます。
そんな中、インサイドセールスで身に付けた仮説検証力が新規プロダクトに向き合い日々思考を回す上で非常に役立っています。
また新規プロダクトの売り方やセールスストーリーを構築する上で、抽象と具体のバランスを考えてプロダクトの価値をわかりやすく伝える力も必要になりますし、不確実であるからこそ数字やファクトをベースにした意思決定でプロダクトの方向性を決めていく事も重要です。
このように、インサイドセールスで身に付けたスキルやマインドがベースになって今の業務に向き合えていると実感するシーンは多いです。

新規プロダクトに向き合っている佐々木さんは、Sansanにおいてインサイドセールスはどういう価値を発揮していると思いますか?

佐々木:新規プロダクトに携わる立場になり今まで以上に感じることは、インサイドセールスはリアルな顧客の声を、プロダクトや他部門へ反映できる立場にいるということです。
インサイドセールスを行っていた当時はあまりピンときていなかったのですがプロダクトを作る立場になってみて、顧客の生の声を基にスピーディな仮説検証を行えるインサイドセールスは恵まれているなと感じることが増えました。
インサイドセールスはSansanのプロダクトやあらゆる施策をより良くできる立場として、大きな価値を発揮していると感じています。


インタビュー後記

インサイドセールスの可能性に惹かれ、Sansanにジョインするメンバーも増えてきています。
セールスディベロップメント部では、現在約70名ほどのメンバーが所属していますが、直近1年(2020年7月1月~2021年6月30日時点)でインサイドセールスから社内で新しいキャリアへ挑戦したメンバーは、合計で31名を占めています。
(新規事業開発室14名、カスタマーサクセス4名、営業8名、人事3名、マーケティング2名)
組織や事業の成長ともに挑戦の幅は無限に広がっています。
スピード感ある環境でインサイドセールス業務を経験することは大きな刺激と成長をもたらすのではないでしょうか。
Sansanでは、一緒に働くメンバーを募集しています。ご興味のある方はぜひ採用情報をご覧ください。
interview&text: ビジネス統括本部 山口洋子  photo: 人事部 高橋淳