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最高の仲間たちとの出会いから生み出したSansan初のフィンテック事業

組織を急拡大しているSansanでは、近年、起業経験者や大手企業で幹部として活躍していた人材が多くジョインしています。さまざまなバックグラウンドを持つ彼らが、そのキャリアの過程で今なぜSansanを選んだのか。そしてどのような仕事に向き合っているのか。人事戦略を統括するCHROの大間との対談形式でお伝えしていくシリーズ「CHRO Interviews」。第3回目は、インボイス管理サービスBill Oneの事業部で事業開発を担当する鷹嘴との対談です。

 

 

PROFILE

大間 祐太 Yuta Ohma
取締役/執行役員/CHRO(Chief Human Resources Officer​)

人材系企業で採用コンサルティング事業の立ち上げを経験し、その後独立。取締役として採用領域のベンチャー企業立ち上げに携わる。2010年にSansan株式会社へ入社し、営業部門のマネジャー、人事部長を務める。現在はCHROとして、人材価値を高めるための人事戦略を指揮する。

鷹嘴 成寿 Naritoshi Takanohashi
Bill One事業部 事業開発

大学卒業後、アクセンチュア株式会社に入社。官公庁や自治体のコンサルティングを経て、株式会社リクルートへ転職。住まい領域における事業責任者などを経て、2017年7月、株式会社トレタ入社。営業推進、法人営業責任者に従事後、2018年7月、飲食店向けコンタクトセンターサービスの開発・販売を行うトレタCC株式会社を設立。事業成長を推進しながら、トレタの事業開発・アライアンス全般を統括。


ミッション、ビジョンへの向き合いと
最高の仲間の存在が決め手に

大間:鷹嘴さんは飲食店の経営をサポートするSaaSを提供する株式会社トレタで執行役員を務めたあと、2022年にSansanに入社してもらいました。インボイス管理サービスのBill One事業部にて、事業開発を担ってもらっています。改めて、これまでのキャリアについて詳しく話してもらえますか。

鷹嘴:大学卒業後、アクセンチュアに入社しました。官公庁を担当し、人事制度の改革支援などのコンサルティング業務を経験しました。もともと自治体に関わる仕事がしたいと思っており、5年目で自治体を担当するグループへ異動しました。その頃、「クラウドの衝撃」という本に出会ったんです。まだクラウドというものが今のように一般的ではなかったのですが、この本の内容に衝撃を受けました。それがきっかけで、基幹システムをクラウドにリプレイスするというプロジェクトのマネジャーを担当することになりました。最後は再び官公庁のプロジェクトの立ち上げに関わった後退職し、リクルートへ転職しました。

当時リクルートは、住まい、暮らしの領域にドメインを拡張しようという時で、責任者としてBtoB、BtoCそれぞれの新規事業を推進しました。その後組織の再編などがあり、別の道も選択肢に出てきていた中で、SaaSビジネスに可能性を感じ、飲食店の経営をサポートするSaaSを手がけていたトレタへ行くことを決めました。元々アナログな領域にSaaSをかけ合わせることによって、エンドユーザーに対して新しい価値を提供するサービスを作って広めたいという想いがあったんです。法人営業の責任者を経て、子会社の設立や、事業開発アライアンス全般を統括していました。

大間:コンサル、新規事業の推進を経て、SaaS領域での事業開発、経営までを経験していますね。今回、転職するにあたって軸にしていたことはありますか。

鷹嘴:自分の人生の少なくとも10年を費やしてもいいと思った会社に入り、その成長に貢献したいと考えていました。そのための軸は二つありました。ミッション、ビジョンへどのくらい真摯に向き合っているかということと、最高の仲間がいるかということです。Sansanの場合は、入社前に何名かの社員と会って、それらが全て当てはまったんです。

大間:よく代表の寺田さんが話すのですが、Sansanはミッション、ビジョンの実現のために集まったプロジェクトのようなもので、極端な例えではありますが、明日それを実現できたら解散してもいいと言っているくらい、とにかくミッション、ビジョンドリブンな会社です。その姿勢に共感して入社してくれている者が多く、みんな同じ方向を向いており、一人ひとりの熱量がとても高いと思っています。同じように感じてもらえて嬉しいです。

入社から1年ほど経過しましたが、入社してまず進めたことについて教えてください。

鷹嘴:クラウド会計ソフト「freee」とのAPI連携のディレクションです。国内企業の99.7%を占める中小企業のDXを支援するために立ち上げた「中小企業DX支援プロジェクト」の一つとして、スモールビジネスの経理業務支援に強みがあるfreeeとの連携を開始しました。


法人カードの業務課題に着目し
「Bill Oneビジネスカード」をリリース

大間:直近では2023年5月の「Bill Oneビジネスカード」のリリースを主導してもらいましたが、詳しく聞かせてもらえますか。

鷹嘴:Bill OneはMRR、獲得件数ともに高い成長率で推移していますが、Bill Oneを介してやり取りされている請求書の金額は年間16兆円くらいあります(※1)。これはすごいアセットだと思いました。これを使って新しいビジネスができないかというところから議論がスタートしたんです。

最初は法人カードではなく、ファクタリング(※2)はどうかという話になり、2022年の5月くらいから検証を始めました。ところが、200社くらいに提案のメールをしたにもかかわらず、一件も返信がなかったんです(笑)。

そこからまた色々議論していったのですが、ある時Sansanの経理部のマネジャーである黒田さんが閃いたと。クレジットカードはどうですか?と提案してくれたんです。

※1 2023年4月分の総請求金額を年換算したもの。

※2 売掛金(売掛債権)を売却して資金調達する手法。入金サイクルを短縮できるため、資金繰りの改善が可能になる。

大間:法人カードの業務課題に着目したんですね。

鷹嘴:はい。法人カードの利用は広がっていますが、業務課題も多いんです。

まず、アナログな業務が根強く残っていること。領収書や請求書など証憑を回収して、その上一件一件、人の手で明細と突き合わせています。数件ならまだしも、毎月数百件ということもざらです。

さらに、2023年10月からはインボイス制度が始まります。証憑が適格請求書の必要項目を満たすかどうか確認する必要があるなど、法人カード業務はさらに複雑化することが見込まれています。

請求書と法人カードに関する業務をBill One上でデジタルに一元管理できれば、飛躍的に生産性が上がるのではと思い、社内の経理メンバーにも何度もヒアリングして、テストマーケティングを行いました。これはぜひ使いたいという反応をもらったので、開発を進めることになりました。

非常にタイトなスケジュールでしたが、開発のメンバー、事業開発のメンバーもかなりのスピード感を持って取り組み、予定より1カ月早くリリースをすることができました。

Bill Oneビジネスカード 記者発表会の様子

大間:記者会見も行い、メディアでも多数取り上げられましたね。このプロジェクトは、先日行われた全社会議で、バリューを体現した個人やチームを表彰する「Sansan Values Star」(以下、SVS)のチーム賞を受賞していました。改めておめでとうございます。

鷹嘴:最高の仲間と働きたいと思って入社して、そんな仲間たちと一緒にSVSを受賞することができて嬉しかったですね。Bill Oneビジネスカードは、記者会見の時点ですでに約200社にお申し込みいただいていました。滑り出しとしては上々かもしれませんが、サービスの価値が問われるのはこれからなので、身の引き締まる思いです。

Sansan Values Star授賞式の様子


調整力ではなく、機動力
意思決定し、推進していくリーダーがもっともっと必要

大間:すでに大いに活躍してくれていて、採用に携わった立場としてとても嬉しく、頼もしく思っています。Bill Oneは、我々がビジネスインフラになるための成長の鍵を握る非常に重要なプロダクトだと思っているので、今後も大いに期待しています。

ここからは、いくつかの組織を経験して中途入社してきた、フラットな視点での意見を聞きたいのですが、Bill Oneに限らず、さらに事業全体を伸ばしていくためには、組織として何が必要だと思いますか。

鷹嘴:やはり、強力なリーダーシップを持つ人が今以上に必要だと感じています。調整力だけではなく、機動力。意思決定し推進していけることです。Sansanの経営陣は本当に優秀だと思いますし、ガバナンスも強固だと感じます。一方でスタートアップマインドは残っており、新規事業にも積極的でスピード感もある。チャンスはたくさんあるので、自分がSansanの事業を伸ばしていくんだ、くらいの気持ちで意思と意図を持って発言、行動できる人が増えていけば、さらに非連続な成長ができると思っています。

大間:そうですね。イノベーションを起こし、ビジネスインフラになっていくためには、事業を牽引していくことができるリーダーがさらに必要です。鷹嘴さんのように、外部での経験が豊富で事業を作っていく精神もある、これからの会社を引っ張っていけるような人にどんどんジョインしてもらいたい。ポジションありきではなく、一人ひとりのバックグラウンドや強みに応じて、新しい役割を提案することもしていきたいと思っています。

コロナを経て、Sansanも次のフェーズへ移行している実感があります。これまでの経験を存分に活かしながら新しい挑戦をしたいと考えている人には刺激的な環境かと思いますね。

 

 

text&photo: mimi