障がいのあるメンバーがやりがいを持ち、継続して働ける環境とは? これは、障がい者雇用において、多くの企業が向き合っている問いです。そして当社もまた例外ではありませんでした。2014年から取り組みを開始した障がい者雇用ですが、現在では30名近くのメンバーが在籍し、それぞれの強みを活かすことを大事にしながら業務に向き合える環境が整っています。これまでの軌跡と、雇用において大切にしている想いについて、人事本部Employee Success部 DEI & Wellnessグループの高橋と阪井に話を聞きました。
PROFILE
阪井 真菜美Manami Sakai
人事本部 Employee Success部 DEI & Wellnessグループ
大学卒業後、音楽・飲食関連のサービス業や、採用代行会社・大手OA機器会社での事務職を経験。2019年Sansan入社。現部署にて人事施策の運営/イベント運営/精算業務などを担当。産前産後休業・育児休業取得し2023年4月復帰後からは、障がい者採用/社員の健康増進施策に従事。
高橋 若葉Wakaba Takahashi
人事本部 Employee Success部
大学卒業後、大手金融機関に入社し、8年間営業に従事。その後医療系IT会社での営業を経て2019年にSansanエンタープライズ営業部に入社。2022年3月に人事本部へ異動し、社員の生産性向上・エンゲージメント向上を目指しオンボーディング、カルチャー浸透に係る複数業務を担当。現在は障がい者採用とオンボーディングに携わっている。
強みを活かし
継続的に働ける環境とは
初めに、2人の役割と現在取り組んでいることを教えてください。
阪井:人事本部Employee Success部 DEI & Wellnessグループに所属し、障がい者採用と社員の健康増進施策に従事しています。
高橋:人事本部Employee Success部にて、2023年から障がい者採用とオンボーディング、そして社員の生産性・エンゲージメント向上の施策に従事しています。
Sansanではいつから障がい者雇用に取り組んでいるのでしょうか。
阪井:2014年から取り組んでいます。当社が掲げる企業理念「Sansanのカタチ」に掲げているバリューの一つ「強みを活かし、結集する」という言葉にも表れているように、単に法定雇用率を満たすということではなく、障がいがあるメンバーが強みを活かして活躍できる場を作りたいという思いを大切にしています。現在は30名近くのメンバーが在宅という環境下で、正確かつスピード感を持って着実にデータ化を行うことを強みとする個性豊かな仲間が集まっています。
現在向き合っている障がい者採用の課題について教えてください。
高橋:安定的かつ継続的な雇用の創出をどう担保するかが大きな課題でした。なぜなら障がいのあるメンバーは、自身の強みを発揮し特性にあった働き方を実現することが重要です。そして当社は雇用のために無理やり業務を創出せず、事業成長に直結する業務に従事してもらいたいと考えています。この双方の実現はとても難易度が高いことだからです。
また当社では、成長戦略の一環として人材採用を強化しており、2024年1月現在で従業員数は1500名を超えています。増加率も伸び続けているため、国から求められる障がい者の法定雇用率を達成することにも向き合っています。
確かに、他社でも雇用率を満たしながら、継続的に障がいのある方が働ける環境を整えることが課題とよく聞きます。
阪井:そうですね。障がいのある方にとってはまず自身が働きやすい環境でないと継続的に勤務できないという悩みがあると聞きます。
高橋:働きやすい環境とは、人間関係で悩むことなく、障がい特性に対して理解や配慮があること、業務自体が特性とマッチしていることが大切だと言われていますが、一人ひとりが違う感覚や価値観を持っているので、全ての人にとってベストな環境とは何かを考え始めると思考が発散し、結論を出すのに苦労しました。
阪井:業務の内容においても同様です。障がい者雇用に取り組み始めた当初、メンバーが担っていた業務は営業DXサービス「Sansan」における名刺のデータ化でした。名刺のデータ化業務は、一定の習熟が見られれば、在宅勤務できることが大きな魅力です。しかし習熟するまでの研修期間が比較的長期にわたるため、通勤が可能な方にしかフィットしない、という側面がありました。
なるほど、そこで名刺のデータ化以外の働き方も模索したのですね。
阪井:2023年夏以降、インボイス管理サービス「Bill One」、契約データベース「Contract One」に関わり、請求書や契約書などのビジネス文書のデータ化および画像処理業務を担当することになりました。名刺をデータ化するSansanとはデータ化のプロセスが違い、請求書や契約書の方が研修期間を短縮化できる見込みがあったため、舵を切りました。
スムーズに方針を打ち出せたのは名刺業務で当社を支えてくれている方々の知見によるところも大きいです。
高橋:在宅勤務を見据えつつ、自分のペースを保ちながらスキルを身につけ能力を発揮していくことができる業務なので、障がいのあるメンバーにとっても働きやすいと思いました。これを実現できたのはデータ化を担っている技術本部メンバーの理解と協力によるところも大きく、7人8脚※を感じる改革でした。
※7人8脚:各部署がお互いの業務を理解し、積極的に情報共有や相互フィードバックをすることでリスペクトし合うというSansanの文化。
具体的にはどのように変えていったのですか?
阪井:はい。データ化業務に向いている人の特性ともマッチするのですが、これまで一緒に働いてきたメンバーは、落ち着いた環境で着実に仕事を進めることが得意だと感じていました。そのためまずは「落ち着いた環境=自宅」でできる仕事であることが必須条件だと考えました。
そこでデータ化業務を管轄している技術本部メンバーに相談し、業務内容の構築や在宅勤務に向けての流れを調整し、新しいポジションでの採用活動に踏み切りました。
一カ月程度で調整できたことは、「最速を目指す」というバリューを体現できたと感じています。
結果としてどうでしたか?
高橋:現在は大変良い状況を作ることができています。無理なく業務をキャッチアップし、メンバーが疑問点をため込まずに質問できる体制を構築したことで、やりがいを持って取り組んでいるという印象です。
阪井:自分たちの行っている業務が、会社のため、世の中のユーザーのために役立っていることが肌で実感できるのもモチベーションにつながっているかもしれません。
一人ひとりのやりがいと楽しさを
プロダクトの成長につなげたい
お二人の障がい者雇用に対する思いを教えてください。
阪井:障がい者の方たちがストレスなく安定的に業務に取り組めること、そしてその業務が当社のプロダクトの成長に直結しており、大事な役割を担っていると実感できることが一番の理想です。よりマッチする業務を整えられ、また高橋がオンボーディング担当として大きな柱となったことで、採用も加速しました。今後はもっと仲間を増やし、Sansanの障がい者雇用に対する社内外の認知を高めていきたいです。
高橋:私たちは「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げていて、その実現のためには仲間がもっともっとたくさん必要です。その採用とオンボーディングにダイレクトに関わることができて嬉しいです。
またメンバーから「難しいけれど、できるようになるとやりがいがあります」「仕事が楽しいです」「自分の特性に合っています」というポジティブなフィードバックをもらうこともあり、同じ方向を見て進んでいるという実感も私自身のやりがいにつながります。
最後に、この記事を読んでいる方に伝えたいことはありますか?
阪井:Sansanでは、会社の成長と自分自身の成長を重ねて、チームで大きな成果を生むことが好きな仲間をいつも探しています。自己の能力を活かして長期的に貢献しながら、自らのスキルアップを目指す方々と出会えることを楽しみにしています。
高橋:直近3年間で社員数は600人以上増え、事業とプロダクトも着実に成長しています。この変化に富んだフェーズを一緒に楽しみながら働ける仲間を求めています。