mimi

Sansanの
人・組織・カルチャーを
伝えるメディア

社内制度責任者が質問に答えます。「全ての社員が活躍できる」環境をつくるために

Sansanの社内制度は、社員がいきいきと全力で仕事に向き合うことで、当社が掲げるミッション「出会いからイノベーションを生み出す」の実現につながることを前提に設計されています。今回は、そんな社内制度の設計から運用までを担う人事本部Employee Success部の平山と我妻の両名が、採用面接でよく聞かれる社内制度に関する質問に回答します。

 

PROFILE

平山 鋼之介Konosuke Hirayama
人事本部 Employee Success部 部長

大学在学中にIT関連の事業開発を経験した後、大手商社系事業会社にて流通業界担当営業を経て人事部に異動。採用、人材開発、組織開発、社内制度運用の責任者を経験。その後大手IT企業にて人事部副部長としてグループ全体の人事を担当。2021年Sansan入社。現在は人事本部Employee Success部長として社内制度設計から組織・人材開発、労務まで幅広く担当。

我妻 小夜子Sayoko Wagatsuma
人事本部 Employee Success部 DEI & Wellnessグループ GrM

大学卒業後、専門商社で営業を経験後人事部門で新卒採用を担当。2013年12月にSansanに入社し、人事部門にて社内制度設計・運営を中心に、人事評価、障がい者採用、全社イベント、マネジメント業務などを担う。2021〜2022年に産育休を取得し、復帰後はグループマネジャーとしてダイバーシティ推進と健康増進から事業成長を後押しする取り組みに従事。

 

Q.社内のコミュニケーションについて

Sansanが社内の出会い
つながりを大切にする理由

「入社後、社員同士が交流する機会はありますか?」など、社内コミュニケーションに関する質問が多く寄せられています。平山さん、いかがでしょうか。

平山:Sansanは各部署がお互いの業務を理解し、リスペクトしあうカルチャーを大切にしているため、社内コミュニケーションを活性化するための制度が多くあります。

大きく二つに分類され、ひとつは「社員同士が新たに出会うための制度」そしてもうひとつが「社員同士が交流を深めるための制度」です。

まず「社員同士が新たに出会う制度」の中で、中途入社した社員が必ず行うのが「ななはち」です。これは入社後、5日間のオンボーディングプログラム「SCOP」を受けた後に、社員と2on1形式のミーティングを行う制度です。業務内容や入社動機等お互いの自己紹介からはじまり、入社者が知りたい事や現場配属後に気になることを2名の先輩社員に問いかける、という流れが基本です。

配属先のマネジャーが自部門のメンバーを2人紹介し、さらに自部門と関わりのあるメンバーへとリレー形式でつなぎます。合計3回「ななはち」を行うことで入社後の社内の人脈づくりがスムーズになり、また、Sansanのカルチャーを知ることにもつながります。

「ななはち」というネーミングの由来を教えてください。

これはSansan創業当初に生まれた独自の言葉です。当時、Sansan全体の部署数が7つだったことに由来していて、部署の垣根を越えて協力しあい、会社全体で大きな成果を残そう、という想いが込められています。さらに、この施策で出会う6名の先輩社員と入社者1名を足すと7になることからも、7人が歩調を合わせて事を成し遂げていくという意味を表す「7人8脚」になぞらえ、その数字部分を抜き出し「ななはち」というネーミングになりました。

「社員同士が交流を深めるための制度」はどのような制度がありますか?

我妻:入社直後のメンバーに多く利用されている制度のひとつに「Know Me」があります。「飲み」と「Know Me(私を知ってください)」を掛け合わせてつくられたネーミングで、部門内外のメンバー3人1組みで会食する際に1名につき3000円を補助する施策です。1年間の実施回数がのべ1419回と大人気の社内制度です。

 

 

平山:最近生まれた「ヨリアイ」も一カ月に約350名が利用している人気のある制度です。「寄り合う」という言葉からネーミングしたこの制度では、始業前やランチ休憩、終業後にさまざまな社員と気軽にコミュニケーションできるよう、オフィスのフリースペース内でドリンク類を提供しています。

オンボーディングプログラム最終日に、同期のメンバーが集まって「ヨリアイ」を活用している様子をよく見ます。そこで盛り上がって、先述の「Know Me」に発展する、という社内制度の連鎖も起きています。

 

Q.育児支援について

男性の育休取得率60%超
育児中のメンバーへのサポートも充実

次に多いのは「仕事と育児」に関する質問です。働きながら子育てをしているメンバーはどんな社内制度を活用しているのでしょうか。

我妻:小学校6年生までの子どもがいる正社員を対象とした「OYACO」という育児支援制度で、その内容は大きく二つに分かれています。

一つはベビーシッターや家事代行サービス、小学校の学童保育にかかる費用など、仕事と育児を両立するためのサービスの補助。子どもの人数に合わせた補助額を設定しています。

もう一つは認可保育園に入園できず、認可外保育園に入園する場合に、子ども一人につき、その差額を月3万円まで補助しています。どちらも思い切り仕事に打ち込んでもらうことを目的とした制度です。

「OYACO」という名前は「親子」から来ているのですか?

平山:はい。働く親(OYA)が仕事にも、子育てにもコミット(COMMIT)できるように、という制度の目的をネーミングで表現しています。

我妻:育児中の社員は「OYACO」の他にも、「時間単位有給制度」をよく利用しています。1年間に5日間分(所定8hの場合40時間分)は、1時間単位で有休が取れるので、子どもの通院などで一時的に業務を抜けたい時に必要な時間だけを有給に充てられます。この制度は、育児の有無に限らず社員全員が利用できます。

現在、育休はどれくらいの社員が取得していますか?

平山:子育て中の女性は100%、男性でも60%(10日以上取った人をカウント)を超えています。

男性の割合がとても高いですね。

平山:そうですね。令和3年に実施した内閣府の調査によると、一般企業で男性が育休を取得する平均値は13.97%なのでかなり高いです。

我妻:当社のDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)に対する意識の高さも、取得率に現れていると感じます。Sansanは「強みを活かし、結集する」というバリュー(行動指針)を掲げており、個々の違いや置かれている状況を互いに理解し、協力し合おうという意識が根付いているのです。

平山:加えて育休後のキャリア損失への不安が少ないということもあるかもしれません。Sansanは変化のスピードが早い会社なので、それに伴い個々の担当業務や役割が変わるサイクルも早い傾向があります。新たなプロジェクトが次々に生まれますし、その時に取り組んでいた業務を他のメンバーに引き継ぐことも日常的に行われています。そのため、復職した際には自分のやるべき仕事が必ずあるという安心感があるのだと思います。

 

時代や会社の変化に伴い
経営理念の在り方に全社で向き合う

社員はどのように経営理念を共有しているのですか?

平山:まずは触れる回数を増やすこと、加えて議論し続けることを大切にしています。Sansanはミッションやビジョン、バリュー、プレミス(前提条件)を定めており、これらをあわせて「Sansanのカタチ」と呼んでいます。

具体的には中途新卒問わず、入社後にミッションへの理解をするために、オンボーディングプログラムでインプットする時間をとっています。しかし入社時に触れるだけでは徐々に意識は薄れてしまうので、入社後から半年間、毎月1回は「Sansanのカタチ」に触れる研修を行います。入社した翌月は代表の寺田、翌々月は別の役員と直接語る時間を設けています。

また、全社員で「Sansanのカタチ」について話し合い意見を出し合う「カタチ議論」も行っています。現在の「Sansanのカタチ」が本当に自分たちにフィットしているか、時代のニーズやプロダクトの進化と照らし合わせたときに違和感を抱く部分はないかをディスカッションします。その結果、創業から17年の間に10回以上の改訂がありました。単に「Sansanのカタチ」に触れる機会を作るだけではなく、アップデートすることも大切にしています。

Uniposという感謝を伝えるツールを導入しているのも「Sansanのカタチ」の浸透効果を狙っています。バリューを体現しているメンバーに、バリューのひとつである「感謝と感激を大切にする」をハッシュタグをつけて称賛コメントと一緒に送ったりと、社員の日常会話の中には、頻繁にミッションやバリューに関する言葉が出てきます

 

 

そして、これらの理念は、触れて議論するだけでなく、行動を伴えば評価に関係するのも特徴です。例えば、「最速を目指す」というバリューを体現した場合なら、スピードを意識して業務に向き合ったことが評価に反映されます。

Q.評価制度について

ミッショングレード制による評価を採用

人事評価についての質問が多く寄せられています。Sansanの評価システムを教えてください。

平山:ミッショングレードを採用し、社歴、年齢、性別等は関係なく、グレードごとに期待される役割や難易度が変わります。Sansanのキャリアパスはマネジメントラインとプロフェッショナルラインに分かれており、それぞれに評価基準があります。新卒で入社し、2、3年目でマネジメントラインに進み、現在マネジャーとして活躍しているメンバーもいます。

人事評価は年に2回で、上司の評価だけではなく、他部署や同僚からの評価を反映する360度評価を行っています。「Bamboo」という内製のWebアプリケーションを使い、各メンバーがそれぞれ推進したプロジェクトに関わった同僚を評価者として選びます。これにより、上司からは直接目が行き届きにくい成果を可視化し、公平性を担保しています。

 

 

コミュニケーション施策が
オフィスセントリックな働き方を促進する

フルリモートを採用している企業もある中で、オフィスで働くことを大切にしている理由を教えてください。

我妻:当社は「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを掲げており、そこに集う私たち自身もそれを体現していくことが大事だと考えています。オフィスにいれば人やプロジェクトに偶然出会えたり、メンバーと直接会話ができることで円滑に業務を進めるための密なコミュニケーションが取れたり、仕事そのものへのモチベーションが上がるなどの利点もあります。

コロナ禍でのリモートが主体の働き方と比べると、出社するようになった現在の方がエンゲージメントスコアが高いという結果もあり、当社はオフィスに出勤する働き方の方が相性がいいことを実感しています。だからこそ多くの人に「出社して良かった」と感じてもらえるようなコミュニケーション施策にコストをかけ注力しています。

とはいえ、もちろん在宅で生産性を上げるという働き方も否定しません。オフィスを基点に働くオフィスセントリックを大事にしながら、リモートワークも効果的に取り入れていきたいと考えています。

平山:エンジニアおよびデザイナー、クリエイターは、少なくとも週1日の出社が決められていますが、ある部署では出社日をあえて部内全員で合わせて、就業後にビールを片手に雑談できる「ヨリアイ」を利用しているそうです。「せっかく出社したのだから何気ない雑談を楽しもう」という動きが自主的に起こるのも、それぞれがオフィスに来て話をする価値を実感しているからだと感じます。

 

 

text&photo: mimi