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デザインで事業の成長をけん引する。Sansanのプロダクトデザイン組織の魅力とは

BtoB SaaS開発において、デザイナーの役割は極めて重要です。優れたデザイナーは、直感的に操作できるUIや魅力的なUXを生み出し、顧客のニーズに合致したプロダクトを実現します。デザインそのものがプロダクトの魅力や信頼性を高め、事業の競争力を強化するのです。今回は、執行役員、VPoPの職務に加えてプロダクトデザイン組織を統括する西場正浩とリードデザイナーの荻野真人に話を聞きました。

 

PROFILE

西場 正浩Masahiro Nishiba
執行役員/VPoP

大学院で数理ファイナンスの博士号を取得後、大手銀行で数理モデルの開発に従事。その後医療系IT企業でエンジニアやPdM、事業責任者、採用人事などを幅広く務める。2021年にSansan株式会社へ入社。技術本部研究開発部でマネジメント業務に当たり、現在はVPoPとしてプロダクト開発組織の整備と強化を担う。

荻野 真人Masato Ogino
CPO室 プロダクトデザイナー

新卒でWeb制作会社にデザイナーとして入社。コーポレートサイトのリニューアルやスマホアプリのデザイン業務などを担当。2017年にSansanに入社し、現在はデザイナーチームのマネジメント業務を担いながら、UXデザイナーとして従事する。


徹底的にプロダクトのUI/UXにこだわる

西場さんはプロダクトデザイン組織の統括をされていますが、どのような経緯でこの役割を担うようになったのですか?

西場:Sansanはプロダクトを大切にしている会社であり、行動指針であるバリューズで「Lead the customer」と掲げているように、顕在化している顧客のニーズを解決するだけではなく働き方の未来を作るようなソフトウエアを提供したいと、日々の挑戦をくり返しています。

そんなプロダクトを生み出すには、プロダクトマネジャーやデザイナー、エンジニアが互いに協力したりディスカッションしたりする必要があります。私はこれまでVPoEやVPoPの立場でプロダクトの方向性や開発組織のことをマネジメントしてきましたが、プロダクトデザインの組織も管轄して、全員がチームワークを発揮できる環境を作ろうとしています。

私はプロダクトのUI/UXにこだわっており、社内に向けて「Sansanのプロダクト開発では、徹底的にユーザビリティを大事にします」という宣言をしています。BtoB SaaSの場合、UIの変更が売上の向上などに直接的につながるかというと、そうではありません。

しかし、私たちが作っているプロダクトはユーザーの働き方を変えて、生産性を向上させるためのものです。だからこそ、プロダクトの使い勝手が悪ければその目標を達成できません。顧客の成功体験を生み出すために、良質なデザインが必須だと捉えています。

その体制を実現するうえで、荻野さんのようなリードデザイナーの存在は重要だと思うのですが、荻野さんのキャリアについても聞かせていただけますか?

荻野:私は幼い頃からものづくりが好きで、よくレゴブロックで何かを作ったり、絵を描いたりしていました。ただ、将来的なことを考えて美大ではなく普通の四年制大学に行ったのですが、やはりもの作りに携わりたい気持ちを捨てられずに、大学卒業後は夜間のデザイン専門学校に入り直しました。

さまざまな領域のデザインを学んだ結果、Webデザインは「人の生活や仕事の役に立つことができる」という点がすごく良いなと思ったんですね。そこで、専門学校卒業後はWeb制作会社で働きました。その後、転職活動をしている際にSansanが目に留まりました。営業DXサービス「Sansan」は、企業の営業担当者の仕事をとても効率的にしています。そのプロダクトをデザインの力でより良くできたら面白いだろうなと思って、入社を決めました。

Sansanにおける「良いプロダクトデザイン」の定義

荻野さんはリードデザイナーとして、どのような仕事をしているのでしょうか?

荻野:プロダクトデザイナーたちが作成したデザインのクオリティチェックや、メンバー育成などをしています。また、西場さんやプロダクトマネジャーたちと一緒に、プロダクトのロードマップの作成にも携わっています。

西場:私と荻野さんとで、本当に毎日のようにディスカッションをするんですよね。デザインのことだけではなく、ユーザー体験やビジネス価値のこと、プロダクトとしてどうあるべきかなども話し合います。お互いに仕事において高いレベルを要求して、お互いに成長し合うような取り組みをしていますね。

Sansanにおける、良いプロダクトデザインの定義とはどのようなものでしょうか?

西場:「そのプロダクトを初めて使う人が、何に使えるか、どう使うかがわかるプロダクトデザイン」ですね。たとえば、「Sansan」のことを「名刺管理ができるプロダクト」だと思っている人が多いのですが、実際には「営業を強くするデータベース」というコンセプトです。多種多様な機能がありますし、名刺以外にも企業情報などのデータを搭載しています。

また、BtoB SaaSの場合はプロダクト導入の意思決定者と、実際にプロダクトを使う人が異なることがほとんどです。利用者が導入の経緯を知らないというケースが数多くあります。そこでデザインの力を活用して、初めてプロダクトを使った人にも「『Sansan』はこういうことができるのか」と理解してもらえるよう、ブラッシュアップを日々行っています。

荻野:それに関連した話をすると、毎週木曜日にはSansanに入社したばかりの人にプロダクトを使ってもらい、ユーザーがどのような点で困るのかなどを確認し、改善につなげる試みも行っています。

Sansanでは、プロダクトデザイナーはどのようなキャリアパスを歩むことができますか?

西場:Sansanのプロダクトデザイナーは、まずは使い勝手の良いUIを設計・実装するスキルを身につけることが必須になります。そこから、ユーザー体験そのものの設計やビジネス理解、言語化などのスキルを高めていくことを私はデザイナーのみんなに求めています。

言語化を重視するのは、西場さんらしいですね。

西場:プロダクトの情報設計を行う段階では、そもそも絵がないですし、どのようなものを作るのかも定まっていないわけですよ。その段階から、デザイナーと一緒にディスカッションして方針を決めていきたいので、言語化のスキルが高いことは必須です。プロダクトデザイナーとプロダクトマネジャーの担当領域が徐々に重なっていくようなキャリアを、Sansanでは歩めます。さらに、その次の段階として経営的な視点を持ってプロダクトを管轄するようなキャリアになっていくと思いますね。

デザイン観点以外も身につけた
プロダクトデザイナーであれ

プロダクトデザイナーの採用面接では、どのようなスキルやマインドを見ていますか?

西場:もちろんデザインスキルは必要ですが、それに加えてユーザーのことを考える力やプロダクトの設計を行う力を見ていますね。たとえば、面接の中で何らかのWebサイトを見せて「このサイトを、あなたならどのように改善しますか?」と質問したとき、返答の仕方によってその人が何を考えているかわかるんですよ。ユーザー思考が強い人であれば「このWebサイトは西場さんが今そうしたようにGoogle検索から来るユーザーが多いので、検索の流れも含めてこのようにデザインします」などと返してきます。

荻野:マインドとしては、柔軟性や向上心が重要だと思います。Sansanのプロダクトデザイナーはデザインスキルだけではなく、何かをリサーチするスキルや他の人からヒアリングするスキル、プロダクトマネジメントのスキルなど幅広く求められます。だからこそ、さまざまなことにチャレンジできる柔軟性が重要です。また、私たちはお互いに良い刺激を与えつつチーム全体で成長したいと思っているので、向上心のある人と一緒に働きたいですね。

西場:柔軟性や向上心というテーマについて付け加えると、私たちの携わる仕事はわかりやすい正解がないケースも多いんですね。「BtoBのSaaSはどのようなデザインであるべきか」といったことは、誰にもはっきりとはわからないわけです。

それに「Sansan」のデジタル名刺や「Eight」のタッチ名刺交換のように、これまで世の中になかった新しい概念を生み出す仕事もたくさんあります。そうした機能を作る際に、より良いデザインにたどり着くには山ほど試行錯誤が必要なんですよ。そのため、柔軟性や向上心が大切になってきます。

最後に、Sansanのプロダクトデザインに携わるやりがいを教えてください。

荻野:Sansanのプロダクトデザイナーは、作ったものに対してユーザーからフィードバックをもらい、それをもとにプロダクトを改善して、自分の成長にもつなげる経験ができます。その環境があるのは、大きな利点だと思っています。

西場:冒頭で述べたように、Sansanではプロダクトデザイナーやエンジニア、プロダクトマネジャーたちをすべて私が統括しています。そして、私はそれらの職種の人たちに向けて、職能が違っても目指すべきビジョンは同じだと伝えています。

その環境の中でプロダクトデザイナーとして働くことで、単に良いUIを作るだけではなくプロダクトを設計することそのものに深く関われます。プロダクトのデザインにフルコミットしたい人にとって、良い環境だと思います。

つまり、プロダクトデザイナーにはデザインの観点だけではなく、プロダクトマネジメントの観点もエンジニアリングの観点も持っていてほしいですし、ともに議論に加わってほしい。それに共感できる人に来てほしいです。

 

 

text&photo: mimi