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審査部門ではなく、ビジネスの強力な伴走者。クリエイティブな法務とは

法に関する深い知見を活かして会社を守り抜く。新規事業のリリース可否を審査する。これは法務の果たすべき役割ですが、Sansanの法務はそれだけではありません。過去に前例がないようなビジネスに関連する法律は、実践によって対峙しながら知見を積み重ねる。事業づくりの初期段階からプロジェクトメンバーとして伴走し、リリースまでの苦労も喜びもともに味わう。創造力を兼ね備えた法務のプロフェッショナル、総務法務部門の部長池上にインタビューしました。

 

PROFILE

池上 光一Koichi Ikegami
執行役員 総務法務部 部長

新卒で入社した企業では、コンプライアンス担当として個人情報保護マネジメントシステムを構築。2005年4月1日付けで全面施行した個人情報保護法への対応を経験。前職では不動産関連の業法規制の他、集合建物の権利関係の専門家(マンション管理士)として業務に従事。 2011年6月、Sansanに入社。法務の機能と組織を立ち上げ、商事法務とビジネス法務の両軸からデータと法に向き合い、デジタル領域におけるプロダクトの設計と提供に携わっている。


事業を健全に遂行するために。
着想段階から法務が加わり、リリース後まで伴走

自己紹介をお願いします。

総務法務部の部長を務めながら、内部監査室の責任者、情報セキュリティ部のマネジャーも兼務しています。主軸は法務領域です。

法務の組織構成について教えてください。

法務には二つのグループがあり、一つはプロダクトを作って販売するための法務業務を行うビジネス法務グループ、もう一つは、Sansan株式会社という企業を運営していくための法的な課題に向き合う商事法務グループです。

ビジネス法務グループの業務は特徴的で、新規ビジネスの着想段階からそれを担当するチームのメンバーとして加わり、リリース後の対応まで伴走します。今回は「クリエイティブな法務」をテーマに、ビジネス法務をベースにお話しします。

なぜ着想段階から法務が関わるのでしょうか?

事業をより健全に遂行するため、そして、価値提供の領域を広げるためです。企業によっては法務が最後の門番のように扱われることもありますが、私たちは単なる審査部門ではなく、事業におけるチームの一員として捉えています。プロダクトが生む価値や会社が成し遂げたいことをしっかりと理解したうえで、法務という立場や事業づくりの経験を活かしてアイディア出しや助言を行います。

リーガルマインドを磨き続け
法における新たな道を切り開く

Sansanの法務を経験することで、どんなスキルが磨かれますか?

データ領域における法律の知見と、それを用いて判断していくリーガルマインドです。Sansanは国内のSaaS企業において特に多くのデータを預かる組織なので、それをどう強固に守るか、どのようにサービス上でお客さまに還元していくかを考え、意思決定を行うことは、他社では経験できない実務面でのトレーニングになります。

また、当社は海外でも事業を展開しています。各国の個人情報の取り扱いやデータ保護法について、創業から17年間積み上げ継承してきた知見があり、その学びを得ることもスキルアップにつながります。

個人情報やデータ保護に関しては、事業の特性上、Sansanならではの知見がありそうですね。

そもそも、創業当時は名刺管理サービスという市場自体が存在しておらず、参考になる過去の先例がなかったので、自分たちで考え、動き、形にしていくことで、知見を積み上げていく必要がありました。そして今この瞬間にも、当社ではまだ市場にない機能や事業が次々と企画され、生まれようとしています。このような背景から、当社の事業は過去の先例からは判断できないことが多く、どちらかと言うと規制が後から追いついてくる状態です。

Sansanが扱うサービスが世の中にとって価値があり必要だと認識されれば、これらを促進する立法がされたり、今ある法的規制が緩和され得るし、逆に間違った使い方をすれば、規制が強まるかもしれない。世の中にどう価値を与えたかによってその結果が変わる可能性すらあるのです。

だからこそ、われわれが新たな道を切り拓いていくんだという意識を持ちながら、あらゆるステークホルダーの視点を大切にしなければいけません。当社の法務部門に身を置くということは、こうしたスキルを日々磨くことでもあります。

データ活用に対しては、きっとユーザー側にも不安がありますよね。

そうですね。クライアント企業の法務やコンプライアンス、セキュリティ部門からの問い合わせに対し、私たちはあらゆる角度から説明をし、営業と一丸となってその不安を解消するように努めています。数日内の短期決戦の中で、Sansanの法務としての回答が相手にどう伝わるかを意識しながら、当社のバリュー(*1)に掲げている「体験を想像する」を大切にして対応しています。

※1 Sansanの企業理念「Sansanのカタチ」にまとめられている8つの行動指針

成長意欲とパッションがあるか。
Sansan法務のメンバーに求めること

法務部門の目標を教えてください。

二つあります。会社を守る法務としての目標と、プロダクトづくりに関わるクリエイティブな法務としての目標です。後者に関連して、その成果が評価されて全社で最もバリューを体現し、成果を出したメンバーに送られるSansan Values Starを受賞したこともあります。

どのような成果が受賞につながったのでしょうか。

特に印象に残っているのは契約データベース「Contract One」のリリースです。法務メンバーがプロダクトの設計段階から関わりつつ、社内利用も促進した功績が称えられました。

契約書に関するプロダクトとあって、法務のメンバーがこのサービスを活用するユーザーの目線に立ち、事業側に契約管理の現場の状況や要望・提案を積極的に伝えているのを側で見ていたので、受賞したときは胸が熱くなったのを覚えています。

「こんなサービスが欲しかった」から「必要不可欠なサービス」へと進化させる。その挑戦を積み重ねた結果が、当社が掲げるビジョン「ビジネスインフラになる」ということだと思います。そこに法務として深く関わったことが受賞につながったのだと感じています。

一緒に働く法務のメンバーにはどのようなことを求めていますか?

やはり「ビジネスインフラになる」ためのものづくりに対する情熱や、自身の成長欲があることです。道なき道を進む上で必ず生まれる新たな問題を突破するためには、時に勇気ある意思決定が必要です。そのチャレンジには緊張や恐れも伴うでしょう。それでも勇気を持って取り組めるかどうかは、このクリエイティブな環境を楽しめるか、会社と自己の成長を重ねての成長欲がどれだけあるかにかかっています。

また、Sansanのバリューにもある「体験を想像する」「意思と意図をもって判断する」は法務として常に向き合っていることです。そして考え抜いた回答がお客さまを牽引できる言葉として伝わっているか、「Lead the customer」も法務として大切にしています。特にこの3つの視点を向き合える人とともに働きたいです。

Sansanの法務は、プランニング段階からリリースまでともに苦労や喜びを味わえる面白さがある一方で、我々がいることで他部門のメンバーにとっては手続きが増えるなどと手間がかかることもあります。そんな時にポジティブに捉えてもらえるように信頼関係を築く必要があります。知見や経験が豊富であることも大事ですが、それ以上に根底に人を動かすパッションがあるかどうかも私が重視していることです。

text&photo: mimi