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三位一体で取り組む、Sansanのプロダクト開発

こんにちは、人事部の杉本裕樹です。
今回のインタビューは、プロダクト開発部でプロダクトマネジャーをしている尾部絵里子です。開発部に所属する尾部に、プロダクトを開発で支えるエンジニアのメンバーや、具体的なプロセスを聞きました。まずは彼女のキャリアからひもときます。

プロフィール

尾部絵里子
Sansan事業部 プロダクト開発部 プロダクトマネジャー

元ベーシストで2007年インディーズでCDデビュー。メジャーデビューの夢が破れ、前職のHRtech企業に就職する。その後役員の富岡の誘いでSansan株式会社に入社。社員数100名の時代からカスタマーサクセス部、サポート部、プロダクト開発部と部門を渡り歩き、各時代の酸いも甘いも知る古参メンバー。趣味で仲間と一緒にプロダクトマネジャー向けコミュニティーを運営している。


ベーシストからプロダクトマネジャーに

まずは簡単な自己紹介からお願いいたします。

Sansanには、5年前に入社しましたが、その前は、人材紹介システムを販売する会社で働いていました。それまでは会社勤めの経験もなく、入社当時は名刺交換といったビジネスマナーの作法もままならない状態。人材紹介業界は、若い世代が多いので、同世代がすでにマネジャーとして活躍していて、入社早々キャリアの差を見せつけられました。

その前はプロのミュージシャンとして活躍していたそうですね。

はい。ベーシストとして、自分たちのバンドを主体に活動しながら、他のバンドのサポートで演奏することもありました。ただ、十分な収入を得るのは難しく、30歳になったら音楽1本でやるのは諦めようと考えていました。
バンド活動のかたわら、手伝いとして働いていた前職に、そのまま社員として入社。小さな規模の会社で、営業部員は開発以外すべて行うというスタンスでした。ここでさまざまな経験をさせていただいたことが、今の仕事にもつながっていると思います。

Sansan入社後はどのような経緯でプロダクトマネジャーに?

最初は、カスタマーサクセス部(以下、CS部)やサポート部のマネジメントに就き、業務の効率化をメインに3年ほど行っていました。
ある程度達成感を得たところで、以前からプロダクトまわりの仕事がしたいという要望もあったのでそれを伝え、プロダクト開発部に異動。プロジェクトマネジャー(以下、PM)として2年がたちます。
そしてつい最近、プロダクトマネジャーになりました。

プロダクトマネジャーの仕事内容と、開発体制について教えてください。

プロダクトマネジャーは、プロダクトに対して「Why」「What」に責任を持つ仕事です。
「どうして作るのか」(=Why)を明確にして、「何を作るか」(=What)に責任を持つこと。ただし「Why」「What」に対しては、PMだけではなく、エンジニア、デザイナーが三位一体となり、守備範囲の決まったスクラムチームで取り組んでいます。この体制は以前と大きく変わりました。

どのように変わったのでしょうか。

これまでは、PMとデザイナーが画面はもちろん、ソリューションまでを定め、エンジニアが決定したことを正確に実現する、という流れと体制でした。
いわゆるトップダウン手法で、エンジニアは受託開発のような働き方だったと思います。
言い換えると、まずPMやデザイナーがやりたいことを決め、それをエンジニアが頑張ってかなえる、という構図でした。それが今は違います。エンジニアも起点となるソリューションの検討から参画する体制にしたことで、以前よりもアイデアの幅も広がったと感じます。
開発部にはいくつかチームが存在し、PM、エンジニア、デザイナーで構成されています。チームごとに向き合うミッションが異なるのですが、私のチームは、お客さまにサービスの使いやすさを実感していただき、より費用対効果を感じてもらうための施策を行っています。

具体的にはどういうことでしょうか。

例えば、ユーザーの利用率を見たうえで、オススメ機能があるのにあまり使われていないという事実があったとします。
それに対して、なぜそうなっているのか仮説を立てます。まず、その仮説が正しいのかをエンドユーザーにインタビューし検証します。「この機能を使っていない理由はこういうことでしょうか」といった質問をします。「導線が深すぎる」や「目立たない」などの声が上がったとして、それをチームメンバーとどうすれば良いか考えます。それならばと、操作手順を明確にするなどし、便利な機能の存在を伝え、サイトの導線を前に出す等の施策を行います。これだけでもユーザー率が上がることがあります。
また、最近では社外で業務をするユーザーも増えています。リモートワークが増える中でPC版だけではなくスマホアプリのほうが、当然移動時間に作業ができて便利です。そういった背景から「もっとスマホアプリを広めるべきでは?」という課題を導きます。そこでまず、チームメンバーである、エンジニアやデザイナーにそのことを伝えて解決の方策を練ります。
実際にエンジニアからの発案が「ログイン画面での訴求」と「お知らせでの訴求」。エンジニアとデザイナーで協力しながら考えリリースに至りました。結果として、スマホアプリの利用者が増えユーザーにも喜んでいただいています。このようなソリューションは、私一人では考えつかなかったアイデアです。

Sansanエンジニアならではのやりがいとは?

Sansanのエンジニアに傾向はありますか?

ユーザー思い、仲間思いのメンバーが多いと感じます。エンジニアはピリピリしてて技術的なことを聞きづらいとか、コミュニケーションが取りにくいというイメージを持たれることも多いのですが、私はSansanのエンジニアに対してそんな風に感じたことはありません。むしろ彼らの方から、非エンジニアの私にもわかるように話してくれたり、意図をくんでくれたり、優しさや誠実さを感じることが多いです。

なんだか愛にあふれていますね。

そうだとしたらうれしいです(笑)。私にもっと技術の専門知識があれば、エンジニアの提案に対して別の角度から発案し、やりとりを深めることができるのですが・・・。これは私の課題でもあります。
ユーザーに対しても、エンジニアの意識は高く、営業部やCS部がキャッチした顧客の声や、顧客が直接届けてくださったものを熱心にチェックしていて、「この声は絶対にかなえたい」などの会話を毎日耳にします。使っている人に喜んでもらいたい、目の前の人を助けたい、そう考えるエンジニアが多いです。

ユーザーのことを考えられる体制はSansanの特徴でしょうか。

特徴だと思います。というのも、制作会社から出身のエンジニアの話を聞くと、そこが決め手になった、エンジニアとしてやりがいを感じるという声がとても多いです。
一般的に開発は、エンジニアの意思がくみ取られないままに進んでしまうことも多く、それが当たり前だと思っていた人からすると、とても魅力にうつるのだと思います。私もエンジニアやデザイナーと一緒にプロダクトを作ることに、心からこだわりたいと思っていますし、この体制はPMとエンジニア、デザイナーそれぞれの信頼関係がないとうまくいきません。

尾部さんから見て、エンジニア同士の関係はどうですか?

みんなで盛り上がるとか、一斉に冷めるとかそういったノリはないですね。それぞれが自分のペースを大切にしていて、だからこそ他人のやり方も尊重して、それぞれのリズムで生きている、いい関係だと思いますね。飲みにいくのも大勢で行くのは頻繁にではありませんが、開催すると結構集まりは良くて、実はみんなで集まるのも嫌いじゃないのかなと(笑)。
集まる機会といえば、勉強会が圧倒的に多いですね。エンジニアは、私が日々関心させられるほど勉強熱心。社内での勉強会は頻繁に行われ、新しい言語やSansanでは触らないけれど、やってみたい言語や技術についての読書会、時には、他チームの機能を学ぼうという勉強会も開いています。

エンジニア主体で行われる「Tech Dojo」も盛り上がっていますね。

社内のエンジニアが開く、社内の誰でも参加できるプログラミング教室「TechDojo(テックドージョー)」は、CS部時代に私も参加し、本当に助けられました。社内のテクノロジーの意識を上げていこうと、エンジニアがボランティアで行ってくれています。参加した営業のメンバーが気に入って自分のチームに声をかけてメンバーの参加を促している、という話も聞きます。有志のエンジニアが長い間続けてくれていますが、こういう試みが部門を横断し、いい関係づくりにも反映されているのだと思います。
TechDojoの一コマ

他にも登山部やボードゲーム部などコミュニティー活動に取り組むメンバーもいます。私も一度、音楽好きなメンバーを集めて、「music night」という催しを開催したことがあります。内容は、ただひたすら自分の好きな曲をかけながら飲む会(笑)。Sansanは音楽好きも多く、すごく楽しかったです。


Sansanで活躍するエンジニアの特徴

PMから見て、Sansanで活躍するエンジニアはどんなタイプでしょうか。

大きく分けると4つのタイプがあると感じます。まずは、技術面に特化した人。たとえコミュニケーション能力が高くなくても、新しいことを知っていたり、設計力があったり、他の人だったら数カ月かかることを数日で解決できるようなアイデアを持って、チームの技術面をリードしてくれる人。
二つ目は組織や運営の手法に精通していて、それをメンバーに落とし込めるエンジニアです。こういう人がチームにいると、一緒に働くメンバーが安心して課題に取り組め、ぶつかり合うことを恐れずに意見を言えて、結果的に開発のスピードや精度が上がります。そういった組織運営を意識できるエンジニアは活躍しています。
三つ目は、エンドユーザーへの意識が高いこと。常にこの視点があるエンジニアからはいいアイデアが出てきます。お客さまの声がポストされた時に、「この声とこの声は実は似ている。この対策で両方同時に解決できる」など、そういうことがポンポン出てくる人がいます。そういうエンジニアの意見はとても重要です。
そして最後は、コミュニケーション能力が高い人です。例えば、他のチームに手間のかかることをお願いする時や、誰かと誰かがぶつかった時に折衷案を出せて、それを伝えることができる人はチームの中でも重宝します。
これら全てを高いレベルで持ち合わせている人はめったにいませんが、どれか一つにたけている人、もしくは技術には自信があるし、コミュニケーションも苦手ではない、など4つの中の組み合わせで活躍しているエンジニアが多く、結果として4つのタイプがSansanにはバランスよくいるのだと思います。

エンジニアのメンバーが自分の得意なことを生かせるよう、心がけていることはありますか?

それぞれタイプが違うので一概には言えませんが、例えばエンドユーザーへの視点にたけているエンジニアは、設計の段階から関わるようなポジションについてもらい、多くの経験を積んで、より能力を磨いてもらうようにするといったことでしょうか。
Sansanのエンジニアは全体的に正義感の強い人格者が多いと感じますね。時にはそれぞれの正義がぶつかり合って、Slack上で炎上することもありますが(笑)。私が投稿した「解決したい課題」に対しても、その理由が浅はかだったら容赦なくツッコミの嵐。過去にエンジニアとぶつかった苦い思い出もあります。

どんなことで争ったのでしょうか。

お互いの正義が違ったと言いますか、私はエンドユーザーを見ていて、エンジニアはセキュリティー観点で管理者を見ているという、お互いの価値観や正義が違ったことがきっかけです。私は意見がぶつかること自体は全然悪いことだとは思いませんが、このときは私のコミュニケーションの仕方が悪く、相手へのリスペクトがないやりとりをしてしまった。猛省し、めちゃくちゃ謝りました(笑)

ぶつかることは悪くないと考えているのですね。

はい。そこに互いのリスペクトがあればむしろやれやれ!と思うことも。というのも、海外のプロダクトが強いと言われる理由の一つに、「ぶつかり合い」があると言われています。人種も価値観の違う人同士がぶつかりあって、その度に1段階上のものがアウトプットできている。私たちも今後世界に展開していく中で、そういうぶつかり合いは恐れず、また時には必要な場面もあると思います。

開発部に大きな変化がやってくる。
気後れせず楽しみながら挑戦したい

尾部さんが感じる、プロダクトの開発で大変なことは何でしょうか。

これまでも、これからも常に変化が激しいことです。変わることやそれに自分が対応するのが苦手だという人にはきつい環境かもしれません。今の私のチームも4チームのメンバーから構成された13名のユニットチームなのですが、最初はチーム同士の価値観をすり合わせるだけでも大変でした。
メンバー全員が自分の所属していたチームの価値観をそのまま引き継いでいますし、皆自分が正しいと思っていますから、最初は進め方ひとつ取っても足並みがそろわず。
一方がスピードを大事にすれば、一方は検証を重要視するべきだと主張し、いろいろな価値観が混じり合う中で、こっちを選べばこちらの優先順位が落ちて、と最初の一カ月くらいは混乱していました。そのうち自分とは違う価値観を受け入れたり、また新しい良さを学んだりと、結果的にはうちのチームならではの進め方が生まれたので良かったと思いますが。
2年前に異動してきた当初は約50人だった開発部も、今では100人を抱える大所帯です。さらに、今は特に新たな大きい目標に向かって会社全体が動くとき。どんな変化が訪れるのかとても楽しみです。変化には必ず新しいつながりが生まれるはずですから。私はこの変化を楽しみたいと思います。

人と人がつながり、新しいモノを生み出す

少し話しがそれますが、私は70〜80年代のソウルミュージックが大好きで、今50〜60代の方と一緒にバンドを組んでいます。音楽は世代も性別も考え方も違う人をつなげてくれる。仕事も似ていますね。
いろいろな価値観の人たちが、信頼関係を築き、つながりながら新しいモノを生み出す。Sansanに入る前は、音楽以上に夢中になれるものがあるなんて思いませんでしたが、メンバーともつながり合えていると実感できる今、日々の仕事がとても充実しています。

Sansanのエンジニア情報サイト「Sansan Engineering」

Sansan Engineering」ではSansanエンジニアが実現しようとしているMission、信念といった軸とも言えるメッセージから、それを実現するためのプロダクト、技術、チーム、そしてエンジニアたちの熱い想い、技術スタック、働く環境といった具体的な内容まで幅広くご紹介しています。Sansanのエンジニアに興味をもった方は、ぜひチェックしてください。

インタビュー後記

さまざまなタイプのエンジニアはいるものの、ユーザー思い、チームの仲間思いのメンバーが多いというのはSansanのエンジニアの特徴です。
大きな変化に伴うチャレンジにも、三位一体のチームワークで乗り越えるという、強いまなざしがとても心強いです。
Sansanでは、一緒に働くメンバーを募集しています。興味がある方は、採用情報をご覧ください。

text&photo: mimi