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事業会社だからこそ、こだわり抜ける。Sansanのクリエイティブ職

初めまして、ブランドコミュニケーション部の五味です。
Sansan株式会社には多くのデザイナーやディレクターが在籍しています。そういったクリエイティブ職が部門を超えて、さまざまな活動を行うプロジェクトが「PLUS+(プラス)」です。
プロジェクトが発足した当時から在籍している二人に、Sansanのクリエイティブについて聞いてみました。

プロフィール

田邉泰(写真左) 
執行役員 / CBO(Chief Brand Officer) / ブランドコミュニケーション部長 / クリエイティブディレクター

フロントエンドエンジニアを経験後、広告業界に転向。デジタル領域を中心にさまざまな広告制作に携わる。2014年にSansan株式会社へ入社。ブランドコミュニケーション部を立ち上げ、社内のクリエイティブを統括。現在はCBOとしてSansanブランドの向上に努める。


Hanako(写真右) 
ブランドコミュニケーション部 ブランドエクスペリエンスデザイナー

Central Saint Martinsを卒業後、フリーランスのイラストレーター・ブロガーの「Hanako」として活動しながら、イギリスとスイスで海外生活を8年経験。Sansanの「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションに共感し、「おもしろ枠」として入社。Sansanという会社に出会う全ての人々のブランド体験を通じて、事業成長に貢献できるよう日々いろいろなモノやコトを創っている。


Sansanにデザイナーが多い理由

普段、お二人はどんなお仕事をしているのですか?

田邉:僕もHanakoも、コーポレートブランディングを担当しています。プロダクトに関するものだけでなく、採用イベントやクリエイティブカンファレンスなど、全ての制作物を通して「Sansanを好きになってもらうような体験」を作ることに向き合っています。
Hanako オンラインでもオフラインでも、とにかくあらゆるクリエイティブデザインを通して、会社が目指している世界をたくさんの人に知ってもらうことにコミットしています。田邉がコピーライティングやクリエイティブ全体のディレクション、私がデザイン面でのアートディレクションを担当することが多いですね。

Sansanのクリエイティブ職の特長って何だと思いますか?

田邉:いろいろな特長があると思いますが、一番大きいのは、Sansanの組織としてのあり方だと思います。Sansan株式会社で提供しているのは、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」と、個人向け名刺アプリ「Eight」というふたつのプロダクトですが、デザイナーなどのクリエイティブ職は社内に30名以上います。
これは他社ではなかなか考えられない人数だと思います。なぜこれだけの人数を抱えているかと言えば、「こだわり抜いたものを出したい」という会社の想いが根底にあるからです。何かをデザインするとき、場所や持っている想いに距離がある人と一緒に作る場合と、すぐ隣の席にいて強い想いを持っている人と作る場合では、最終的なクオリティーにはっきりと差が出ると思うんです。最後まで膝を突き合わせて、試行錯誤を重ねる。そうやって最高のクオリティーのものをアウトプットするためにSansanは、これだけの人数のクリエイターを確保している、その姿勢は他にはない特長かと思います。
Hanako:Sansanという会社は、すごく独特というか、独自の文化を持っているのですが、これが体に染み付いているか否かの違いは大きいですよね。会社の文化を肌で知っているクリエイターが考えたものは、やはり外注のクリエイティブとは温度が違う。それはもしかしたら紙一重かもしれませんが、突き詰めた最後の一手にその差が出ることもあります。
もちろん外部のクリエイターの方々に協力してもらうこともありますが、最後まで突き詰められるか、というのは、会社のミッションや想いに対する共通認識があるか、文化を知っているかが大きく影響します。そういった文化に共感してくれる方とは、すごくいいものを生み出せますが(TV CMなんかもそうですね。)、外部のクリエイターが全員、そうではないというのも事実だと感じています。
田邉:そうですね。「想いを形にする」ことを考えると、自分たちのこだわりをしっかりと形にできるのは、同じ想いを共有しているインハウスのクリエイターであり、その一人ひとりが、一線で活躍してきた実績を持っていることがSansanの強みだと思います。
Hanako:今、世の中にあるものではなく、まだ誰も到達したことのない世界を作ろうとしているのが、Sansanのサービス。今はまだまっさらで何もない場所に、目標をピン留めして、そこを目指すことはとてもチャレンジングです。
自分たちは、Sansanのミッションを達成するために存在していて、それをクリエイティブの力で表現したい、そこにしっかりと向き合えるクリエイターが集まっていますね。
間違っても「他社よりもちょっといいものを作っておけばOK」という感覚ではありません。ゼロイチの会社でモノを作るということは、クリエイターにも同じ気概を求められているのだと思います。

他部門のクリエイター同士がつながる「PLUS+」

クリエイティブ職に就くメンバーが部門を超えて集まり、さまざまな活動を行うプロジェクト「PLUS+」について教えてください。

田邉:「PLUS+」の前身となるプロジェクト「ICE」が発足したのは2016年でしたが、当時、各事業部に在籍するデザイナーやディレクター同士のコミュニケーションは、部門内だけに向きがちで、部門を越えたものはほとんどない状態でした。それが無駄を生んでいると感じたのが、こういったプロジェクトを発足したきっかけです。
例えば、Eight事業部のデザイナーが、Sansan事業部が持つ画像を送ってもらいたいとします。デザイナー同士の関わりが薄かった頃は、いったん部門の別担当者を通してその依頼を上げていたので、それだけで数時間から1日かかってしまう…すごく無駄で効率が悪いですよね。もしもお互いがよく知っている仲なら、社内メッセージで「ある?」「送るよ」で終わり。時間短縮になります。
それだけでなく、クリエイター同士お互いを深く知って、持っている知識の共有ができれば業務における課題の解決にも役立つと考えました。みんなで集まれば、それぞれが積み上げたものをシェアできるし、一緒に新しいものを生み出せる可能性もある。いいことだらけだよね、という気持ちで始めました。
Hanako:コミュニケーションが薄いことに、緊急の問題や課題感があったわけではないのですが、実際にいろいろな部門のクリエイティブなスキルが一カ所に集まることで、新しいことが作っていけたら面白いなと。

部門という壁がある状態からどのようにコミュニケーションを生み出したのでしょうか。

田邉:みんなを集めて「今日から仲良くしよう。もっとコミュニケーションを取ろう。」と言ったところで、急に仲良くなるのは難しいですよね。僕たちはモノを作っている人間なので「一緒にモノを作ること」から始めました。
デザイナーである以上、お互いを理解するためには、一緒にものづくりをすることが何より近道。時間をかけていろいろな話をするよりも、仕事をすれば、言葉にできない深い部分も伝わりますし、一気に距離が近づきます。同じプロジェクトに関わったり、一緒に仕事をした人たちって短期間で仲良くなることってありますよね。

クリエイターならではのコミュニケーションですね。実際にはどんなものを作ったのですか?

田邉:実際に行ったプロジェクトや制作物はたくさんありますが、初めに形になったのは、確かコースターだと思います。打ち合わせなどで来社いただいた方に冷たいお水をお出しするのですが、結露した水がテーブルや服をぬらしてしまう。気にしなければ、なんてことはない話なのですが、「僕は気になるな」「じゃあうまく解決してみようか」と何気ない会話から始まりました。水をよく吸収する珪藻土の素材を使ってみようと決まり、社名の刻印を入れたら割れてしまうかなど、試行錯誤しながら今の形になりました。
Hanako:社内のメンバー同士での交流ももちろんですが、外部クリエイターとのコラボレーションを通して新たな知見を得られないかということも考えました。外と積極的につながっていくことで、自分たちのアイデアの幅も広がっていきますから。そうして作ったのが「ICE POP」という交流イベントですね。他社のクリエイターをゲストに迎えてUI/UXデザインにおける課題や知見などをシェアし合いました。
田邉:その他には事業と向き合って完成させたもの、創造力を最大限に伸ばすために行ったワークショップ、時にはプレゼンテーション力を鍛えるために、人前で話すイベントを企画することもあります。ただ、発想のスタート地点は何気ない会話からのことが多く、思いつきで始めたことが結果として事業貢献につながった例などもありました。
海外向けのプロモーション動画を作ったことや、最近では「イノベーションにつながった出会い」をテーマにした「Sansan – MEET THE INNOVATION!」というラジオ番組の制作も行いました。毎週日曜日の午前8:30頃から、J-WAVE(81.3 FM RADIO)で放送されているので、興味があれば聞いてみてください。

「PLUS+」の今後についてはどう考えていますか?

田邉:さまざまなイベントや取り組みを考えていますが、僕自身は「PLUS+」というこの活動自体を華やかにしていきたいわけではありません。所属メンバーにプラスになる何かがあって、それぞれの組み合わせが新しい何かを作っていけたらそれで満足ですね。「PLUS+」がやっていることは、「出会いからイノベーションを生み出す」というSansanが掲げるゴールと同じだと思いますし、そのためにできることを今後もしていきたいですね。

事業会社だからこそ、最後まで関わり、こだわり抜ける

今後、どんなデザイナーと一緒に働きたいですか?

田邉:自分で考えて動ける積極性、周りを巻き込む求心力、最後まで諦めないで考え抜く力、こういったものを持った人と働きたいです。ひとりで動くことも大事ですが、周りをいい意味で巻き込み、チームをいい方向に導いていく力も大事です。それは、引っ張っていくということだけでなく、押し上げるという意味もあります。また、最後まで考え抜くというのは本当に大切だと思っています。ここまででいいやと思えばそこで終わる。本当にいいのか、これをやる意味は何なのか、本質はどこにあるのか。考えることに終わりはないので、本質の部分を常に意識して向き合えるといいですね。
Hanako:最後まで考え抜くということは、自社で事業をやっている会社だからこそできることでもあります。制作会社で働く、いわゆる案件ベースの受託の仕事では、追求したくともできなかったり、深く関われないことも多いと思います。「これを作って意味があるのか」そんなことを思いながらやっている仕事だってあるかもしれません。「本当はもっとこだわりたい、最後まで関わりたい、追求したい」と、今の仕事に物足りなさや疑問を持っている人こそ、Sansanのようなミッション志向の会社はぴったりかもしれませんね。
PLUS+の活動の一コマ

取材後記

デザイナーが多く在籍している理由から、Sansanのクリエイティブへのこだわりや熱量が見えてきました。Sansanでは、積極性、求心力、思考力を持ったクリエイティブ職のメンバーを募集しています。最後まで追求したい、本質に向き合いたいという方は採用情報をご覧ください。
また、4/1(月)から4/7(日)まで、表参道ヒルズで「表参道さくら祭り」を開催します。会場内のクリエイティブはもちろん、PLUS+のメンバーが企画から考え抜いて創り上げたイベントです。ぜひお気軽にお立ち寄りください。

interview & text: ブランドコミュニケーション部 五味春香 photo: ブランドコミュニケーション部 高橋淳