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データ化技術で事業を支え、Sansanを成長させる

Sansan株式会社のDigitization部部長、永井晋平と同部データ化グループに所属する湯村直樹にインタビューを行いました。複数のプロダクトのデータ化を一手に引き受ける彼らが向き合っている課題や難しさ、また大きなチャレンジを行っている最中だというDigitization部ならではの面白さとは。
※新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上で、撮影時のみマスクを外しています

プロフィール

永井 晋平
技術本部 Digitization部 部長

大学卒業後、SI企業でエンジニアとしてキャリアをスタート。2007年に創業間もない Sansan株式会社に入社し、Sansanのプロダクトの開発に従事。現在はSansanの競争優位としてアナログ情報をデジタル化する技術と仕組みを実現するDigitization部にて部門長を担う。

湯村 直樹
技術本部 Digitization部 データ化グループ

京都大学大学院農学研究科修士課程修了。在学中にプログラミングを独学し、2019年に新卒としてSansan株式会社に入社。名刺データ化システム「GEES」の開発・運用を担当。


「ここで働きたい」直感的に 可能性を感じて転職

まずはSansanに入社するまでの経歴を教えてください。

永井:Digitization部の部長、永井晋平です。私は新卒でSI企業に入って約3年働いていました。当時は開発が終わったら、すぐに次の案件が始まってという流れの中で、作った後のサービスに関われないことにもどかしさを感じていました。サービスにしっかり関わりたいと思い、事業会社を探して転職活動をしていました。
その後、転職してある会社に転職したのですが、1カ月も経たない時期に、たまたまSansanに所属していた知り合いから、会社に遊びにおいでよと声をかけてもらったんです。もちろん入社する気は全くありませんでした。転職したばかりでしたし、そこで最低でも1年は頑張ろうと思っていましたから。
ですが、創業間もないSansanに遊びに行ったとき、強く惹きつけられたことを覚えています。企業理念の「Sansanのカタチ」や提供するプロダクトを説明されて「すごいな!」と。大きな可能性がある、働きたいのはここだと直感的に思い、Sansanに社員1号として入社しました。

それから15年。当時の直感は正しかったんですね。

永井:2カ月も経たずに転職してよいのか迷いましたが、最終的に自分の感覚を信じてよかったと思っています。

では続いて湯村さん、お願いします。

湯村:Digitization部データ化グループ、湯村直樹です。私は2019年に新卒でSansanに入社しました。大学時代はずっとキノコの研究をしていたのですが、趣味でプログラミングをしていたところ、Sansanから声をかけてもらいました。
研究の道に進むことも考えていましたが、Sansanの方と話をして背中を押してもらったことで、エンジニアになると決心しました。

複数のプロダクトのデータ化を 一手に引き受ける部署

Digitization部の役割について教えてください。

永井:Digitization部が創設されたのは去年です。私たちは、紙の名刺や請求書、契約書などのデータ化のための仕組み作りとシステム開発を担っていますが、これまでも紙の名刺から必要な情報を正しく抽出してデータ化する取り組み自体はありました。
Digitization部ができたのは、ここでデータ化に改めて集中しなければならない状況になってきた、そういった意図もあったのかなと思っています。

データ化への集中がより求められる状況になったということですか?

永井:そうですね。会社として複数プロダクトを展開していく中で、名刺で培ったデータ化の技術、オペレーションの仕組みがわかりやすく武器になるという状況があると思います。
それは「Bill One」という請求書のデータ化を必要とするソリューションだったり、「Contract One」という契約書のデータ化を必要とするソリューションだったり。複数のプロダクトのデータ化を一手に引き受ける部門がDigitization部です。

データ化に集中しながらも担う役割は広がっているのですね。

永井:そうですね。もう一つ、スキャンを代行するという領域も加わりました。請求書や契約書のデータ化にはスキャン業務と入力業務があって、名刺のデータ化では入力に特化していましたが、現在はスキャンオペレーションにも向き合っています。独立した部門となり各種オペレーションを統合し、その最適化を目指す統合オペレーションセンターとして進化していこうとするのが現在です。データ化に特化しながらも、見るべき領域は広がっています。

複雑になり、増え続けるデータを 安定的に継続的に処理し続ける

Digitization部の中にある四つのグループが向き合っている業務について教えてください。

永井:Bill One Entry、データ化、Infrastructure、オペレーションセンターと四つあるうち、Bill One Entry、データ化の二つは、Webアプリケーションエンジニアで構成される組織で、今は名刺、契約書、請求書などデータ化対象の違いと、入力、スキャンのオペレーションの違いでチームを分けてシステムの開発と運用をしています。
Infrastructureグループはセキュリティ、コストなど部門、システム横断の話や、例えば新しい機能をつくる際には対象チームに加わり、アーキテクチャの検討、構築をリードしていきます。
四つ目がオペレーションセンターです。ここは技術本部の中でも特徴的なグループで、エンジニアではなく、各種のデータ化の QCD(Quality、Cost、Deliveryの頭文字をとった用語)を管理する組織です。多数のオペレーターの割り振りや、短期、中期に必要なシステム開発の検討や提案を通し、基盤機能であるデータ化機能を滞りなく提供し続けるための司令塔のような存在です。

四つのグループそれぞれで面白さや難しさは違いますか?

永井:それぞれのグループが向き合っているプロダクトのフェーズが異なるので、面白さや難しさも違っていると思います。SansanやEightでの名刺のデータ化はQCDを磨き込んでいくフェーズにありますし、Contract OneはPMF(Product Market Fit、​​提供しているサービスや商品が、顧客の課題を解決できる適切な市場で受け入れられている状態を指す)のフェーズ、Bill Oneはグロースのフェーズにあります。それぞれのプロダクトによって景色が違うので、各グループが直面している面白さも難しさも、考えることも全部違います。
ただ、共通することももちろんあります。全てのグループに共通しているのは、QCDをきっちり磨いていくということで、向き合う課題がすごく分かりやすいが実現はすごく難しいのは、共通する面白さだと思っています。瞬間にデータ化されたら誰もが喜んでくれるという分かりやすさは魅力だと思います。ただ、これがすごく難しいのですが…。
Sansanを導入してくれているお客さまは、名刺をデータ化して管理、共有することに課題や価値を感じてくれているからこそ使ってくれているわけですが、よく考えると名刺のデータ化ってやろうと思えば自力でできるんですよ。

なぜやらないのでしょうか?

永井:大きなコストがかかるからです。一回だけならば、データ化することはできるけれど、毎日データ化し続けることは大きなコストで、費用対効果でそこまではやらないという判断になるのだと思います。
私たちはデータ化に特化してやるからさまざまに工夫や、技術開発を通して進化できるわけですが、複数のプロダクト、複数のフェーズに対峙し、正解がない中で安定的に価値を提供し続けることは難しいことだよなと自分でも思います(笑)。でも、それが面白さだとも言えますね。

目に見える形として数値で 成果が出る面白さ

その大変さがうかがえるエピソードは何かありますか?

永井:話せる範囲でとなるとなかなか難しいですね(笑)。今、Bill Oneはすさまじい成長をしていますが、請求書という現物を扱うという初めてのオペレーションを行っています。その業務を見ていると、これまでやったことがないことに対してゼロから向き合い、オペレーションを構築して安定的に運用している。すごいチャレンジをしているなと感じます。

湯村さんは、Digitization部での難しさや面白さはどんなときに感じますか?

湯村:私はGEESと呼ばれる名刺のデータ化システムを長く開発してたのですが、一番の難しさはQCDのバランスを保つことだと思っています。機械学習などで自動でデータ化する仕組みと、オペーレーターが手動で入力する作業の二つをいかにうまく組み合わせるかを日々考えています。 自動での処理だけだと精度が出なかったり、手動での入力だけだとデリバリーの時間が伸びたりという問題が起こります。可用性やデータの整合性を保ちながら、自動と手動のオペレーションを組み合わせた複雑なデータ化のフローを構築することはとても難しいです。データ化フローの構築方法によって、コストとクオリティ、デリバリーに大きなインパクトを与えることができて、その結果が数字に表れるとやりがいを感じます。

結果が目に見える形で出てくるのは達成感にもつながりやすいですね。

湯村:自動と手動を組み合わせた大規模なデータ化システムという前例がないようなことに取り組んでいるので、私たちエンジニアも主体的に正解を考える必要があります。「データ化のQCDを改善する」という漠然とした目標を、具体的なタスクに落とし込み、設計、実装を経て、結果が数字としてフィードバックされるという流れは、かなりエキサイティングです。

そこを楽しめるエンジニアが、この仕事に向いているということですか?

湯村:それは大いにあると思います。データ化のQCDは、どのプロダクトにおいても重要な機能なので、仮に自分の施策でデータ化のコストを削減できたら嬉しいですよね。
永井:クオリティ、デリバリーも同じ話ですが、例えば、コスト改善は名刺一枚あたりのデータ化単価に換算できるのですが、処理する量によって積み上がりますし、長期的に見るとものすごく大きなインパクトになります。

目の前の数値的な目標に 集中するときこそ、ビジョンを忘れない

現在、Digitization部はどのようなことに向き合っていますか?

永井:直近は、急成長中のBill Oneに向き合っています。特にデリバリーのブレイクスルーが必要で、ポイントの一つは自動化です。これについてはR&Dと密に連携し、どういう技術で何ができるのかに取り組んでいます。
もう一つのポイントはデータ化オペレーションです。テクノロジーと人力の組み合わせが当社の強みですが、人力においてオペレーションが簡単であることはとても重要です。オペレーションが簡単であれば1人あたりの処理量は増えますし、処理できる人を増やすことも比較的簡単になります。まだオペレーションの難しさがあるBill Oneにおいて、オペレーターの仕事を簡単にしていくことはチャレンジですね。この辺りは湯村が向き合ってきた知見を存分に生かしていきたいと思っています。

マネジメントをする上で心がけていることは何ですか?

永井:最近思うのは、ビジョンなんですよ。僕らは今日のデリバリーだとか、数カ月後の自動化1%アップだとか、そういった数値や目標からどうやっても逃れることはできません。どうしても目線が足元に行きがちなんですね。
でも、本当に目指している統合オペレーションセンターというものは、その先にあって、その世界をもっと語らないといけないと思っています。そうやって私自身の目線を上げることで、みんなの目の前の仕事への向き合い方も変わるのではないかと思っています。もちろん、今が悪いという意味ではないのですが、ビジョンを見せることは僕がやるべき仕事ですし、部内では僕にしかできない仕事だと思っています。

では最後に、今Digitization部に入社するメリットは何だと思いますか?

湯村:Digitization部は、事業が成長する中でもっとも解決が困難な課題のひとつである、成長に耐えうるデータ化システムを構築することを担っています。これからの成長を見越して発想し、設計、開発を行うことはとても面白いし、事業の成長を技術で支えることはとてもチャレンジングだと思います。
永井:僕も湯村と同じですね。さまざまなフェーズに向き合う中で今、大きな変化や成長が起きていて、チャレンジが必要です。結果を定量的に測りやすい環境であるDigitization部はエンジニアとしても面白いのではないかと思います。今日の話に共感したり、興味をもった人に来て欲しいですし、面白そうだと感じられる人は、きっとこの仕事に向いているのだと思います。

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text&photo: mimi