進化し続けるプロダクトSansan。この開発はエンジニアの挑戦そのもの

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2022/10/06
Sansan株式会社の技術本部 Sansan Engineering Unit 副部長/チーフアーキテクトを務める吉本和弘にインタビューを行いました。2015年の入社以来、営業DXサービス「Sansan」の開発に携わってきた吉本が見てきたSansan株式会社の進化、そして今取り組んでいることについて。難易度が高いエンジニアリングに常に挑戦し続けることで、どんな成長があるのかを聞きました。

プロフィール

吉本和弘
技術本部 Sansan Engineering Unit 副部長/チーフアーキテクト

米国大学でコンピューターサイエンスを専攻。卒業後、エンジニア/ITコンサルタントとして4社で受託開発に従事。2015年にSansan株式会社に転職、システム横断的な基盤開発などを担当。現在はSansan Engineering Unit 副部長/チーフアーキテクトとしてSansanサービス開発の全体に責任を持つ。


ビジネスに関わるプロダクトを開発したい

まずはSansanに入社する前のキャリアについて教えてください。

前職はITコンサルティング会社に中途で入社しました。そこでは受託開発がメインでしたが、エンジニアとして開発をしながら、そのうち技術的な方針の意思決定を行うなどアーキテクトとしてプロジェクトをリードしたり、最終的にはマネジャーの役割を担っていました。8年ほど勤めましたが、いつか事業会社でプロダクトを作る体験をしたいと転職を決意し、2015年にSansan株式会社に入社しました。

転職先をSansan株式会社に決めた理由は何ですか?

第一は、Sansanのやっているサービスにすごく魅力を感じたことです。僕自身、プロダクト開発をするならビジネスに関わるものを作りたいと思っていたことも大きいです。

その頃は、会計サービスにも興味があり転職先の候補でしたが、Sansanの難解なサービスに惹かれたんですよね(笑)。当時のSansanは「名刺管理」が前面にでていたプロダクトでした。一見すると単純なサービスですが、それでもそのツールを使って何をするかは人によって答えが違います。その部分がビジネスの可能性に思えて面白そうだなと感じましたし、これから事業を大きくしていく段階でそれに耐えられるシステムを開発することは、僕が得意とする領域と重なるのではないかと思いました。

入社後はどのような部署に?

僕は入社以来、一貫して営業DXサービス「Sansan」の開発に携わっています。エンジニアとして機能の修正や開発を行ってきて、3年前からはプロダクトマネジャーとして携わり、1年ほど前からは副部長として開発全体を見ています。


進化し続けるプロダクトSansan

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2015年の入社から現在までSansanというプロダクトはどんな進化を遂げてきたと思いますか?

入社当時は名刺を管理することそのものを売りにしていたと思うんです。高い精度で紙の名刺をスキャンしてデータ化すること。訴求できる大きな価値としては、精度の高さだったと認識しています。

そこからの進化を見ていくと、Sansanは活用方法において、大きな発展を遂げてきたと思っています。接点を持った企業の取引リスクを自動で検知できるリスクチェック機能や、CRM(Customer Relationship Managementの略。顧客関係管理のこと)やSFA(Sales Force Automationの略。営業支援システムのこと)等、さまざまサービスと連携できる機能を追加し、名刺だけでなくメールのやり取りも有効な人脈として取り込めるように強化されました。さらに進化して、今最も注力しているのは、まだ接点のない、つまり名刺情報のない企業や人物に対しての情報提供です。

接点のない企業へのアプローチはどの企業にとっても重要な課題であるはずです。多種多様な情報源から構築された企業情報を営業やマーケティングに活用できるようになることは、Sansanユーザーにとって大きなビジネス価値になる。そう考えて、企業データベース機能を開発しています。

Sansanは、名刺を取り込み可視化するところからスタートし、その情報の活用方法について大きく発展させ、今もなお進化しています。今後もユーザーのビジネスに価値をもたらすような機能をまだまだ出していきます。

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プロダクトのSansanは、時代の変化やニーズに合わせて大きく進化してきたのですね。

今も変化の真っただ中ですが、ここまでたくさんの節目があったと思います。もちろん、中には必要を感じ開発しても頓挫してリリースに至らなかったものもたくさんあります。開発の中断が受託開発で起きたらと考えると目も当てられない状況ですが、Sansanの開発においては、前例がなく正解か否かわからない状況の中でも、新しいことに挑戦し投資ができます。これは事業会社としての強みだと思います。


難易度の高い目的を達成する際に
大切にしていること

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これまでのリリースで一番印象に残っているのは何ですか?

どれが一番かと言われると難しいですね。入社2年目の頃の話になりますが、それまでSansanは一つの企業につき多くても大体数百ユーザーくらいの規模だったところ、数千ユーザーで使いたいとの話があった時のことはよく覚えています。数百から数千に飛躍することは、ビジネスの観点で売り上げ的な意味でも素晴らしいですが、僕らシステム側からすると、今の段階ではシステムとして無理…というのが率直なところでした。それをクリアした時は達成感がありましたね。

どうやってクリアしたのですか?

技術的には何か特別に面白いことや難しいことをしたわけではありません。検討段階ではいくつかの興味深いアイデアもありましたが、最終的には最も基礎的な技術の組み合わせで対応しました。今振り返るとその判断が良かったのだと思っています。つまり、難易度の高いプロジェクトに対して難易度の低い方法で対応できたということ。これはあくまで僕の意見ですが、システム開発で最も大事なのは、事業成長のため、端的に言えば売り上げに貢献することだと思っています。

技術的に難しいことをするのは自分自身の達成感にはなります。ですが、サービス提供者としてシステムを運用・保守していけるのかというもう一つの観点で見ると、難易度の低い技術で目的が達成された方が誰にとってもプラスのはずなんです。

その拡張は大きな反響があったのではないですか?

大きな単位での受注ができるようになり、新たな顧客への提案の可能性が広がったと反響がありました。僕としてはきちんとシステムが動くのか、このペースでさらに発注が来たら大丈夫かと内心は戦々恐々でしたが。予感は的中と言いますか、このリリースから間もなく、「今度1万ユーザーに近い受注がありそう」だと言われました(笑)。今では1万どころか数万単位で使っていただいているので、これを機に拡張できたのだったら自分も少しは事業貢献できたかもしれないと思っています。

もう一つは、僕が設計部分にレビュアーとして関わったものとして、オンライン名刺の開発も強く印象に残っています。まだ新型コロナウィルス感染症が広まったばかりの2020年の春先頃、人と人が直接合わなくなり名刺交換ができなくなったことで、Sansanの名刺の取り込み量がすごく落ち込んだことがありました。

おそらく多くの方がオンラインで商談等はしていたと思うのですが、名刺交換がされないとSansanにはその記録が残りません。また、ユーザーもその情報を取り込んで活用できないという状況に陥りました。それをなんとかしなければと「オンライン名刺」のプロジェクトが誕生し、開発陣が一致団結して3カ月後にはリリースにたどり着きました。

非常に短期間でのリリースですね。

それこそ当時は新型コロナウィルスの感染拡大がいつまで続くのかわからない、もしかしたらリリースしたらもう出すべきタイミングは過ぎていたということもあるかもしれない。そんな状況で細部まで固まっていない状態から開発が始まり、走りながら随時修正してターゲットの6月に間に合わせたという感じです。メンバーはすごく頑張ってくれたと思います。

オンライン名刺だけが直接寄与したかはわかりませんが、その後名刺の取り込み量も戻ってきました。もちろん、いつもこんなことをしていたら計画性がないだけの組織ですが、必要に応じて臨機応変に動けるのも、Sansanの開発の特徴だと思います。

そんな風に始まったオンライン名刺も今なお進化していますね。

はい、プロダクトのSansanは多くのお客さまに使っていただいていることもあり、オンライン名刺という機能自体も進化させ、新たな価値を生み出すことにも注力しています。


無い価値を生むという難しさ。
そこから発生するやりがい

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プロダクトSansanのエンジニアリングの難しさや面白さはなんでしょうか?

システムをゼロから作ることは、エンジニアにとってそこまで難しくないと思っています。なぜならシステム要件を満たすために最適な設計をゼロベースでシンプルに考えることができるからです。

Sansanのプロダクト開発では、ビジネスでの人脈や接点が生む価値、といった抽象的なテーマを扱っているがゆえに、「これが正解だ」というものがない。

加えて事業会社として、当然サービスを止めるわけには行きません。動かしながら、これまでに備えている機能や蓄積しているデータをどう活用するか、今あるものと新しく作るものをどう融合させるかを考えることも必要で、開発としての難易度はさらに一段上がります。難しいからこそ、そこから発生するやりがいがあると思っています。

特定業務を対象としたシステムにはない、広がりのあるプロダクトを進化させていく。この難しさと面白さを僕自身日々感じています。

当人次第で力がつきやすい環境と言えますね。どんな人がSansanの開発に合っていると思いますか?

ある程度のキャリアがあり、技術力にも自信があって、もっと自分を成長させたいと次のチャレンジを探している人。そういうステージにいる人こそ、Sansanで次の突破口が見つかるのではないかと思います。

吉本さん自身が一緒に働くエンジニアの仲間として重視しているのはどんなところですか?

そうですね、これはエンジニアらしからぬ回答かもしれませんが…(笑)、僕らはエンジニアではあるのですが、その前に報酬を得てソフトウェアを開発するプロフェッショナルであると思っています。

医者の例えが好きなのですが、「この手術をやってみたい」という個人的な動機に基づいて治療方針を決定する医者は患者にとって良い医者でしょうか?

目的や課題から、何をすべきかを考えられる人。逆に言えば手段を目的化しないこと、後付けで目的を考えないことがとても大事だと思っています。Sansanの開発企画レビューでも常に目的が問われますし、ぜひそんな方と一緒にプロダクトを進化させていきたいですね。

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interview&text: mimi編集部 photo: 高橋 淳

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