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メンバーの可能性を引き出す社内制度「コーチャ&コーチャチーム」

こんにちは、人事部の杉本裕樹です。
Sansan株式会社には、「コーチャ」「コーチャチーム」という社内制度があります。
これは、ビジネスコーチの認定資格を取得しているメンバーである三橋新が、個人向け、チーム向けそれぞれにコーチングをする制度です。これまでもmimiではこの制度の紹介をしてきました。
今回は少し角度を変えて、なぜコーチになり、この制度をつくったのか。その背景を三橋にインタビューしました。さらに最近「コーチャ」を受けたメンバーの声を交えてご紹介します。

プロフィール

三橋新
人事部 Employee Success Group

2015年1月 認定資格 CPCC(Certified Professional Co-Active Coach)取得(日本での取得者約600人)。コーチング経験約230名、2,000時間以上のベテランコーチ。


「何でも屋」から「専門家」に

コーチになったきっかけを教えてください。

コーチになるまでは、承認欲求が高い自分の性格もあって、本来やるべき業務以外の仕事を何でも請け負ってしまう、いわゆる「何でも屋」でした。そんな自分を見つめ直し「自分が本当にしたいことは何か」を探していた時、あるコーチングの本に出会ったんです。それをきっかけに「どんな場でも、自分の存在自体で、良い雰囲気をつくることができる」を自分の強みとし、何でも屋ではなく専門性を研ぎ澄ます道を選択しました。

Sansanの社員に対してコーチングをするべき理由、課題はあったのでしょうか?

Sansanは大きな志を持ち、高い目標を目指す会社なので、目標と現実とのギャップに戸惑うメンバーがいました。そんな背景から、健全に仕事に向き合えることが、社員と会社の伸びしろになると強く感じていました。コーチングをしていく中で、個人に対しては一定の効果がありましたが、限界を感じました。
なぜなら、個人がどんなに良い状態であってもチームの状態がよくないと、結局個人のパフォーマンスがあがらないからです。そんな理由からチームに対してコーチングをするようにもなりました。

どのようなメンバー(個人・チーム)からの依頼があるのですか?

コーチャ、コーチャチーム制度を利用するメンバーは、課題を持ち、自ら解決したいという意思があるメンバーやチームリーダーが多いですね。
「コーチャチーム」の一コマ

コーチャ、コーチャチームそれぞれの制度が良く活用されるのはなぜでしょうか。

一番の価値は、モヤモヤしている状態から、課題が明確になり、解決のための行動が明確になること。明確になると、気持ちがスッキリするので、満足度が高くなるのだと思います。ちなみにコーチャは、実施後アンケートの満足度において、5点満点中4.58点。リピートや紹介も多いです。
一方コーチャチームは、ダニエルキムの成功の循環モデルをベースに設計しています。関係の質が上がることで、思考、行動、結果の質が上がるというものです。コーチャチームの実施前後でアンケートを実施し、全体では4つの質の全ての質が向上し、特に関係の質が122%上昇していました。実施後は他のチームから見てもコミュニケーションが活発になった、という声をもらうことが多いです。
クチコミで依頼されるパターンが多いように感じます。「Know Me」といったメンバー同士の飲み会で話題になるようで、「今度コーチャお願いします」と声をかけられることもあります。

この制度について、今後の進化やさらなる狙いなどについて教えてください。

誰もがコーチのような関わりができる状態を実現し、コーチングを空気のように、日常の当たり前にしたいと思っています。具体的には、リーダーと社内メンターの育成で、当たり前にしたいですね。
コーチャチームは、1つのチームではなく、複数チームの連携における課題をターゲットにし、取り組みをはじめています。これは、今までは「言わずもがな」で拾えていたボールも、会社が大きくなるにつれて拾いづらくなるからです。
人や組織が今より成長するためには、多かれ少なかれ、痛みが伴います。痛みとは、個人が未知への一歩を踏み出す恐れ。未知への一歩は人間としての恐れがあるものですが、横で誰かが伴走することで、一歩踏み出す勇気を後押しする。そのような状態を組織の当たり前にしたいと考えています。

実際にコーチャを受けたメンバーからのコメントを紹介します。

「月一回のペースで、これまで4回ほどこの制度を利用しました。同僚にも、家族にも話していないような仕事・プライベートの悩みや考えが、やりとりの中で引き出されていくことに、驚いたことをよく覚えています。印象的だったのは、自分の強みを知るワーク。自覚している強みをどう業務に生かしたいか、どうすれば生かせると考えているのかを考える中で、実は心の中にある迷いがあることがわかりました。それを知り、アプローチ方法が明確になりました。次は所属しているチームのメンバーを誘ってコーチャチームも活用してみたいと思います」

編集後記

コーチャを受ける一番の価値は、モヤモヤしている状態から、課題が明確になりすっきりすることとのこと。だからこそ、リピート率も高いコンテンツなのだろうと思いました。
急拡大をしているSansanは、新たにジョインするメンバーも多くいます。
多くのメンバーがこの制度を利用し、三橋が言うように「誰もがコーチのような関わりができる状態」となることを期待します。

text&photo: mimi