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ミクロとマクロの視点を持ち幅広い領域でブランド体験に向き合う、Sansanのプロデューサー

企業やプロダクトといったSansanの各ブランドに向き合う部門に所属し、さまざまなプロジェクトでクリエイター職のメンバーと共にブランド体験の設計を担うのがプロデューサーです。入社以来、数々のプロジェクトを担当してきたプロデューサーの大塚さやかに、これまで担当した業務、自身のキャリアについて詳しく話を聞きました。

 

PROFILE

大塚さやか
Bill One 事業部 ブランドエクスペリエンス部/Sansan事業部 ブランドエクスペリエンス部/コーポレートコミュニケーション室 ブランドプロデューサー

大学卒業後、海外のホスピタリティー業界での就労を経験した後、事業会社や公益社団法人にてセミナーや講演会、展示会といったイベント業務に従事。2019年にSansan株式会社に入社。コーポレートやマーケティングなどさまざまなイベントや施策の立ち上げ、実行に携わる。


クリエイター職のメンバーと協働し、
Sansanのブランド体験に向き合う

大塚さんが所属しているブランドエクスペリエンス部について教えてください。

現在はSansan事業部、Bill One事業部に設置されている部門です。部門の名称は異なりますが、事業部だけでなく、コーポレート領域でも同様の機能を持った組織が存在します。それぞれの組織が担当する領域で、企業活動や事業活動とその対象との間に生まれる「ブランド体験(BX)」に向き合っています。ディレクター、デザイナー、コピーライター、フロントエンドエンジニアといった多様なクリエイター職だけでなく、私のような専門職ではないビジネス職のメンバーも在籍しています。

「Sansanと社会の接点」という言葉から思い当たるものには必ずと言っていいほど関わる部門で、マーケティング、カスタマーサクセス、PRやIRといった、それぞれの領域を担う部門と連携する機会も多いです。そして、各領域で向き合う対象に合わせて、Sansanの企業活動やプロダクトに込められた思いやメッセージを、さまざまな手法や手段を用いて表現して伝えています。ビジュアルや言葉といった目に見える形だけでなく、時にはイベントのような空間、時間、コミュニケーションといった目に見えない形で届けることもあります。

その中で、プロデューサーはどんな役割を担っていますか。

Sansanが展開するさまざまなプロジェクトや施策において、企画から実行まで関わり、ブランド体験やコミュニケーション、オペレーションの設計などを通してSansanのブランドに向き合います。

ブランドエクスペリエンス部では、部内のメンバーだけでなく、他部門や外部のパートナー企業と連携して動く機会がたくさんあります。そのような関係者が多いプロジェクトでこそ活躍するポジションが、プロデューサーだと言えます。

私がこれまで担当した大規模なプロジェクトとしては、Sansanが特別協賛している「KBCオーガスタゴルフトーナメント」をはじめ、ユーザーカンファレンス「Sansan Innovation Summit」、Sansanのサービスを利用するユーザーを表彰する「Sansan Innovation Award」などがありました。

 

Sansanのサービスを利用するユーザー向けのカンファレンス「Sansan Innovation Summit」は、2019年にスタート。2023年度は1500名以上が来場した。

 

これからサービスを利用される方々、サービスを利用するユーザーの方々を対象にしたプロジェクトや施策が多いですが、ブランドマーケティングやプロモーションの領域だけでなく、株主総会のようなIRの領域、社内のメンバーを対象にしたインターナル向けのプロジェクトを担当する機会もあります。

担当するプロジェクトや施策の領域が広いんですね。プロデューサーとして仕事をする上で欠かせないこと、意識していることはどんなことですか。

関係者が多いプロジェクトでは、取り組む期間も長く、さまざまな要素がパラレルで進行していくので、それぞれが目的から離れていったり、バラバラになったりしないようにコントロールすることが重要です。また、コンテンツやオペレーション、クリエイターというさまざまな領域を俯瞰して見るポジションでもあるので、それらを一つのアウトプットとして束ねて、ブランドとして整合性を取ることも大事にしています。それぞれの目的や課題を踏まえながら、全体のバランスを取るようなイメージです。

部門を越え、時には会社という枠を越えて多数の関係者とコミュニケーションを取りながら、広い範囲でプロジェクトを把握しながらブランドに向き合うことが求められます。進行管理や予算管理、制作物の発注やスケジュール・予算の調整など、日々のタスクとしてはプロジェクトマネジメントに近い業務も行っています。また、ブランドエクスペリエンス部の大半はクリエイター職のメンバーであることから、同じ部門で一緒に動くメンバーとしてクリエイティブ制作に関する知識や共通言語をある程度は持っていることも必要です。

さまざまな領域を経験しながら、
自身の関わる領域が広がり、
ポジションが生まれた

大塚さんは、Sansanにはプロデューサーとして入社されたのですか。

いえ、入社当時(2019年3月)は、ブランドエクスペリエンス部の前身となったブランディング部門に配属され、当時はプロデューサーというポジションはありませんでした。Sansanが主催するビジネスカンファレンス「Sansan Innovation Project」が開催を重ねるごとに拡大を続けていた頃で、コーポレート領域や各事業領域で新しいイベントの開催が計画されていたタイミングでの入社でした。私は、前職で展示会や講演会を主催する仕事をしていたことから、イベント担当者として入社したんです。

入社後は、本社を置く表参道で実施するコーポレートブランディングを目的としたイベント、Sansanの全社員が参加する全社会議やイベント、新卒採用イベントなど、数百名規模のさまざまなコーポレートイベントに携わり、企画立案やオペレーション設計などを担当しました。

また、入社からしばらくしてマーケティング部門も兼務し、2019年に初開催したユーザーカンファレンス「Sansan Innovation Summit」の立ち上げやオペレーションの設計を担当、Sansan Innovation Projectでは登壇者の選定・招聘なども行いました。

 

左上から時計回りに:表参道さくら祭り/Sansan Recruit Event/Sansan Innovation Project 2021 /Sansan PLUS+X

 

入社後に少しずつ業務領域や対象が広がったんですね。

はい。会社や組織が拡大していく中で、イベントだけではなく、Sansanという会社のブランディング施策や社員向けのインナーブランディング施策など、自身が関わる領域やプロジェクトも広がりました。

私が立ち上げに関わったプロジェクトの例として、Sansanが提供するサービスを利用するユーザー企業の中から特に優れた取り組みを行った企業を表彰する「Sansan Innovation Award」という取り組みがあります。アワードという取り組みを始めるに当たって、何が必要なのかを考え、審査基準や審査方法、ビジュアルや贈答品といったクリエイティブはどうあるべきかなど、当時のブランディングの責任者やクリエイター職のメンバーと一緒に企画から考え、最終的に社内の関連部門と連携して実行していくところまで担いました。

 

Sansan Innovation Award

 

また、社員向けのインナーブランディング施策として、中途入社者を対象とした「SCOP」というオンボーディングプログラムの立ち上げや実行にも関わりました。従業員数が増え続けていく中で生まれた課題を解決しながら、Sansanのカルチャー浸透を加速させ、早期に活躍してもらうために、ブランディング部門と人事部門が連携してスタートさせた取り組みです。 入社後5日間から始まり、その後の長期間にわたるプログラムの体験設計に向き合いました。

また、コロナ禍ではオンラインの施策も担当しました。2020年に、オフラインで開催していたSansan Innovation Summitを完全オンラインで開催するに当たって、デジタル名刺を使ってイベントの申し込みを行ってもらうという新しい体験設計に取り組みました。その中で、オンラインだけではどうしても不足してしまうリアリティーの要素を補うために、缶から中身まですべてオリジナルのもので構成したノベルティーを制作して開催直前に参加者であるユーザーの方々へ送付するという、ブランド体験を提供しました。

 

Sansan Innovation Summit 2020の開催に合わせて制作したオリジナルノベルティー

 

プロデューサーというポジションはいつからできたのでしょうか。現在、プロデューサーとして向き合っている業務についても教えてください。

プロデューサーというポジションをブランドエクスペリエンス部で募集し始めたのは、2022年に入った頃からです。たくさんのメンバーやパートナー企業が関わるようなプロジェクトやイベントが増えて、私と同じような立ち位置でクリエイター職と協働しながら、部門間や会社間を横断してコミュニケーションを取り、全体を俯瞰しながらブランドに向き合うメンバーを増員したい意向があったと聞いています。

私はプロデューサーとして複数のプロジェクトを並行して担当していますが、2021年の終わり頃から担当しているKBCオーガスタゴルフトーナメントや、ゴルフというスポーツに関連した一連の施策は、プロデューサーとして担当しているプロジェクトの一つです。

Sansanは、2021年に日本ゴルフツアー機構公認トーナメントであるKBCオーガスタゴルフトーナメントに初めて特別協賛しましたが、その数年前からSansanは不定期にゴルフコンペを主催していました。2024年まで3年連続で特別協賛をしていますが、2021年の特別協賛をきっかけにSansanが主催するゴルフコンペの開催回数は増え、ゴルフを軸にしたコミュニケーションにより注力するようになりました。

当初から、そういった場で提供されるノベルティーや会場クリエイティブの制作などにブランドエクスペリエンス部にいるクリエイター職のメンバーも関わっていたのですが、年間を通してプロジェクトを効率的に進め、ブランディングの機会としてもスケールさせていくために、2021年の終わり頃から私がプロデューサーとして入りました。年間を通してゴルフを軸にしたプロジェクト全体を俯瞰して向き合う役割を担うようになったんです。

最初は、年間を通して実施される、さまざまな施策に横串を通し一つのプロジェクトとしてまとめるところから始めました。その中で、バラバラに実施されていたSansanのゴルフ施策がつながっていくようなビジュアルやクリエイティブを設計したり、年間を通して企画を立て発注の頻度を束ねてノベルティー制作の自由度やコスト効率を高めたりすることで、ブランドとして一貫性を持たせながらも、その効果や効率も高めていける体験設計を意識しました。

 

KBCオーガスタゴルフトーナメント2023

 

また、4日間にわたって開催されるKBCオーガスタゴルフトーナメントでは、Sansanとして自社のブースを構えます。招待するお客様の一連の体験に向き合うだけでなく、多くの一般来場者の方にSansanのことを知っていただけるような機会となるように、当日のオペレーション設計からブースで実施するコンテンツや来場者に配布するノベルティーの企画から実行まで担当しています。

想像することを大事にしながら
活躍の場を広げ、ブランドを強くしていく

現在、チームにはどんなメンバーがいますか。

所属しているグループには、プロデューサーと映像ディレクターが在籍しています。私と同じようにイベントに携わった経験がある人もいれば、動画撮影・編集のディレクションといったクリエイター職のバックグラウンドを持ちながら活躍している人もいます。

プロデューサーに必要なスキルや、心構えはありますか。

プロジェクトマネジメントのスキル・経験があることは大前提です。長期間にわたる大規模なプロジェクトの中で、いろいろなチームとパラレルに動きながら一つの体験を作っていくポジションなので、プロジェクト全体を見ながら、日々のタスクの単位まで分解して管理していかなければなりません。

また、想像力が必要な仕事でもあると思います。関係者から寄せられた意見の折衷案ではなく、時には課題や目的に立ち返りながら、ベストな形を自分自身で想定して、そこに必要な具体的なアウトプットまで思い描いた上で、あるべき姿を議論しながら実行していける力も必要です。

私も、いつもプロジェクトに向き合うときは、目の前にある制作物と自分の頭の中にある理想像を比較しながら、さまざまな視点で見るように心掛けています。一つひとつの体験や制作物に向けるミクロな視点も必要ですし、プロジェクト全体を俯瞰したマクロな視点も必要です。

それから、ブランディング部門としては当然ですが、アウトプットのクオリティーや見え方、そこから生まれる成果やコストパフォーマンスを追求することも求められます。イベントやブランディング施策単体といった単位で見ることはもちろんですが、より広い視点から見たときに、イベントとイベントのつながりや見え方に矛盾が出ないようにも気を付けています。

今後、プロデューサーとして入社される方が新しくチャレンジできる領域はありますか?

はい、もちろんです。プロデューサーが必要な領域は、イベントに限りません。SansanやBill Oneなどといったプロダクトブランドに向き合っていく中でも、さまざまな体験、クリエイティブが存在します。将来的には、プロダクトに連なるブランド体験を担当するプロデューサーを採用しようという構想もあります。

「Sansanと社会の接点」は膨大にあるので、プロデューサーとして活躍できる領域は幅広く、会社も、会社を取り巻く社会環境もどんどん変わっていく中で、たくさんの挑戦を重ねられると思います。そして、業務を通して経験も重ねて、自身の役割やキャリアを広げられるチャンスがあるポジションでもあると思います。さまざまなプロジェクトに新しいメンバーを加えながら、これからも「Sansanらしさ」に向き合い続けていきたいです。

 

 

text&photo: mimi